
東大女子のなんと7割が東大男子と結婚しているのだ。
合コンでちょっと気になるコに話しかけてみたら、なんと東大卒。
そんなとき、あなたはどう思うでしょう?
(1)わお! すげー、いいじゃん!!
(2)へー、そうなんだ。
(3)げっ、まじ!? オレ、バカだと思われないかな……。
「男性の半分くらいは東大女子を前にするとひるんでしまって、なかなか恋愛相手として見られないのではないでしょうか」
そういうのは、『ルポ東大女子』の著者で教育ジャーナリストのおおたとしまささん。おおたさんによると、東大卒というだけで男性に引かれた経験のある東大女子は少なくないとのこと。実際、合コンなどで学校を上智や御茶ノ水などと詐称してしまう逆学歴コンプレックスは東大女子あるあるらしい。
たしかに男女問わず「東大生(もしくは東大卒)です」と言われると「おお!」と思ってしまうかも。
ではそんな東大女子の恋愛・結婚事情はどうなっているのだろう?

東大女子の実像に迫るルポ。現役東大女子のリアルな声が聞ける座談会も収録。
結婚相手の7割が東大卒
『ルポ東大女子』によると、東大女子のなんと7割が東大男子と結婚している。
やはり東大女子ともなると、同じくらい頭のいい男子でないともの足りないということかと思うと、どうもそうでもないらしい。
「世界のトップ大学といわれるハーバード、スタンフォード、オックスフォードなどは学生の男女比がほぼ半々なのに対して、東大は女子学生比率が2割にも満たない状況です。ですから学生時代は学内では東大女子はモテモテなんです。でも社会にでると底上げがなくなるどころか、東大卒というだけでひるまれてしまうこともあり、恋愛で苦労する人も多いようです」(おおた氏、以下同)
そのためか、東大のOG・女子学生同窓会であるさつき会の調べによると、会員の未婚率は19.8%。日本女性全体の生涯未婚率の7.3%と比べると3倍近くの高さだ。
そこまで未婚率が高いのはなぜ? ひょっとして頭が良すぎるためひと癖あったりするの?そのところを恐る恐るおおたさんに尋ねてみた。
「そんなことはありません。
取材をした印象では、たしかに周りに迎合するコミュニケーションをとるタイプの方は少ないですが、しっかりと自分を持っていて素敵な女性が本当に多いです。僕は独身時代年上の女性とお付き合いをすることが多かったのですが、当時東大女子と接する機会があったら年下でもお付き合いしたいと思ったかも知れないと取材していて思ったくらいです(笑)」
正社員として働き続ければ生涯収入は3億円以上!?
ではなぜ、そこまで未婚率が高いのだろうか?
「経済的に自立ができて、結婚の必要性を感じない人も多いからだと思います」
同書の中で、ジェンダー論を教える東京大学教養学部の瀬地山角教授は、東大女子は第一子を出産した後も正社員として働き続けたら、その後3億円を稼ぐ力があると話している。超高学歴で超高収入の彼女たちのお眼鏡に叶う男性はなかなかいないということなのか?
「東大女子は確固たる自我を持っている人が多いので、パートナーにも確固たる自分を求めるかも知れません。多くの男性がひるんでしまう現実から考えると、日本人男性の自我は未熟な部分が多いと言えるかも知れませんね」

教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏
なかなか男性にとっては手厳しい意見ですが、教育ジャーナリストであるおおたさんは日本の教育の弊害もご指摘。
「あるOGが言っていたのですが、若いうちは東大卒同士で結婚することが多く、30歳を越えてくるとだんだん出身校が関係なくなってくるという傾向があるそうです。それは男性も歳を重ねるにしたがって価値観が多様化して懐の深さが育っていくからです。ただ日本では多様性とは真逆の教育をしているので、ある程度歳を取らないと懐が育たないのだと思います」
一体どういうことなのか?
偏差値という価値観で育てられる10代
「日本では10代の頃に偏差値という画一のものさしの価値観で育てられています。その刷り込みが強烈すぎるんです。だからその延長線上で、出身大学、所属する会社名、役職などで判断しがちになります。そしてその価値観の頂点にある象徴的な存在が東大です。だから東大女子というとひるんでしまうのでしょう」
「東大」という競争ヒエラルキーのトップをイメージさせる言葉と、「女子」というアンビバレントなイメージの言葉とのハイブリッドである「東大女子」。
偏差値や学歴などの画一的な価値観が通用しなくなってきている今日、彼女たちが合コンでも軽やかに出身大学を「東大です」と答えられるような時代が来たら、日本社会も本当の意味で成熟したと言えるのかも。
(鶴賀太郎)
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