吉本興業は3月7日、ヨシモト∞ホールで記者会見を開き、eスポーツ事業に本格参入することを発表。ロンドンブーツ・田村淳さんがMCを務め、慶応義塾大学・教授の中村伊知哉さんやよしもとクリエイティブ・エージェンシーのスポーツ事業センター長の星久幸さん、GamingD・代表取締役の江尻勝さんらをはじめ、プロゲーマーやゲーム好き芸人たちが登壇した。
eスポーツとは
「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームの対戦をスポーツ競技として捉えるというもの。世界市場は近年で急成長しており、オリンピックでも正式種目化が取り沙汰されているなどの盛り上がりを見せている。プレイヤーの数も世界で1億人を数え、2022年のアジア競技大会では正式種目化が決まったため、2024年のパリオリンピックには競技種目になる可能性があるとのこと。日本国内では市場整備や選手待遇などで遅れが指摘されてきていたが、2月1日に一般社団法人「日本eスポーツ連合」が設立され、今後の発展が期待されているスポーツだ。
世界的に活躍するプロチームを育成
吉本興業では今回の参入により、eスポーツの4つのプロチーム「よしもとゲーミング」の発足を発足。プロゲーマーの発掘・育成を行う。
ひとつは、世界一を目指すチーム「よしもとデトネーター」の育成。eスポーツ市場で成長著しいフィリピンを拠点に、プロゲーミングチーム「DeToNator」と協業して、外国人選手でチームを編成していく。国外でプロゲーマーを発掘・育成し、高額賞金『Dota2』部門で世界一を目指す。
ほか3つのチームは、主に日本人選手を中心としたチーム編成で、よしもとプロゲーマーで国内eスポーツの認知拡大を目的とする。「よしもとエンカウント」は、チーム「アキハバラ エンカウント」とタッグを組んで、アクションシューティングゲーム『Overwatch』、「よしもとリバレント」はカードゲーム『Shadowverse』、「よしもとエクストラクター」はポケモンをテーマとした対戦アクションゲーム『ポッ拳POKKEN TOURNAMENT DX』を専門とする。
プロゲーマーとゲーム好き芸人が“ストV”で対戦
同会見には、吉本興業初となるプロゲーマー、ジョビンさん、西澤祐太朗さん、小池龍馬さんの3名が登壇。全員吉本に所属するお笑い芸人だといい、今回の契約により、本格的にeスポーツのプロゲーマーとして活動していく。ちなみに、ジョビンさんはピン芸人として活動していたものの、プロゲーマーの道に転向。
また、よしもと屈指のゲーム好き芸人、次長課長・井上聡さん、トータルテンボス・藤田憲右さん、パンサー・菅良太郎さん、しずる・池田一真さんも登場し、プロの実力を見るために、ジョビンさんと人気格闘ゲーム「ストリートファイターV」でゲーム対戦を実施。目隠しをしたジョビンさんと対戦した井上さんが1度は勝つことができた芸人チームだったが、そのほかは惨敗。白熱した試合が繰り広げられた。
eスポーツの大会といえば、8月3日から5日までの3日間、米国ラスベガスで世界最大級の格闘ゲーム大会「Evolution Championship Series 2018(通称:EVO2018)」が開催される。同大会に先立ち、よしもとでは招待選手選考イベント「e-sports SQUARE AKIHABARA」を実施。上位入賞者には、よしもとクリエイティブ・エージェンシーからプロ契約権が与えられ、ラスベガスまでの渡航費や宿泊費などをサポートしてくれるという。