
アメリカ発のハンバーガーチェーン・バーガーキングによる、イジメ防止を啓発する映像が話題を呼んでいる。全米イジメ防止月間に合わせて公開されたもので、直接自分に関係する問題にしか声を上げない社会を皮肉たっぷりに描いている。
イジメを止めた客「あるべき世界って……」
動画は、店内を舞台に、1人の少年が同級生にイジメられているときと、自分が注文したハンバーガーが店員に潰されたときで、どちらが抗議する人の数が多いか検証したもの。イジメの加害者と被害者は役者だが、客は本物なのでリアルな反応が見られる。自分のハンバーガーが潰された場合は95%と高い数値の結果が出た一方、イジメに対する結果は12%にとどまった。
CMでは、潰されたハンバーガーを見て憤然と声を上げたにもかかわらず、目の前のイジメには怪訝な顔をするだけの客たちの姿が映されている。しかし、イジメを止めた客もおり、1人は「あるべき世界って、何か変なことが起きてるのを見かけた誰かが、『ねぇ、こんなの良くないよ』って声をかける世界だと思う」とイジメられた少年に語った。また、もう1人は自分もイジメに遭った過去があるとして、「もし見かけたら、私は何かします」とイジメに対する姿勢を話している。
「僕も、あの時声かけて欲しかった……」
今回の映像は、直接自分に関係のないことは見て見ぬふりをする社会を風刺している。動画に対して、毅然とした態度でイジメを止める人を見て「涙が出てきた」と感動する声や、「イジメを見かけたら止められるような大人になりたい」「逃げずにイジメと向き合おう」など、今後イジメに対して声を上げていきたいという声が寄せられている。
また、イジメ被害者と見られる人からの「僕も、あの時声かけて欲しかった……」という声も寄せられている。今回の動画は、人々がイジメへの向き合い方を改めて考えるきっかけとなっているようだ。
(HEW)