
江戸をイメージした浮世絵世界で猫と過ごせるスポットが、この夏両国に登場した。浮世絵を使用して江戸の街並みを再現した空間で、自由気ままに歩き回る猫スタッフが出迎えてくれるというものだ。
その名も「江戸ねこ茶屋」

「俺たち江戸ねこの町で、遊んでいきやがれぃ。」ということで「江戸ねこ茶屋」がオープンしたのは、両国駅西口から徒歩1分の場所にある両国駅広小路だ。

このイベントのコンセプトは「両国のとある江戸長屋の住民は全員が猫との噂。噂を聞きつけ全国から旅人が覗きにくる」というもの。そのため、長屋をモチーフにして作られた室内は、江戸の町で生活する猫たちを眺めたり、写真を撮ることができるようにと浮世絵の他にも階段や通り道などを立体的に配置。お客さんも、猫住民たちの日常生活を一緒に体験することができるようになっている。

使われている浮世絵も全て猫ばかり。住民が全て猫という設定に基づいている。猫たちが快適に過ごせるように、高い位置にも通り道や、足元には隠れられる出入り口が作られている。猫住民たちは人間を怖がらずに遊びまわっているので、油断すると足元に子猫がいたりすることも。うっかり蹴ってしまわないように気を付けよう。

のれんをくぐるとヒノキ造りの銭湯をイメージした空間になっている。通常、猫たちはお風呂も水も嫌いな子が多いが、ここのねこ湯は猫住民たちにも大人気。もちろんお湯は入っていないので、絶好の遊び場になっている。

猫住民の中には子猫の姿も多い。小さな子だと三カ月ほどで、今が遊び盛り。全力で遊んでいる姿は本当に癒やされるし、いつまででも見ていられる。

格子で囲まれ、ちょっとした個室になっているのがねこ遊郭。その名前からわかるように遊郭が再現されているわけだが、個室だから落ち着くのか、それとも畳が気持ちいいからなのか、ねこ遊郭は子猫たちに大人気。


隠れる場所が多いので、のぞき込むと壁と浮世絵の間や隙間などにくつろぐ猫の姿を見ることができた。

遊郭の屋根や壁の上やはしごの上などの高い場所を見上げると、悠々と散歩する猫の姿を見つけることができる。

さすが猫、すいすい登っていくけど、たまに降りられなくなったのかニャーニャー鳴いている子もいて、スタッフさんに心配されていた。

歩くたびに屋根の上に足跡を付けている子もいたので、屋根などをよく見ると、かわいらしい肉球の跡を見つけることができるかもしれない。
猫スタッフは保護猫が中心
江戸ねこ茶屋には45匹の猫住民が暮らしていて、その全てが保護猫。猫住民は疲れないように時間を決めて入れ替えているので、45匹の猫住民が一度にフロアに出ているというわけではない。

みんな保護猫なので、気に入った猫がいれば新しい家族として引き取ることもできるというシステムになっている。
それではなぜ保護猫なのか、今回の主催であるプロデューサーの鈴木智彦さんにお話をうかがってみた。

「最初は両国で江戸をテーマにしたイベントを考えようというところから始まりました。両国は、「猫の恩返し」の伝承が残る回向院の猫塚をはじめ、猫と縁の深い街です。江戸と猫をテーマとしてと考えた時に、猫と触れ合える場所ということで今回の形になりました」と鈴木さん。
まだまだ保護猫を知らない方もいるので、多くの人に知ってもらうきっかけになればという思いも込められているという。

江戸時代には愛猫家と言われる人が増えて行ったといわれる時代で、猫を描いた浮世絵も多く登場した。今回のイベントで使われている浮世絵データも、全て江戸時代に描かれたものを利用している。

「江戸ねこ茶屋」の収益金の一部は保護猫問題解決のための活動資金として寄付される。

一匹でも多くの猫住民が、素敵な里親さんと巡り合えますように。
イベント詳細
開催期間 2018年6月15日(金)から8月31日(金)
開催時間 11:00~20:00(最終入場19時)
開催場所 JR両国駅イベント広場「両国駅広小路」(東京都墨田区)
公式サイト https://edonekochaya.com/
※小学生以下のお客様は入場できません。