「そうだね♪ プロテインだね♪」
あれは今から12年前、筆者が大学生の時に参加したサークル新歓期における飲み会でのこと。新入生で筋肉質の男の子が先輩から覚えめでたくなろうとしたのか、思いっきり胸をドンドン叩いて「例のアレ」をやっていました。
体育教師を目指していたパッション屋良
パッション屋良がテレビに出始めたのは、2005年ごろ。ちょうど、『エンタの神様』(日本テレビ系)、『笑いの金メダル』(テレビ朝日系)、『爆笑オンエアバトル』(NHK)といったネタ見せ番組の最盛期であり、お笑いブームの真っただ中でした。もともとパッションはお笑い志望ではあったものの、「人を笑わせてメシ食えるなんて、世の中そんなに甘くない」と考え、体育教師を目指していた堅実な若者だったといいます。ということで、高校卒業後は故郷の沖縄から東京へ上京して、国士舘大学体育学部体育学科に入学し、高校の保健体育の教員免許を取得したそうです。
『笑いの金メダル』出演でブレイク
しかし、いくら安定の道を歩もうと筋道を立てても、内に秘めたるお笑いへのパッションは抑えきれず。結果として大学卒業後に、ウッチャンナンチャンが所属する「マセキ芸能社」に所属したパッションは、2000年にお笑いコンビ『サミット75』を結成。2004年には、あの白い衣装に身を包んだ情熱的な体操のお兄さんスタイルを確立させ、『お笑い登龍門』(フジテレビ系)『笑いの金メダル』(テレビ朝日系)への出演を機に、瞬く間にブレイクしたのでした。
一部の小学校では「パッション禁止令」も発令された
彼の十八番といえば、やはりあの「んーッ!んーッ!んーッ!」といって大胸筋を全力で叩くネタ。この一芸(?)により一躍、子供たちの人気者となりますが、本人曰く「あまりに全力で叩き過ぎて胸骨を骨折したことがある」というほど強烈な打撃であるため、一部の小学校では「子供が真似をすると危険」との理由から「パッション禁止令」が発令されたこともあるのだとか。いかに当時の彼が大きな影響力を有していたか分かるエピソードです。
そんな「んーッ!」のおかげで、さまざまなバラエティ番組で引く手あまたになったパッションは、身長180cm・体重86kg・ベンチプレス160kgという恵体・膂力を活かして、筋肉タレントの聖戦『スポーツマンNo.1決定戦』にも出演。見事、第4位入賞を果たしています。
あなたもパッションを呼ぶことができる?
しかし、この時期に売れた多くの芸人がそうであるように、パッションの人気も徐々に失速。
また、マセキ芸能社に所属しながら、個人事務所「オフィス・パッション」を設立し、その事務所経由で、結婚披露宴・各種イベントの司会・余興、講演会・セミナー、映像企画・制作など、ありとあらゆる仕事を引き受けているのだとか。ためしにホームページを開き「パッション屋良に聞いてみる」の項目をクリックすると、応募フォームが表示され、そこでの交渉次第で、パッションを呼び寄せることができるみたいです。沖縄在住とのことなので、本州に呼ぶ場合は相応の経費が掛かりそうですが、酒席の座興に呼んで一発「んーッ!」とやってもらえば、盛り上がること間違いないでしょう。
(こじへい)