第一話をラインハルト(CV:宮野真守)の銀河帝国側、第二話をヤン・ウェンリー(CV:鈴村健一)の自由惑星同盟側にわけて、アスターテ会戦を臨場感ある演出で見せた新銀英伝。

第三話「常勝の天才」。
ラインハルト(CV:川上千尋)とキルヒアイス(CV:藍原ことみ)の幼少期と、ふたりがアンネローゼの館に訪れたシーンを中心に描いた。
ラインハルトとキルヒアイスの出会い、どうして軍人になり、何を目指しているのかが明らかにされる重要なパート。
原作では、第一話で過去回想として挿入されたシーンと、第三話のラストに配置された部分だ。
これまでと同様、細やかに大胆にアレンジされていた。
原作ではほとんど描かれない帝国軍幼年学校のできごとを、映像で見せてくれたのも興味深かった。
学校裏に呼び出された上級生を反対にとっちめるシーンや、噴水に落ちたと姉に嘘をついて上半身全裸のラインハルトとキルヒアイスを見せるシーン(腐女子向けサービス?)など。
セリフもアレンジされていた。
帝国軍幼年学校の制服を着て現れたキルヒアイスのセリフは、原作では、こうだ。
「軍人になるんだ。はやく一人前になれるからね。出世して姉さんを解放してあげなきゃ。
アニメでは、こうだ。
「軍人になる。はやく一人前になれるからな。キルヒアイス、ぼくと一緒に行こう」
「軍人……」
「そうだ。いっしょに姉さんを取り戻すんだ」
目と目をしっかと見つめ合って、手を握る。
ストレートでドラマティックなシーンに演出されている。
ひとつ残念だったのは、アンネローゼ(CV:坂本真綾)のあのセリフがカットされていたことだ。
キルヒアイスにラインハルトを見まもってやってと、アンネローゼが懇願した後のセリフ。
「もしあなたの言うこともきかなくなったら……そのときは弟も終わりです。どんなに才能があったとしても、それにともなう器量がなかったのだとみずから証明することになるでしょう」
このセリフがまるまる省略されていた。どうしてカットしちゃったんだろう。
最後に、ラインハルトのセリフを。
「そうさ、キルヒアイス、おれもお前も、あんな奴らの風下に立つべき理由はなにひとつないんだ」
次回、第四話は「不敗の魔術師」。楽しみだ。(テキスト/米光一成)
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