長野から平昌まで 時代を彩る冬季五輪のテーマソングを振り返る
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ついに開幕した平昌五輪。普段はあまりテレビを観ないけど、この時ばかりは日本選手団の活躍が気になり、テレビ番組表をチェックする……なんて人も多いことでしょう。

さて、オリンピックといえば、いつの頃からか、各放送局でテーマソングを選出するのがお約束となっています。オリンピック中継におけるCM前のジングルやニュース映像のBGMなどで頻繁に流されるため、図らずとも耳に残り、聴けばその時代の五輪の記憶がフラッシュバックしたりするものです。そこで今回は、過去の冬季五輪でどんな楽曲がテーマソングに使われていたのか振り返っていきたいと思います。


1998年 長野オリンピック 『湾岸スキーヤー』(少年隊)など


NHKではF-BLOODの『SHOOTING STAR』、日本テレビ系では、J-FRIENDSの『明日が聴こえる』、TBS系ではTRFの『Unite!The Night!』、テレビ東京系では田原俊彦の『愛は愛さ』、そして、テレビ朝日では同局夏の定番番組『熱闘甲子園』 で長らくキャスターをつとめた長島三奈の詞にGLAYのTAKUROが曲を付けた歌手・Romiの異色曲『見つめていたい』など、26年ぶりとなる日本開催の冬季五輪を盛り上げるべく、個性豊かな楽曲がテーマソングに選ばれました。
注目は、フジテレビ系の『湾岸スキーヤー』(少年隊)。もともとは1990年代前半に、山下達郎が千葉県船橋市にかつてあった『ららぽーとスキードームSSAWS』のCMソング用に書いた同曲。内陸地で海のない長野県で開催される五輪なのに「湾岸」って……と当時よくツッこまれていたものです。


2002年 ソルトレークシティオリンピック 『そうだ!We're ALIVE』(モーニング娘。)など


五輪主題歌は時代を映す鏡……。思い返してみると、その時代どんなアーティストが流行していたのかがよく分かります。この2002年開催のソルトレークシティ五輪におけるテーマソングには、NHKではMISIAの『果てなく続くストーリー』、日本テレビ系ではw-inds.の『try your emotion』、フジテレビ系ではhitomiの『Understanding』、テレビ朝日系では前田亘輝の『Always』、テレビ東京系においては『ASAYAN』のオーディションでデビューした新人歌手・勝又亜依子の 『KEEP ON YOUR SIDE』 がそれぞれ選ばれています。
TBS系では、五輪中継番組のMCに安倍なつみを起用していた関係からか、モーニング娘。の『そうだ!We're ALIVE』をチョイス。
ちなみに、なっちの相方をつとめた、もう一人のTBS系五輪中継のMCは和泉元彌。なんとも時代を感じさせます。


2006年 トリノオリンピック 『Triangle』(SMAP)など


何となくオリンピック=SMAPのイメージがあるなぁ、と思い調べてみたら、2004年のアテネ五輪から2016年のリオ五輪まで、毎回、TBS系かテレ朝系の主題歌に選ばれていたことを知り納得。いかに彼らが長きに渡り、テレビ産業の王道を歩んできたのか分かるというものです。
このテレビ朝日系の『Triangle』以外のトリノ五輪テーマソングとしては、NHKで平原綾香の『誓い』、日本テレビ系で浜崎あゆみの『Born To Be...』、TBS系で小田和正の『まっ白』、フジテレビ系で倖田來未の『WIND』、テレビ東京系でCrystal Kayの『Together』がそれぞれ選定されています。


2010年 バンクーバーオリンピック 『Heal The World』(マイケル・ジャクソン)など


2009年、世界中に衝撃を与えたマイケル・ジャクソンの訃報。スーパースターの死に伴い、ドキュメンタリー映画『THIS IS IT』に長蛇の列ができ、20年以上前のアルバムがチャート上位に食い込むという地球規模のムーブメントが起こり、それは日本にも波及。結果として、当時のJ‐POP最新シングルを差し置いて、1991年発表の『Heal The World』が、TBS系の2010年冬季五輪におけるテーマソングに選ばれたのでした。
その他のテーマソングは、NHKがL'Arc〜en〜Cielの『BLESS』、日本テレビ系が嵐の『揺らせ、今を』、フジテレビ系が大塚愛の『LUCKY☆STAR』、テレビ朝日系がSMAPの『スーパースター』、テレビ東京系が青山テルマの『Believe』。


2014年 ソチオリンピック 『GAME』(福山雅治)など


2008年の北京から今年の平昌まで、日テレが6大会連続で嵐の曲を採用すれば、テレ朝は6大会中5大会福山。単なるイメージ戦略なのか、それとも利権絡みのしがらみなのかは定かではありませんが、彼らの歌声がそれぞれの局における「五輪の音」になっているのは間違いありません。
この福山雅治の『GAME』以外では、NHKでコブクロの『今、咲き誇る花たちよ』、日本テレビ系で嵐の『Road to Glory』、TBS系でSMAPの『Moment』、フジテレビ系で絢香の『number one』、テレビ東京系でEvery Little Thingの『START』が、ソチ五輪テーマソングに選ばれました。

今回の平昌五輪では、NHKがSEKAI NO OWARIの『サザンカ』、日本テレビ系が嵐の『白が舞う』、TBS系がマライア・キャリーの『HERO』、フジテレビ系がGReeeeNの『ハロー カゲロウ』、テレビ朝日系が福山雅治の『1461日』、テレビ東京系がNOKKOの『翼』と、どことなく各局のカラーを感じさせる楽曲がテーマソングにチョイスされています。果たしてこれらの楽曲は、日本勢の大活躍により、2004年のアテネ五輪NHKテーマソング『栄光の架橋』(ゆず)のような、ありし日の感動を思い起こさせる象徴的名曲になれるのでしょうか……?
(こじへい)
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