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元ロッテ里崎智也の下克上人生から学ぶ「エリートの倒し方」

元ロッテ里崎智也の下克上人生から学ぶ「エリートの倒し方」

最近のプロ野球選手は引退後にどうやって食べてるのだろうか?

BSやCS放送、動画配信と視聴方法は増えたものの一昔前の地上波テレビのナイター中継よりはギャラも格安だろうし、TBSラジオのように野球中継から撤退する放送局も出てきている。評論の場の新聞や雑誌も下火だ。年金だけじゃ心もとなく、かと言って、頻繁に講演会に呼ばれるような大物は野村克也や落合博満クラスに限られるし、NPBは12球団のままなので監督やコーチの枠も増えたわけじゃない(条件面度外視なら独立リーグやアマ球界の指導者という新たな道はあるが)。

以前は、放送業界において“元巨人”という肩書きが圧倒的に強かったが、これからは“元メジャーリーガー”にニーズが集中すると思う。例えば大谷翔平のアメリカのマウンドやボールへの対応策を解説をする際、実際にMLBプレー経験があるのとないのでは説得力が全く違う。石井一久、斎藤隆、高橋尚成といった70年代生まれの解説陣の時代が到来しつつある。世代交代はグラウンドだけじゃなく、放送ブースでも起こっているのである。


里崎智也が仕事を選ばない理由


そんな中で元メジャーリーガーでもなければ、スーパースターでもなかった元プロ野球選手を最近よくメディアで見かける。元ロッテの里崎智也である。自著『エリートの倒し方 天才じゃなくても世界一になれた僕の思考術50』(飛鳥新社)では、信用できない上司=コーチの見分け方や、チームメイト=ビジネスパートナーの付き合い方といった興味深い章の他に、ハッキリと現役引退直後に「“便利屋”になると誓い、仕事を選ばず、依頼が来たらなんでも引き受けよう」というスタンスで独立したと書き記している。

なぜなら、野球関連の仕事の椅子の数は決まっているし、自分は超一流選手じゃなかったので、仕事を選んでいる場合じゃないから。便利屋になって、日頃から顔つなぎをしておくと、いざという時に手を貸してもらえるかもしれない。里崎はズバリ言うのだ。「実力さえあれば評価してもらえると考える人もいますが、それはウソです」と。

黙っていちゃ何も始まらないし、何も変わらない。自分から動くしかないのだ。チャンスは待つのではなく己で作ってナンボ。周囲に無謀だと言われようが、他の捕手が打てないからという理由で、本来キャッチャーにとって優先度が低いバッティングの猛練習に励み出場機会を確保。

里崎は2005年5月29日の試合後に各テレビ局で夜にスポーツ番組を放送する日曜を選び、球場前の特設ステージでライブを開き歌ってみせる。巨人や阪神みたいな人気球団ならヒット1本でスポーツ紙の一面をとれるが、当時のロッテは違った。普通のやり方じゃ相手にすらしてもらえない。だったら、マスコミから注目されることを自ら仕掛けるしかない。中小企業が大企業に勝ちたいのなら、ユニークな工夫が必要だ。まさにとことん下克上人生である。


挫折を受け入れて未来へのターニングポイントに変える


そんな里崎智也はいわば遅咲きの選手だった。プロ入り当初は2度の手術をするほど故障に悩まされ満足にプレーすらできない日々。だが29歳で迎えた第1回WBCにおいて、同年メジャー移籍で不参加の城島健司の代わりに侍ジャパンの正捕手を任せられると、ベストナインに選出される大活躍。打率4割を超える打撃、さらに味方野手から「おまえのリードは怖い」と言われるほどの強気なリードで投手陣を牽引した。

WBC後の06年シーズンからレギュラー定着すると、ロッテ捕手では21年ぶりの規定打席到達。さらに自己最多の17本塁打、56打点を記録し、キャリア初のベストナインとゴールデン・グラブ賞も獲得してみせた。14年の引退まで最終的に4度も手術を経験したキャリアを里崎は「遠回りしたからこそ、見える景色がある」と振り返る。

ケガをしている間、筋トレで基礎体力をアップさせ、試合をバックネット裏から配球を研究しリードの勉強もできた。エリートや天才は目的地まで最短距離を突っ走るが、自分のような凡才は時間をかけて迂回しながら登っていく。その間に経験できることだってあるだろう。
人生何がプラスになって、何がマイナスになるかなんて、やってみないと分からない。野球選手なら突然2軍落ちを命じられたり、配置転換もある。会社員だって納得できない異動や転勤は数多い。そこでやってられないよと腐ってしまうか、この遠回りもいい経験だと思えるかが運命を分ける。

連載もすでに20回を越えさまざまな選手を取り上げたが、一流選手の多くに共通するのが故障やコンバートや受験失敗といった野球人生のアクシデントを自分なりに受け入れ、その時にしかできないことを見つけて遠回りしながらでも目標に向かっていく姿勢だ。井口資仁の嫌でたまらなかった二塁転向、リハビリ中にラジコンと出会った山本昌、上原浩治の19歳の浪人生活。挫折であり、ある意味人生のロングバケーション。だが、後から見たら実は未来へのターニングポイントだった。それこそ自分の先を行くエリートを倒す準備期間として。

えっこんなコラム読んでる時間はない? まあ時には1本のコラムをゆっくり読むくらいの日常の回り道も悪くないと思いますよ。

【プロ野球から学ぶ社会人に役立つ教え】
上手くいかない時は、人生の回り道を楽しめ。
(死亡遊戯)

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2018年4月18日のスマダン記事

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