20代の平均年収を調査 前半から後半にかけて給料はどのくらい伸びる?
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20代前半と後半では平均年収はどのくらい違うか。大卒や院卒の人が新卒で入社してくる時期と、既にサラリーマンとして経験を積んできている時期では大きな差があるはず。
ましてや高卒の人なら先に入社している分、主戦力として活躍しているのが一般的だろう。
今回は、20代の平均年収を年齢だけでなく、男性、女性別で分けて調査してみた。おおまかな中央値も算出している。また、都道府県別の年収ランキングでは、大きな格差があったことがわかった。


20代前半から後半にかけてみんなの給与はどのくらい伸びている?


20代の年収といっても、年齢によって異なる。そこで20代を通してどれくらいの変化があるのかを知るために、20代前半と20代後半の平均年収を比較してみよう。
20代の平均年収を調査 前半から後半にかけて給料はどのくらい伸びる?
出典:国税庁 平成28年分 民間給与実態統計調査「第10表 事業所規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額 その3 平均給与」p138

男性の20~24歳から25~29歳への変化により伸びた額は、事業所規模によって約60万~117万円となった。全体としては、20代前半から20代後半にかけて、平均108万円ほど年収が伸びている。

ちなみに2016年の初任給は次の結果となった。
20代の平均年収を調査 前半から後半にかけて給料はどのくらい伸びる?
出典:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」


平均年収を押し上げている職種ランキング


転職サービスDODAが2016年~2017年にかけて行った調査によると、20代全体の平均年収は346万円となっていた。

自分の年収と比較すると、少し高いと感じる人もいるかもしれない。そこで20代のうち、とくに平均年収が高く、全体の平均年収を引き上げている職種が何であるかを見てみよう。
20代の平均年収を調査 前半から後半にかけて給料はどのくらい伸びる?

1位は投資銀行業務の627万円。先ほどの20代平均の年収と比べると200万円以上多い。
続いて2位は運用(ファンドマネジャー/ディーラー/アナリスト)の566万円、3位が戦略・経営コンサルタントの559万円、4位が会計専門職・会計士で547万円、5位に営業―CRO/SMO/CSOで518万円となった。
主に金融系で、賃金が専門知識やスキルによって上乗せされやすい職種が上位に並ぶ傾向がある。また、営業系も5位に食い込み負けてはいない。


日本人全体の中央値を算出


国税庁「平成28年分 民間給与実態統計調査」によると、2016年の1年を通じて勤務した給与所得者のうち、平均年収は男性で約521万円、女性で約280万円、男女合計では約422万円となっている。
しかし平均値を見ると少々高いように思える。特に男性はそう感じるのではないだろうか。そこで中央値をざっくりと出してみよう。
同調査結果の給与階級別の分布から数えると、ちょうど中間になる人が存在する年収幅は次のようになる。

男性:400~500万円の間
女性:200~300万円の間
合計:300~400万円の間

※国税庁「平成28年分 民間給与実態統計調査」第3表 給与階級別の総括表から算出

男性は400~500万円が中央値となる。平均は約521万円なので、中央値は少々下がることになる。ただこれは20代以外もを含むデータであるため、20代のうちは中央値より低くてもまだまだ気にする必要はない。

20代で既に最大80万円の格差


次に、47都道府県別の20代の平均年収を見てみよう。
DODAが 2013年10月~2014年9月末までの間にサービスに登録したホワイトカラー系職種の正社員男女、約16万件の調査結果によると、20代の上位5位は次の結果になった。

都道府県別20代平均年収ランキング

出典:DODA「平均年収ランキング2014 都道府県別

1位は東京都(368万円)、2位に福井県(361万円)、3位は静岡県と栃木県(358万円)、5位は神奈川県(354万円)となった。
20代の最下位は285万円の沖縄県。1位の東京都と比べると約80万円近い差があることになる。20代のうちから意外と格差は大きいことが分かった。
(石原亜香利)
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