6月2日(土)に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて、アミューズが主催する音楽フェス『Amuse Fes in MAKUHARI 2018 -雨男晴女-』が行われ、約1万8000人を動員した。
同フェスは2013年から2015年に開催された野外フェス『BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~』を前身とし、昨年から季節も場所もリニューアルされて今年で2年目、通算5回目の開催となる。
休憩中に行われた囲み取材にはスペシャルバンドのメンバーと、そのゲストボーカルが登場。まずは当日まで明かされていなかったボーカルゲストとして出演した、サンプラザ中野くんに感想を聞くと「年がちょっと上なので、今まで呼んでいただけてなかった」と自虐ネタで笑いをとりつつ、「『Runer』がリリース30周年で特別に呼んでいただいた。ありがとう。FLOWが走ってくれたのでお客さんもすごく盛り上がってくれてよかったです」と共演した後輩をねぎらった。この言葉を受けてFLOWのKEIGOは「ランナーという曲なので、僕らは走りに徹しました。青春時代に聞いていた曲をご本人と歌えてよかったです!」と共演した喜びを語った。
続いてflumpoolの「星に願いを」をカバーした岡野昭仁は「とても緊張しました。スペシャルバンドがいて、flumpoolの曲を歌うということで、僕でいいのかなみたいな。隆太の代わりで出たんですが、緊張していてあんまり覚えていません」と緊張したステージだったことを明かし、さらに「自分のステージとどっちが緊張する?」という質問には「断然こっちです!」と即答して出演者たちの笑いを誘った。
「海の声」でBEGINの二人と共演した高橋は「大好きな曲をご本人と歌えてうれしかったです。気持ちよかったです!」と語りつつも、「比嘉栄昇ですって言ったのがあんまりうけなかった」と反省する場面も。今回のステージは本人の衣装とプレゼントしてもらったギターで臨んだそうで、「BEGINの格好を身に纏って出たので、あとは自分らしく歌うことに徹しました」と感想を述べた。自身が手掛けた「海の声」を後輩の高橋が歌ったことについて島袋は、「アミューズ愛を感じた。ただの会社じゃなくて、音楽で関わってる感じがしました」と音楽で繋がる絆を語った。
女性ボーカルたちが先輩、後輩、グループの垣根を越えて歌った「勝手にシンドバット」について、のっちが「普段は私たち3人で歌ってるんですけど、今日はそれぞれ違う子といろんな組み合わせで歌って楽しかったです。ちなみにこれは誰が振り分けしたの?」と尋ねると、「スペシャルバンドならではの組み合わせで歌って欲しいと思って」とWEAVERの杉本雄治が声質を考えて組み合わせを考えたとのこと。
また、生まれる前にリリースされた、楽曲を歌った感想について尋ねられたかしゆかは、「お母さんやお父さんの世代からずっと人気で、どの世代でも知っている曲を歌っているのが事務所の先輩で。その曲をここで歌うことができたのは貴重な体験でした」と語った。
同じ質問に藤原さくらが「みんなすごく腰つきが……いい腰つきだったので、合せようと必死でした」と答えると、一同大爆笑。本番ぎりぎりになって急遽取り入れた振付だったそうで、あ~ちゃんが「女子トイレで練習しました!」と裏事情を告白した。自分の出番が終わってからの出演となったRihwaは、「緊張しましたが、スペシャルバンドはただ楽しもうという気持ちで挑みました。あ~ちゃんと同じパートで顔見合わせながら歌ったのですが、本当にかわいくて、私が独り占めしちゃって、“お客さんごめんね”っていう気持ちでした」と楽しいステージだったことを明かした。
続いて話題は今年のサブタイトル「-雨男晴女-」に。あ~ちゃんが「みんなで話し合う中で、チーム対抗にするとおもしろいよねっていう話が出て。紅白にすると紅が足りないし、良いバランスがないと思ってたら、ポルノ兄さんのステージはいつも雨だねって話からPerfumeは晴れ女じゃん!って盛り上がって、それで雨チームと晴れチームの対抗にしようという話になりました」と今回のチーム対抗戦に至った経緯を説明。さらに2015年まで開催した『BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~』が野外フェスだったことから、「このフェスは天気に悩まされてきまして。私たちも心に引っかかっていたので、今度はこっちが逆手にとってやる!ってみんなで決めました」と告白した。
≪ライブレポート≫
今年は【晴チーム】と【雨チーム】に分かれてのチーム対抗戦の要素もあり、勝敗は観客に委ねられるという熱い展開に。晴チームのトップバッターで登場したFLOWは、代表曲「GO!!!」から「Steppin'out」で一気にオーディエンスの心をつかむと、「終わった後に晴れた夜空に浮かぶ星を見上げましょう! 感謝の気持ちを込めて一曲」(KEIGO)と、晴チーム勝利への願いをこめた「流星」を歌い上げた。しっとりした雰囲気から一転、「元気をわけてくれー!」の言葉と共に大ヒットアニメの主題歌をカバーした「CHA-LA HEAD-CHA-LA」をはじめ「Around the world」「COLORS」で再び会場を熱くさせ、『Amuse Fes in MAKUHARI 2018 -雨男晴女-』のスタートを切った。
続く雨チームからはWEAVERが登場。「WEAVERの雨ソング『BLUE』!」と雨チームのトップバッターにふさわしいしっとりとした曲からスタート。「昨年のフェスより盛り上がってない!?」と今年のフェスの盛り上がりに喜びをあらわすと「雨チームを応援しにきた人ー? 晴チームと一緒くらいやな。こっからは僕たち次第ということですね!」と意気込み、新曲「Hello Future」を披露。実際の天気に負けじと雨チームの勝利へ貢献した。最後「Shine」で締めくくると、晴れチームのRihwaへとバトンタッチ。
代表曲「春風」をしっとりと歌い上げたRihwaは、「昔はズボンやキュロットしか着たことなかったんですけど、東京にはいろんな格好の人がいてすごい勇気をもらって、ここ何年間でスカートを普通にはけるようになりました。そんな人はこの中にもいっぱいいるかな……」と曲に込めた思いを語り「Swing Swing♪」を披露。軽快なバンド演奏と共に、タンバリン片手に広いステージを駆け巡り会場を盛り上げる。そして「ここで皆さんに会えたのも何か意味があったと思います。心を込めて歌います」と今日の出会いに感謝の気持を込めた「ミチシルベ」を力強く包み込むような歌声で届けた。
次は雨チームの辻村有記がイントロで「幕張―! 踊ろうぜ!」と叫ぶと、ダンスチューン「Into U」を披露。
そして今年の目玉であるアミューズスペシャルバンドが登場。アミューズスペシャルバンドには、BEGINから島袋優、上地等、flumpoolから阪井一生、小倉誠司、FLOWからGOT'S、WEAVERから杉本雄治が参加。バンドメンバーの呼び声で、サプライズゲストとなるサンプラザ中野くんがステージに現れると、会場からは割れんばかりの歓声が。「発売から30年! ありがとう!『Runner』!」のかけ声でFLOWのKOHSHI、KEIGOを引き連れて熱唱。KOHSHI、KEIGOは場内を走り回る熱いパフォーマンスを見せ会場のボルテージはMAXに。
「次のゲストボーカルはこの方!」とflumpoolの阪井一生が呼び込むと、ポルノグラフィティの岡野昭仁が登場。「flumpoolの隆太が良くなって、またステージに戻ってきてくれることを願って歌います」とflumpoolの「星に願いを」を歌いあげ、先輩後輩の絆に会場中が感動に包まれた。
MCで、阪井が「半年ぶりのライブなんで、手がふるえています。続いて(島袋)優さんの曲やりましょうよ。ゲストはこの方です!」と呼び込むと、「はいさーいどうも、比嘉栄昇です」「めんそーれー」と言いながら高橋優が登場すると、阪井が「(出身)秋田でしょ!」のツッコミを入れて会場を沸せた後、高橋をボーカルに据えてBEGINのヒット曲「海の声」を披露した。
阪井の「早いものでラスト一曲となります!」の声と共に、今回のフェスに参加しているPerfume、Rihwa、藤原さくら、エドガー・サリヴァンの佐々木萌といった女性ボーカルたちが集結。そしてここからはWEAVER河邉も加わると、Perfumeのあ~ちゃんが「後ろにBEGINさんいるんだよ! やばくない? flumpoolもWEAVERもFLOWさんもいて。『Runner』めっちゃびっくりしたんだけど! 最高だったね!」とサンプラザ中野くんが登場したことにもふれ、豪華メンバーが勢ぞろいしたことを興奮気味に語った。曲紹介では「みんなにも声を出してほしいところがあるんですよ。聞けば分かると思う! アミューズの先輩の曲を歌います」と語り、サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」を披露すると「いま何時!?」「そうねだいたいね~!」の掛け合いで会場が一体となった。
フェスの後半戦は雨チームのエドガー・サリヴァンからスタート。「BABY-Gを諦められない!」「JAPONICA!!!」などアップテンポな曲で会場を盛り上げながら、「エドガー・サリヴァンです!」とグループ名を客席にアピール。ボーカルの佐々木萌が「昨年は客席で観てました。こうやってアミューズフェスのステージに立たせていただいて、本当に光栄に思います。時間は限られていますが、どうしても皆さんと一つになりたいなと思って、一番有名な曲を」と「ミラクルショッピング ~ドン・キホーテのテーマ~」を披露。最後に「私たち今日は誰よりも新人だけど、誰よりも夢があります! よろしくお願いします!」と語り、初出演ながらも堂々としたパフォーマンスでオーディエンスに鮮烈なインパクトを残した。
後輩からのバトンを受け取ったのは晴チームの藤原さくら。
「フレデリックはじめます」の声でステージに現れたのは今年が初参加で雨チームのフレデリック。「オンリーワンダー」で存在感を魅せつけると、「MCなしノンストップで音楽の雨降らします!」と宣言し、「TOGENKYO」、最新曲「飄々とエモーション」、ライブの定番の曲「オドループ」まで息つく間もなく観客を躍らせた。
続いて登場した高橋優は、「明日はきっといい日になる」を晴れやかに歌い、晴れチームらしく会場を笑顔で包んだ。MCでは「一番後ろのあなたにまで届くように精一杯うたいます!」と意気込むと、「皆さんの声を全部ステージに届けてください! 次の曲は一人だけど絶対一人じゃない、くじけてしまう時もあるけど、一緒に前に進んでいこうという願いをこめて」とライブで初披露となる「プライド」を熱く歌い上げた。
雨チームのトリを務めるのはポルノグラフィティ。「雨男代表でございます。でも僕自身は“軽(かる)”晴れ男の岡野昭仁、そして彼が“大”雨男新藤晴一です!」とあいさつすると、「電光石火」「THE DAY」「空想科学少年」まで息つく間もないほど圧巻のステージを魅せた。さらに雨の情景を歌った「サボテン」や今回のテーマに合わせて選曲された「天気職人」を披露すると、ラストは「皆さんを嵐のなかに巻き込みたいと思います」のかけ声と共に「アゲハ蝶」で会場を最高潮に盛り上げ、雨チームに勝利を呼び込んだ。
晴チームのラストを飾るのは、自他共に認める晴れ女のPerfume。あ~ちゃんが「ポルノさんが先に出て、なぜか私たちが最後を飾るの」と大トリを担うことに恐縮しつつも「ポリリズム」「TOKYO GIRL」で雨チームに傾いたオーディエンスの心を一気に晴れチームへ傾けた。Perfumeライブではお馴染みの「P.T.A.」のコーナーでは、コール&レスポンスで会場を盛り上げ、続く「Party Maker」、「チョコレイト・ディスコ」、最新曲「無限未来」を披露し、イベントのフィナーレを彩った。
最後に晴チーム、雨チームがステージに勢ぞろいすると、どちらのチームのパフォーマンスが良かったかの勝敗をオーディエンスに委ね、今回は晴れチームが勝利となった。負けた雨チームは、罰ゲームとして新日本プロレス・真壁刀義さん扮する雷様からのビリビリサンダーを受けると、あまりの衝撃にアーティスト全員がひっくり返り、雨チーム代表の岡野が「みんな手首大丈夫か?」と雨チームらしくじっとり落ち込むと、晴れチームからも客席からも大きな笑いに包まれた。そしてラストはチームの垣根を越えて『Amuse Fes』のテーマ曲「それを強さと呼びたい」の合唱で終幕した。なお、この「それを強さと呼びたい~2018ver.~」のライブ収録音源が、来週にも配信リリースされる予定だ。
【セットリスト】
■FLOW
1. GO!!!
2. Steppin'out
3. 流星
4. CHA-LA HEAD-CHA-LA
5. Around the world
6. COLORS
■WEAVER
1. BLUE(dub step ver.)
2. だから僕は僕を手放す
3. Hello Future
4. Shine
■Rihwa
1. 春風
2. Swing Swing♪
3. ミチシルベ
■辻村有記
1. Into U
2. na na na
3. Actions Over Words
4. Ame Dance
■AMUSE SPECIAL BAND
1. Runner
GUEST:サンプラザ中野くん/KOHSHI(FLOW)/KEIGO(FLOW)
2. 星に願いを
GUEST:岡野昭仁(ポルノグラフィティ)
3. 海の声
GUEST:高橋優
4. 勝手にシンドバッド
GUEST:Perfume/Rihwa/藤原さくら/佐々木萌(エドガー・サリヴァン)/河邉徹(WEAVER)
■エドガー・サリヴァン
1. BABY-Gを諦められない!
2. JAPONICA!!!
3. ミラクルショッピング ~ドン・キホーテのテーマ~
4. 叫べボイエンガル
■藤原さくら
1. 500マイル
2. Sunny Day
3. The Moon
4. Soup
■フレデリック
1. オンリーワンダー
2. TOGENKYO
3. 飄々とエモーション
4. オドループ
■高橋優
1. 明日はきっといい日になる
2. 象
3. プライド
4. ルポルタージュ
5. 虹
■ポルノグラフィティ
1. 電光石火
2. THE DAY
3. 空想科学少年
4. カメレオン・レンズ
5. サボテン
6. 天気職人
7. ハネウマライダー
. アゲハ蝶
■Perfume
1. ポリリズム
2. TOKYO GIRL
3. 宝石の雨
4. Party Maker
5. チョコレイト・ディスコ
6. 無限未来
■エンディング
1. それを強さと呼びたい