これまでの経緯を説明すると、2008年4月にテレビ東京系の深夜で産声を上げた『おねがい!マスカット』は、MCのおぎやはぎ、ゲストと言いながら毎週出演する大久保佳代子(オアシズ)、そしてセクシー女優やグラビアアイドルからなる番組内ユニット“恵比寿マスカッツ”が繰り広げるバラエティー。古き良き時代の深夜バラエティーを彷彿させる内容で人気を集め、恵比寿マスカッツも異色のアイドルグループとしてファンを増やした。
その後、『ちょいとマスカット!』『おねだりマスカットDX!』『おねだりマスカットSP!』と番組名の変更を繰り返しながらシリーズを重ねるも、2013年3月には終了し、恵比寿マスカッツも解散。しかし2年半の沈黙を破り、2015年10月『マスカットナイト』として復活を遂げると、恵比寿マスカッツはユニット名を“恵比寿★マスカッツ”としてメンバーを一新。さらに『マスカットナイト・フィーバー!!! 』へと続いた。
あのOGメンバーが復活

これまでの番組名の変更並びリニューアルは、セットが少し変わったくらいで、内容はほとんど変わらず、ほとんど変わらないのにリニューアルと言い張るのが一種のギャグとなっていたが、今回の『恵比寿マスカッツ横丁!』へのリニューアルは、衝撃的と言えるほどの変革がなされた。
『BSスカパー!も恵比寿マスカッツ横丁』では、恵比寿★マスカッツが、グループ名を“恵比寿マスカッツ1.5”と改めると同時に、恵比寿マスカッツの人気メンバーだった一名が、新メンバーとして電撃加入した。さらには、恵比寿マスカッツの3名(蒼井そら、麻美ゆま、Rio)が、とある役職で番組にレギュラー出演。これをAKB48グループに例えるなら、前田敦子がメンバーとして復活し、大島優子、小嶋陽菜、篠田麻里子が劇場支配人に就任する……といった、そのくらいありえない出来事が起きている。
“恵比寿マスカッツ1.5”としては、離れていったファンを呼び戻そうという狙いも透けて見えるが、最年長が一番の後輩になるなど、メンバー間の関係性は多様化し、対立構図や暴露合戦といったこの番組特有の企画は、面白さが増しそうだ。現に、『恵比寿マスカッツ横丁』になってからは、メンバーが新体操風に全身と小道具を使いながら怒りを表現する“全日本プンスカ新体操競技大会”といった爆笑企画を誕生させている。加えて『BSスカパー!も恵比寿マスカッツ横丁』には、地上波ではオンエアされていないオリジナル映像もプラスされるので、ディープに楽しむなら両方視聴するのがベター。
個人的には、「参った!」(投了)するまで暴露合戦を繰り広げる対決企画“マスカッツ将棋”が、これまでのベストバウト。
総合演出はマッコイ斉藤
シリーズを通し、総合演出を務めているのは、マッコイ斉藤。目ざといテレビウォッチャーなら、2018年3月での終了が発表された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の演出担当であり、番組内の“男気ジャンケン”で無理やり参加させられた髭面のスタッフとして記憶しているであろう。
“マスカット”シリーズには『みなさんのおかげでした』にも通じる型破りな笑いに加え、アイドル、お色気が絶妙な割合で配合されている。1980年代のなんでもありなバラエティーに思い入れのある方、最近のアイドルグループに食傷気味という方には、特にオススメだ。
なにはともあれ、まずは、『BSスカパー!も恵比寿マスカッツ横丁』の第一回放送を見て、新メンバーの登場時に見せる出演者のリアクションに注目して欲しい。
Writer:佐藤正文
(提供:ヨムミル!Online)