渡海(二宮和也)の母・春江(倍賞美津子)の緊急手術で腫瘍の見落としが発覚。

今度は国産ダーウィン
以前、手術ロボットダーウィンでゴタゴタがあったにもかかわらず、今度は国産のロボット「カエサル」が登場。
「研究の帝華大、実技の東城大」と厚労省の富沢にまくしたてるようにしてカエサルを無視できなくなってしまった佐伯教授に、高階先生の進退もかかっている。懲りないなぁ……。
渡海「おまえやったな?」
高階「春江さんのためにあるといっても過言ではない」
渡海の救急対応中にカエサルをつかった手術の説明をして春江から同意を得た高階。
「患者の意思は最優先される」同意書にサインをもらったもの勝ちか。
しかも、東城大の規則で身内の執刀を担当できないという決まりもあって、手を出すことができなかったこともあるけれど、高階の「佐伯教授が推進され、東城大に導入した…」と、佐伯教授の名前をちらつかせていたのが狡い。木下の獲物をみつけたような目も怖かった。
渡海の父親にまつわる回想シーンが登場した6話。同僚らしき医師たちから罵声を浴びせられていた渡海の父親。黒崎も「自分(渡海)の父親があんなことしておいて、こちらへの逆恨みでしょうか」と言っていたこと、ペアンのレントゲンと関係あるのだろうけれど。それに佐伯教授にレントゲンのデータを送りつけてきたのは誰なんだろうか。
さすが渡海の母、春江
佐伯教授に対する態度がまるで違う渡海親子。
佐伯教授を恨むような態度の息子に対して、緊急手術から目覚めた春江が「主人も迷惑をかけて、私まで迷惑をかけてしまったわ」と申し訳なさそうだった。
春江は、佐伯教授と渡海の父と3人で撮影した写真を今でも持っていたので、ただの同僚ではなく、仲が良かったのだろう。
そもそも春江はなぜ病院にやって来たのか。
身内の執刀はできないというルールがあることを承知の上か、それでも息子に最後を託した春江が素敵だった。
高階に言われるがまま同意書にサインをしていたように見えたけれど、「もしも私の状態が本当に危険になった場合 息子 渡海征司郎に最後の執刀をお願いしたい」と一筆書き加えていたのはさすが。
「凡人こそがいい医者になる」渡海の父親が生前に言っていた言葉だと春江。
さて、今夜は元看護師で治験コーディネーターの木下の過去が明らかになるよう。常駐しているかのように院内にいて、医師のスケジュールもかなり把握している様子。治験者をみつけたときの目は、サバンナで獲物をみつけた肉食動物のようだった。今回も春江が治験に合意したら、すかさず同意書を差し出してサインをもらっていた。あのスピード感と手馴れた感じ、「一流が好き」と腕のある医師とちゃっかりコミュニケーションをとるしたたかさといい、只者じゃない。
「ブラックペアン」7話は今夜放送。
(柚月裕実)