「自分の貯蓄って周りの平均と比べてどうなの?」気になる周りの貯金額。職場の同僚といえども、貯蓄の額は聞くに聞けないのではないだろうか。
気になる同年代の貯蓄額は?
まずは同年代の状況を探ってみよう。
金融広報中央委員会「知るぽると」が行った平成28年の調査によると、単身世帯の「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)」は、20歳代で最も多かったのは「貯蓄しなかった」で18.6%。次いで10~15%未満で17.9%となっていた。貯蓄割合の平均は18%だ。
30歳代になると、10~15%未満が最も多く21.8%で、35%以上が16.2%、20~25%未満が14.0と多かった。平均は19%だ。
40歳代では貯蓄しない割合が37.8%と多く、次が10~15%未満で14.9%となった。平均は8%。
※金融資産とは現金・預金、株式・出資金、保険・年金準備金等を指す
実際の年収と当てはめてみると、年収300~500万円の場合、20歳代では平均54~90万円、30歳代では平均57~95万円、40歳代では平均24~40万円の貯蓄をしているということになる。
しかしこれはあくまで平均値ということを踏まえておきたい。
また、総務省統計局による平成28年の家計調査報告(貯蓄・負債編)の「世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」においては、二人以上の世帯の貯蓄額は40歳未満が574万円、40~49歳が1,065万円、50~59歳が1,802万円という結果になった。
平均より参考になる? 年代別の中央値
知るぽるとの「金融資産の有無と金融資産保有額(2016年/平成28年)」でも年代別データがある。このデータでは、「平均」と「中央値」の両方が記載されている。まずは次の表を見てみよう。
平均よりも中央値のほうが身近に感じるかもしれない。なぜなら、平均は、貯蓄額1千万円以上の世帯も含むためだ。金融広報中央委員会の資料でも、「平均値は少数の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられることがあるため、平均値だけでみると、多くの世帯が実感とかけ離れた印象をもつのである」と記載されている。
一方、中央値は、すべての世帯を金融資産額の多い順、もしくは少ない順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の額になる。
20歳代の中央値は0円。つまり、まったく預貯金をしないのが普通ということだ。その後は30歳代で167万円、40歳代で200万円、50歳代で500万円、60歳代で650万円と、年を経るごとに資産を増やしていく傾向が強いようだ。
都道府県別1位は香川県
では、エリア別ではどのような違いがあるのだろうか。都道府県別の金融資産額をみてみよう。
総務省の「平成26年全国消費実態調査」によると、都道府県別1世帯当たり家計資産の内訳(二人以上の世帯)のデータで、金融資産の第1位は香川県で1,477万円、第2位は島根県で1,382万円、第3位は福井県で1,379万円となっている。
ちなみに東京都は1,195万円であり、トップと比べると282万円低い結果となった。
貯蓄の多い堅実な職業が判明!
職業別ではどうだろうか。DODAの2012年の調査では、平均貯蓄額トップは「投資銀行業務」で554万円だった。第2位は「経営企画/事業企画」で512万円、第3位は「法務/知財」の490万円、第4位は「人事」で486万円、第5位は「総務・庶務」の477万円となった。
やはり1位、2位は日頃からお金に触れ、自らもお金に関する興味が高い職種である。そして3位以下は手堅い職業が続く。
ちなみに貯蓄額ワーストは「映像クリエイター」の74万円だった。
(石原亜香利)