
昨年、今まで使っていた「iPhone 5s」の調子が悪くなり、新品で「iPhone X」に買い替えた。買い替えるまではいろいろ悩み、迷った挙句に「長く使えるに違いない!」と思い、これに決めたのだが、いざ使い始めてみると、疑問が生じてきた。
恥ずかしながら、スマートフォンの設定などはあまり得意ではない。用途もメールやSlackの確認、SNSの利用、写真撮影など。通話は会社用のガラケーを使うので、ほぼiPhoneでは利用しない。このような状況だから、「元が取れるのか」が気になってきた。
iPhone Xの寿命を2年間と考えた時、一日当たりの端末使用料はおよそ191円(本体代を税込13万9320円で計算。以下すべて税込み価格)。それに通信料が加わる。自分の場合は格安SIMを利用しているので、通信料は月に1815円ほど。一日当たり約60円だ。ということは、自分は一日約250円でスマートフォンを使っていることになる。
このようなことから、今回はコスパ目線で、スマートフォンとの付き合い方を考えてみたい。
端末の使用料を考えてみる
例えば端末を購入するとき、いくつかの方法がある。
(1)まったくの新品を買う
(2)型落ちの新品同様品を買う
(3)中古品を買う
価格が安いのは明らかに(3)だが、壊れてしまうのが早く、予測できないというところが問題である。せっかく使い始めたのに、数カ月で買い替えが必要になってしまえば、あまり意味がない。また、(2)も比較的良い商品が安価で手に入ることもあり、好みの端末を安く使うという発想を持つ人には良いものだ。
(1)は、価格帯を十分に検討して購入しないと、思いのほか高額な端末を買ってしまったということになりやすいので、注意が必要だ。
例えば、価格を抑えて6万円の端末を選ぶと2年間のうちで一日当たりの使用料は約82円まで下がる。家電量販店に行くと、もっと安価でコスパの良い端末が売っており、一日当たり27円~40円ほどの使用料に抑えることも不可能ではない。
加えてもし、節約をしっかり考えているのなら、通信は大手キャリアで契約せず、格安スマホを選択できるようにしておいたほうがよい。そのために、端末は「SIMフリー」という種類を選ぼう。格安SIMを使うときに「ドコモ系のSIMを使っているならドコモの端末なら使える」という話を聞くことがあるかと思うが、それで格安SIMが面倒だとかわかりにくいと思ってしまうのなら、はじめから「SIMフリー」にしておけば何の問題も生じない。
格安スマホでも端末の種類は豊富にあるので、節約を意識する人はデザインよりも自分が利用したい機能が備わっているかどうかで選ぶのがベストだろう。特に日頃の利用頻度が少ない人ほど、気にしてほしいところだ。端末代を安くできればできるほど、使用料金は安く節約できる。
格安SIMという選択

端末で節約を意識したのなら、通信料も節約を考えたい。MVNOとか、格安SIMという言葉をよく聞くようになったが、メインで利用している人は、MMD研究所が発表した「2018年3月格安SIMサービスの利用動向調査」によると、全体の10.1%。前年の調査よりも3.1ポイント増加しており、これは家電量販店などで気軽に契約できるため、利用者数はだんだんと増えてきている。
いまでは通信速度も多くの業者では問題ない速度が出ているし、別契約にはなるが話し放題も利用できる。なかにはインターネット回線とのセット割を用意している業者もあるし、パケットを翌月に繰り越せる業者も出てきている。
大手のキャリアとはサービスに大きな差がなく、でも安く利用できるのだ。節約を考えるのであれば、通信のブランドを気にするよりも、格安なものに変えることを検討したほうがよいだろう。
大手キャリアで契約すると、通信料が月額8000円以上かかっているというケースも多いだろう。格安SIMなら、料金も基本的な契約で1000円前後から、必要なサービスを複数追加しても1カ月4000円前後程度で十分活用できるものになるはずだ。今の使用料から見ると、かなりコスパがよいに違いない。
通信費は節約効果が高い
大手キャリアから、検討しながら格安に変えてみると、一日の使用料はかなり異なる。
キャリアの場合、一日の通信料+端末代は、266円+191円=457円
格安SIM利用の場合、60円+191円=250円(冒頭の私のプランで比較)
一日当たりで200円も異なってくる。1カ月では6000円以上も異なる。これを使う価値があると判断するかどうかはあなた次第。だが、少しでも節約したいという人には、ぜひ一度考えていただきたいと思う。
(横山光昭)