撮影/田中聖太郎
メジャーデビュー30周年を邁進中のBUCK-TICKが、21枚目のニューアルバム『No.0』を引っさげ、3月31日(金)よこすか芸術劇場より全国ツアー『BUCK-TICK 2018 TOUR No.0』をスタートさせた。
『No.0』の世界観を濃密に表す今ツアー初日で見せたのは、誕生と終焉、創造と破壊、愛と死。
楽曲の世界を視覚的に広げるステージセットや映像、闇と光を演出するライティング、そして最新のBUCK-TICKサウンドで、この普遍かつ重厚なテーマを描いていた。
映像とステージセットを効果的に使ったメンバーの登場シーンに、期待で胸を膨らませた会場からは大きな歓声と拍手が沸いた。これからツアーを楽しむ方たちのために詳細は控えるが、ステージは『No.0』の楽曲を中心にしたセットリストで、過去曲も『No.0』の世界をより深く繋いでいく楽曲がセレクトされていた。
撮影/田中聖太郎
撮影/田中聖太郎
鼓動と呼応するようなヤガミ・トールが打ち鳴らすリズムが世界を押し開く「零式13型「愛」」、「Ophelia」では星野英彦のギターが切なく歌に寄り添い、「BABEL」では樋口豊の重厚なベースフレーズが存在感を放った。今井寿が鳴らすノイジーなギターサウンドから繋がるインダストリアルナンバー「ノスタルジア -ヰタ メカニカリス-」では、シアトリカルなステージパフォーマンスに魅せられ、「Moon さよならを教えて」では美しいバンドアンサンブルと、櫻井敦司の情感豊かなヴォーカルに酔いしれた。
そして、映像と共にストーリーを紡いだ「ゲルニカの夜」は、瞬きをするのも忘れるほど。普段、楽曲の主人公を演じるように歌うヴォーカルスタイルの櫻井が、生身のむき出しの感情で声を吐き出す「胎内回帰」も圧巻だった。ステージから伝わってくる凄まじいエネルギーと説得力が、微動だにできぬほど会場を圧倒していた。
撮影/田中聖太郎
MCを挟まず構築された本編はとてもシリアスで深く心に刻まれるものだったが、「GUSTAVE」で櫻井に合わせて会場中が猫ポーズで乱舞するのもこのツアーのハイライト。ファンと一緒に作り上げていく『No.0』の世界を、メンバーも楽しんでいるようだった。
会場を見渡すと老若男女幅広い客層が見受けられ、ウィークリーチャート2位となったこの『No.0』は、デビュー30年のキャリアにしてなお、最高傑作を更新し続ける彼らのオリジナリティを改めて裏打ちする作品だといえる。創造と破壊を繰り返しながら、BUCK-TICKは追加公演の7月26日(木)東京国際フォーラム ホールAまで、全29公演を繋いでいく。
(取材・文/大窪由香)
撮影/田中聖太郎
≪ツアー情報≫
【BUCK-TICK 2018 TOUR No.0】
2018年3月31日(土)神奈川・よこすか芸術劇場
2018年4月1日(日)東京・オリンパスホール八王子
2018年4月7日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2018年4月8日(日)奈良・なら100年会館 大ホール
2018年4月14日(土)栃木・栃木県総合文化センター メインホール
2018年4月15日(日)群馬・群馬音楽センター
2018年4月21日(土)石川・本多の森ホール
2018年4月22日(日)長野・長野市芸術館 メインホール
2018年5月12日(土)香川・サンポートホール高松 大ホール
2018年5月13日(日)高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
2018年5月19日(土)岡山・倉敷市民会館
2018年5月20日(日)京都・ロームシアター京都(京都会館) メインホール
2018年5月26日(土)北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
2018年6月1日(金)福島・けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)中ホール
2018年6月3日(日)千葉・市川市文化会館
2018年6月9日(土)大阪・オリックス劇場(旧:大阪厚生年金会館)
2018年6月10日(日)大阪・オリックス劇場(旧:大阪厚生年金会館)
2018年6月14日(木)新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
2018年6月23日(土)広島・広島JMSアステールプラザ大ホール
2018年6月24日(日)福岡・福岡市民会館
2018年6月30日(土)宮城・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
2018年7月1日(日)青森・リンクモア平安閣市民ホール(青森市民ホール)
2018年7月6日(金)埼玉・川口総合文化センター リリアメインホール
2018年7月7日(土)神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
2018年7月14日(土)静岡・静岡市民文化会館 中ホール
2018年7月15日(日)愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール(旧:名古屋市民会館)
2018年7月18日(水)東京・NHKホール
2018年7月19日(木)東京・NHKホール
2018年7月26日(木)東京・東京国際フォーラムホールA ※追加公演
■BUCK-TICK オフィシャルサイト
編集部おすすめ