東京五輪キャラ、作者にロイヤリティーなし 賞金安すぎの声も本人「不満はない」
「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」 公式サイトより。

2020年東京五輪・パラリンピックの公式マスコットが発表された。しかしデザイナーへの報酬は賞金の100万円のみでロイヤリティーはなし。これにはSNSなどで「知的財産を軽視しすぎなのでは?」といった意見が寄せられている。

賞金100万円だけでは安すぎる!?


公式マスコットの最終候補に選ばれたのは、近未来的なデザインに伝統的な市松模様などをあしらった「ア案」、神社のキツネやこま犬をモデルにした「イ案」、昔話の世界から飛び出してきたようなキツネとタヌキの「ウ案」の3つ。最終選考は全国の小学生による投票で行われ、見事「ア案」が選ばれた。

「ア案」のデザインを担当した福岡市のイラストレーター・谷口亮さんは、都内で行われた発表会で「頭の中真っ白なので何を言えばいいかわからないんですけど、大好きな奥さんに早く知らせたいです」と喜びを露わに。SNSなどでは「自分もア案がいいと思ってたからこれはうれしい!」「ア案可愛すぎる!」と喜びの声が上がっている。

しかしそんな「ア案」を生み出した谷口さんには賞金100万円が贈られるものの、ロイヤリティーは全て大会組織委員会などに帰属するという。このことは「ア案」決定の報とともに各ニュースサイトなどで取り上げられ、ネット上では「クリエイターの扱いってこんなもんなんだな…」「ニュース見て驚いた。あまりにも安すぎる」「これから山ほど作られるグッズなどの収益もクリエイターには入らないのか」といった声が上がった。

デザイナー本人は応募条件に納得


デザイナーへの同情の声が上がる中、谷口さんは3月1日にTwitterで「賞金100万円のみでロイヤリティー無しというのは初めから分かってて応募したので僕的には何も不満はないです」「むしろお金には変えられない名誉なことなので感謝しております」と説明。さらに「これから自分の頑張り次第だと思ってます」「と言うわけでキャラクターのご依頼お待ちしてますw」と前向きに続けている。



デザイナー自身は報酬に納得しているようなので、Twitterユーザーからは「本人は応募条件にOKだしてるんだし、これ以上第3者がとやかく言うのもどうかと…」「安すぎな気はしたけど、これで有名になって仕事の依頼がどんどん増えてほしい!」「まあどこも公募はこんなもんなのかな。新規のお仕事に期待」といった声が。今後は組織委員会と谷口さんの話し合いや有識者の審査会などを経て、今年の夏までにマスコットの“名前”を決めていくそうだ。
編集部おすすめ