
『3年振りに帰ってきました』
2017年6月に日本武道館、2018年2月に大阪城ホールでの単独公演、そして先日には2018年9月からアリーナ4公演を含むワンマンツアーが発表されたTHE ORAL CIGARETTES。確実にキャパを広げていっている彼らが、3年振りに東京・Shibuya O-EASTに帰ってきた。
今回のライブはその大きなステージで確実に培ってきた力量を、そのままライブハウスという”箱"のなかで思いっきりぶつけていたと思う。セットリストを見返しても、本当に凄まじいライブだった。

今回行われたライブは、音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」が、“あなたの側で、生きてる音楽。”をコンセプトにミュージシャンと送るプレミアムライブ番組『SPACE SHOWER TV “LIVE with YOU”』の公開収録によるもの。この主役に<THE ORAL CIGARETTES>が選ばれた。これまでONE OK ROCKやエレファントカシマシ、DREAMS COME TRUEといったトップアーティストとともに行ってきたなかでも、歴代で4番目に応募者数が多かったという今回のライブは、抽選による無料招待制。そんな一晩限りのスペシャルなステージの模様をお届けしたい。
5月14日、会場前にはドレスコードとして指定された黒色や赤色の服に身を包んだファンで賑わっていた。ステージセットには、THE ORAL CIGARETTES(以下、オーラル)の世界観を重視したという、シャンデリアや真っ赤な絨毯といった洋館の内装をモチーフにした本格的なセットや、このライブのためにデザインされたタペストリーが目を引く。ハロウィンを彷彿させるような不気味なBGMが流れるフロアは、650名のファンで埋め尽くされていた。
会場の照明が突然消え、激しいSEが流れ出すと、会場から<待ってました>と言わんばかりの歓声が鳴り響く。メンバーがステージ後方にセットされた階段から登場し、山中拓也(Vo&G)が『今日は楽しもうぜ』と笑みを浮かべながら一声かけると、"嫌い"からライブがスタートした。

観客からの煽りで"5150"へなだれ込み、あきらかにあきら(Ba/Cho)は前のめりで激しいパフォーマンスを見せつける。『みんな選ばれし者でしょ? だから今日は珍しい曲をどんどんやっていきます』と告げると、"気づけよBaby"をプレイ。レーザー光線の演出が会場を駆け巡り、盛大なシンガロングも巻き起こる。山中は色気溢れる仕草をしたり、くしゃっと笑って観客へOKと囁く場面も多く見られ、目いっぱいステージを楽しんでいることがわかる。ステージ中央上のシャンデリアが光り輝くと披露されたのは"ハロウィンの余韻"。続けて"S-LOW"、"通り過ぎた季節の空で"と、懐かしいナンバーが披露され、会場のボルテージを一段と高めていく。

中盤では、“DIP-BAP”や“A-E-U-I”などのライブではお馴染みの楽曲が連続投下されたり、鈴木とあきらかにあきらが後方の上段でソロプレイを披露し、オーディエンスを煽る。そこに負けじと着いてくるファンの熱気も合わさり、会場の狂騒が加速していく。
MCでは、『僕らってバンド界隈でどこらへんなの?』と山中が聞くと、『最高』『圧倒的』とオーディエンスから声が上がる。

クライマックスでは、中西雅哉(Dr)の素早いビートから始まった"Shala la"から、"起死回生STORY""カンタンナコト""狂乱Hey Kids!!"を連続プレイし畳みかけ、さらに新曲”容姿端麗な嘘”を初披露すると、会場内はとてつもない熱気につつまれる。『ラスト1曲、あなたたちに忘れられない日になるように、最後全力を出して帰りたいと思います。スペシャさん、こんな素敵な機会をくれてありがとう。これからもこいつらと共に歩んでいきます』と告げ、"BLACK MEMORY"へ。会場を最高潮にヒートアップさせたところで、本編を終了した。
再度ステージに登場すると、山中が『あなたたちがひとりぼっちにならないように、俺らはずっといますから。それだけは覚えておいてください』と語りかけ、アンコールで"トナリアウ"を演奏。
取材・文/日野綾
<セットリスト>
M1 嫌い
M2 5150
M3 気づけよBaby
M4 ハロウィンの余韻
M5 S-LOW
M6 通り過ぎた季節の空で
M7 DIP-BAP
M8 N.I.R.A
M9 踊り狂う人形
M10 ミステイル
M11 A-E-U-I
M12 ReI
M13 Shala La
M14 起死回生STORY
M15 容姿端麗な嘘(新曲)
M16 カンタンナコト
M17 狂乱Hey Kids!!
M18 BLACK MEMORY
EN1 トナリアウ