「2020年東京五輪・パラリンピック」ボランティア検討委員会の初会合が5月21日に開かれた。以前から批判があった“宿泊費の自己負担”などの募集要項案について有識者を交えて検討。
募集要項案への批判に“やりがい”で対応?
「2020年東京五輪・パラリンピック」の大会組織委員会は、「大会ボランティア募集要項(案)」を公表。募集条件には「2002年4月1日以前に生まれた方」「組織委員会が指定する全ての研修に参加可能な方」「活動期間中において、日本国籍を有し、又は日本に滞在する在留資格を有する方」「大会期間中及び大会期間前後を通じて、合計10日以上活動できる方」「東京2020大会の成功に向けて、情熱を持って最後まで役割を全うできる方」「お互いを思いやる心を持ちチームとして活動したい方」と記載されていた。
さらに「活動期間・時間」は大会前の準備期間と大会期間中で、1日8時間程度。「活動にあたり提供する物品等」には、「ユニフォーム」「活動中の飲食」「ボランティア活動向けの保険」の3つが挙げられている。しかしこの募集要項案には、「東京(会場が所在する都市)までの交通費及び宿泊は自己負担・自己手配となります」との文面が。これにネット上では、「条件が悪すぎる」「実質8時間勤務で研修期間もあるのに宿代も出ないってマジ?」「せめて交通費くらいは出してくれよ…」といった声が上がっていた。
このような世間の批判を受けて、初会合ではボランティアの在り方などを検討。ところが21日に掲載された「NHK NEWS WEB」の記事によると、会議では「募集にあたってはボランティアのやりがいをわかりやすくPRしていくことが必要だ」といった意見が出されていたという。
「やりがいをわかりやすくPR」案に大ブーイング
この報道にネット上では「『宿泊費くらい出してくれ』って批判されてるのに、なんで『やりがいをPR』って意見がでるの?」「“やりがい”を盾にして搾取する気満々じゃないか」「どこかのブラック企業かよ」「ボランティアだから報酬とかはいらないけど、“やりがい”でゴリ押しするようなスタンスは支持できない」との批判が相次いでいる。
その他「これも誰も参加しないんじゃ…」とも懸念されているが、一方で「現状の募集要項が劣悪すぎて、逆に参加したら面接でアピール出来るネタになりそう」「なにもやっていない学生が就活で有利になれる神イベントじゃないか!」との声も。
ちなみにボランティアが無報酬なのは東京五輪だけではない。2012年ロンドン大会も宿泊費や交通費は自己負担だったが、7万人の募集に対して24万人の応募があったという。