講談社が公式の読み放題サービス「コミックDAYS」のWEB版をプレリリースした。現在物議を醸している海賊版サイト「漫画村」の対抗策になるのかと注目を集めている。
講談社の読み放題サービスに期待の声が上がるも…
「コミックDAYS」は「週刊ヤングマガジン」「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」「Kiss」「BE・LOVE」の6誌で掲載されている作品を、月額720円でいくらでも読めるというサイト。6誌の編集部から集まった100人超の編集者からなるチームで運営される、講談社の一大プロジェクトだ。
ついに講談社が“読み放題サービス”の運営に乗り出し、ネット上では「よくやってくれた! 漫画村に負けるな!」「講談社が本気出してきたな。漫画村から読者を呼び戻してほしい」「6誌で720円は結構破格だけど、やっぱりこれくらいやらないとな」と期待の声が上がっている。
一方で、「漫画村」に対抗するには6誌の作品だけでは足りないという指摘も。以前から「漫画村に対抗するには出版社が垣根を越えてWEBサービスを始めないとダメでしょ」との意見が寄せられていたが、「コミックDAYS」で読めるのは講談社の作品だけで、さらにキラータイトル揃いの「週刊少年マガジン」はサービスに含まれていない。そのため「本当に海賊版サイトを潰したいのなら出版社が結託するべき」といった厳しい声も出た。
『あしたのジョー』ちばてつやも海賊版サイトを危惧
数々の漫画家も問題視している「漫画村」だが、現状では摘発が難しい模様。そんな中「日本漫画家協会」は、2月13日に「海賊版サイトについての見解」を公式サイトに掲載。「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」「このままの状態が続けば、日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまうことでしょう」と懸念を示している。
そしてサイト名は伏せられていたのだが、2月11日にはNHKも“海賊版サイト”について報道。「日本漫画家協会」の理事長を務めるちばてつやさんは、取材に「いいアイデアがあって、いいキャラクターがいて、おもしろい話が作れるのに、漫画家がそれを続けることができないということが現実に起こってきている」「漫画文化をこれからも育てていくという意味でも、どうか海賊版サイトでは読まないということを、お願いしたい」と訴えていた。