先日アップされた「コンベクションオーブンでスポンジを焼こう!」企画(編注:正しくは『クリスマス直前徹底比較! 3社のコンベクションオーブンでケーキを焼いてみたら、衝撃の結果に!』)で超久しぶりにスポンジケーキを焼きまくった。しかも、クリスマス用のコンテンツとしては去年のローストチキンがすでにある。


というわけで、借りていたオーブンをそろそろ返却しようと思ったら、姉妹媒体であるExcite Bit コネタで「“油ジュース”を飲むのはもう止めよう!」という記事がアップされていた。コンベクションオーブンを使うことで、揚げ物は油が減らせるし、焼きものでも脂が落ちてヘルシーに仕上げられる、という。

む。油が減らせる……。そういえば夏に死にそうな思いで5kg減量したのに微妙にリバウンドしかけている。これから忘年会シーズンも本格化する。
それ魅力! でもそんな都合のいい話に出会うとだいたいガッカリすることが多い。そんなうまい話があるか確かめるべく、ダイエット中に敬遠していた料理で打線を組んで実際に作ってみることにした。 気になるオーダーは、

1番:ヘルシーローストビーフ
2番:ヘルシーな鶏のから揚げ※揚げてないけど
3番:鮭の焼き漬け
4番:主砲、豚バラ肉
5番:スペアリブ
6番:鶏もも肉のグリル
7番:ヤムニョンテジカルビ
8番:豚バラ肉のチーズキムチ焼き
9番:焼きメンチカツ

……我ながらいかにもエグい、ダイエットの敵感がハンパではないと思う。
そして結果から言おう。 この写真見てください。
サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?
一週間の料理から落ちた油がこの量!!迫力満点だ

なんともまぁ……、エグい「ヤツ」がでてきました。
そうです、これがダイエットの天敵、動物性脂肪です!これだけの量の油を落とすことができたのだ。では実際に個別の料理を見ていこう。

ヘルシーローストビーフ


サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?
コンベクションオーブンで作るローストビーフは、誰がやってもブレが少ない安定感ある仕上がりに。

まずは定番、ローストビーフから。脂っこいイメージがあんまりないが、本当に落ちるのか?!と試してみることに。 ついでに言うと、エキレビ!の「肉の師匠」が最近出した『大人の肉ドリル』という本の調べものを手伝っていた時、とある論文で肉の加熱は低温・長時間調理のほうが、うまみが増幅しやすいということを知った。コンベクションオーブンの「保温」機能ならと、味の方にも期待が膨らむ。 

■庫内温度65℃×3時間
今回借りたデロンギのコンベクションオーブンのタイマーは60分まで。
3時間=180分となるとまるまる3回の加熱が必要になる。家庭用のものはそれほどシビアな温度設定をする設計にはなっていないのでAmazonで買ったオーブン用の温度計を利用して60~70度くらいを保っていればOKとしよう。今回は温度設定のダイヤルを、100℃の少し手前のお鍋みたいなマークのところあたりに設定したときにこの温度帯になった。

手順としてはまず肉の周囲をフライパンで焼く。焼き色がついたら、水で濡らしたキッチンペーパーでくるんでオーブンへ。ワイヤーラックに直接乗せてコンベクション(熱風調理)で加熱する。
ワイヤーラックの下段にトレイを差し込めば、肉から落ちた脂などで庫内が汚れるのも防止できる。

あとは1時間ごとに、肉の上下を入れ替えて、均等に熱が回るようにすればいい。ペーパーもちょうど1時間程度で乾くので、その都度水で濡らして肉をくるむ。すると、3時間後には誰もがロゼ色のかたまり肉を焼き上げることができる。肉肉しい食感が楽しめるよう、切り方は拍子木に。塩をパラリと振ってもいいし、柚子胡椒やわさび醤油で食べてもいい。


できあがった肉を口に運び、歯を入れればまさに「肉汁ジュバァッ!」のローストビーフのできあがりだ。にもかかわらず、油はしっかり落ちていた!これは最初から恐ろしくなりそうだと予感した瞬間だった。

ヘルシー鶏のから揚げ


次はヘルシー版鶏のから揚げにトライ! デロンギの公式サイトにもレシピがあるので、これをベースに作ってみた。

<ポイント>
徹底して「脂抜き」を目指すならサラダ油を塗らなくてもいいが、カリッと感を重視するなら塗ったほうがわかりやすくカリっとなるらしい(今回は純粋にどのくらい油が落ちるか知りたいので、塗っていない)。また、衣のつけ方によっては"揚げ上がり"に衣がオイルプレートにくっつく可能性もあるので、オーブンシートを敷いたほうが無難。その際、シートに切り目を入れることで脂が下に落ちやすくなる。そして何よりも大切なのは水気をしっかり切ること。
下味をしっかり揉み込んだあと、できればキッチンペーパーなどで下味をふいてから粉をはたきたい。

できあがりはまさに鶏のから揚げ。もっともオイルプレートには想像した以上の脂が落ちている。それにも関らず、 食感のカリっ、ジュワーっは相変わらず。もはやコンベクションオーブンの定番料理と言っても良い出来だ。

サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?

サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?
鶏のから揚げは思いのほか(失礼)ジューシーな仕上がりで、外側が"揚"がっていれば内部にも火は通っているので、揚げ上がりの判断がしやすい。


主砲豚バラ肉


そしていよいよ登場、油たっぷりお肉の主砲、豚バラ肉だ。スーパーで肉を買った瞬間から相当な油が出そうだと思っていた。わかりやすくお見せするため、塩とコショウだけで味付けをした肉を焼くことにした。

結果が以下の写真である。
サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?

サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?
普段はこの油ジュースとセット、ということだ。 お、恐ろしいっ!!


油を見た瞬間「げぇっ、気持ち悪いっ!」と思わず言葉に出てしまった。目の前でビーカーに入れたときの圧倒感は写真ではお伝えしづらい。まさかこんなにも油が出るとは想像がつかなかった。さすが主砲は違う。 

主砲が期待通りの活躍を見せてくれたところで終わりたかった。しかし番狂わせ、つまりもっと油が出たものがあったのでこれだけ紹介したいと思う。まずは以下の写真をご覧いただきたい。

サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?
果たして何の油だろうか?! 予想しながら次へ……。

サヨナラ「油ジュース」の生活!デロンギのコンベクションオーブンは本当に油を落とすのか?


正解は6番、鶏もも肉のグリルだ。鶏肉は健康的、というイメージが先行していて下位打線に入れてしまったローストチキンがまさかの結果に。油においては代打逆転サヨナラ満塁ホームランレベルの活躍を見せたのだ。

スペースの都合で紹介できないが、他にも【ヤムニョンテジカルビ 】【豚バラ肉のチーズキムチ焼き】【焼きメンチカツ】【魚の焼き漬け】を作ってみて出た油を全部集めたのが1ページ目の冒頭の写真である。油が落ちないような調理法で同じものを作ったとすれば、この油をそのまま摂取することになっていたわけだ。1週間分でこの量、ということは1ヶ月ではこの約4倍……。改めて恐ろしくなる。

年末年始は家庭でも日常と宴が入り交じり、キッチンが戦場と化す季節。確かにこの一台があるとコンロの口も空けられる上、メニューによっては放り込んでおけば勝手にできあがるし、気になる油もカットできる。食べたいものを食べつつ、正月太りの原因となるカロリーを抑えることもできてしまう、というわけだ。

作ったメニューはいずれも食べごたえはしっかりしているのに、食後に胃もたれ感がない。牛のローストは言わずもがなだが、油が落ちるヘルシーな鶏のから揚げの"軽さ"は特筆モノ。油カットして美味しさまでアップしつつ、手間もなくどんな料理でも対応できる安定感に、あらためてデロンギの守備範囲の広さと底力を痛感させられた。(烏西 香)

関連リンク:デロンギ スフォルナトゥット コンベクションオーブン EO12562Jの製品情報 | デロンギ・キッチン公式サイト | De'Longhi