そんな新感覚の体験参加型映画イベントがあるのをご存じですか?
その名前は、「ROLE PLAYING CINEMA(ロールプレイングシネマ)」。昨年12月2日に第1回が東京・高円寺で行われ、約100人の参加者が詰めかけました。
映画と同じシーンを街中に再現?!

題材となったのは、2014年公開のアカデミー賞受賞作「セッション」。
ジャズドラマーをこころざす主人公・アンドリューが、鬼教官・バディの理不尽な仕打ちに耐えながら悪戦苦闘を乗り越え、成長していく物語です。
この「セッション」の主人公・アンドリューになりきって映画の世界を疑似体験できる、というこのイベントなのですが……。
劇中の見どころとなっている「しごき」シーンも体験できてしまう、とか。
映画本編では映像を見ていても思わず「うわぁ」と声を上げてしまうようなキツい場面なのですが、はたして軽い気持ちで参加して大丈夫なんでしょうか。痛いのはイヤだなぁ……。
参加者たちは高円寺の街中を歩いて移動。
これまた現実感のないいでたちのガイドさんと日常そのものの高円寺の風景が混ざり合って、現実のような空想のような不思議な気分になっていきます。

映画のシーンを体験できる「チェックポイント」は、街中にあるホテル。
外からは想像もできないぶん、余計にワクワクが高まります。

劇中の会話を体験

中に入ると、主人公が家族たちと会話するシーンが体験できるコーナーがスタート。
映画の設定に忠実なキャラクターを演じる役者さんたちと本番さながらの会話が楽しめます。
劇中のオーバーなリアクションまで忠実に再現してくれます。

どんなことを話しても映画の世界観に絡めて返してくれるので、いつしか参加者の動きもだんだんと芝居がかっていき、まるで即興のお芝居を見ている気分に。

その様子を横で眺めるのがなんとも楽しい(笑)

主人公と「同じ目に遭う」

こちらは、劇中の主人公と同じ「しごき」を体験できるコーナー。
これまた映画の設定に忠実な、怖そうな強面の教官が参加者に猛烈なドラム指導をします。
「よし。このドラムだ。これから言うリズムでたたいてみろ。」

ドラムセットには「怒られたい」「煽(あお)られたい」と書かれたシール。
ためしに「煽られたい」のドラムをたたくと…
「おまえの実力はそこまでか? たたき続けろ……!!!」

鬼教官がリクエストに応えて、参加者をヒドイ目に遭わせてくれます。

もう現実なのか夢なのかわからない……
コーナーの間を移動する最中も、参加者同士の会話が絶えません。

「まさかあんな目にあうとはね……」
「さっきの人、どんなシーンで出てくるんだろう」
「なんかもう街中のひとたち、みんな役者さんに見えてくるんだけど……」
普通にスクリーンで見ていたら味わえない会話です。
いよいよスクリーンへ
最後となるチェックポイントのドアをあけると……

ジャズバンドが舞台の映画にちなみ、劇中曲を豪華な生演奏で味わえるステージが待っていました!

演奏が終わると、いよいよ上映スタート。

さっき体験したシチュエーションと同じシーンになると、会場からどっと笑い声が。
「あーこれ、このシーンだったんだ!」

一本の映画をさまざまな形で何倍にも楽しむことができる、新しい映画の楽しみ方「ロールプレイングシネマ」。
次回の開催は年内を予定しているそう。いまから待ちどおしい……!
ロールプレイングシネマ 公式サイト
(天谷窓大)