ハンドスピナーって何が面白いの?人気の理由や遊び方、種類をご紹介!
画像出典:Pixabay

「ハンドスピナー」というおもちゃをご存じだろうか。名前だけを聞くと工具のようだが、実はおもちゃ。電池もコードも不要で、ただ手や机でクルクルと回し続けるだけだ。それが今、子どもから大人まで大人気となっている。
でもどうしてハンドスピナーにハマってしまうのだろうか?そもそもどんなもので、どんな種類があるのだろうか?ここで一度ハンドスピナーを“解剖”してみよう。

ハンドスピナーとは


まずはハンドスピナーの仕組みや流行った経緯をまとめておこう。

ハンドスピナーとは?


ハンドスピナーは手のひらサイズのおもちゃ。さまざまな形があるが、どれも中心部分にボールベアリングが組み込まれている。使い方は簡単で、中心部分を持って周囲の羽部分をはじくだけ。すると羽部分がくるくると回転しだす。指で挟んで回すほか、机の上などでも回すことができる。

発祥の地はアメリカ。メディア「The Guardian」によると、ハンドスピナーの原型となったおもちゃを考案したのはキャサリン・ヘッティンガーという女性。娘と遊ぶためのおもちゃとして思いついたのだとか。1997年には特許も取得していたが特許更新料が支払えず、2005年に特許は切れてしまった。
その後2016年になってアメリカでブレイク。子どもが熱中してしまうため、持ち込み禁止にした学校もあるほどという。日本にもその人気が波及し、お祭りの出店から家電量販店まで、あちこちで販売されるようになった。2017年には「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたほどだ。
ハンドスピナーって何が面白いの?人気の理由や遊び方、種類をご紹介!
画像は自由国民社「ユーキャン新語・流行語大賞」HPのスクリーンショット


ハンドスピナーの英語名


ハンドスピナーは実は日本での呼び名で、欧米では主に「fidget spinner(フィジェットスピナー)」という名前で売りだされている。fidgetは「そわそわする」「いじくり回す」という意味のある単語で、ハンドスピナーやムゲンプチプチなどの感覚トイは「Fidget Toy」と呼ばれている。

ハンドスピナーの効果と人気の理由


ハンドスピナーには難しい操作は必要ない。中心部分を持ち回すだけでいいので、ともかく簡単だ。子どもでもすぐにできるようになる。
何も考えずに使えるため、手持ち無沙汰のときや考え事をしているときに、手や机でひたすら回していることができる。ペン回しと同じでなんとなく気持ちが落ち着いたり、集中力が高まったりするという声も多い。暇つぶしにもなる。遊び方もただ回すだけでなく、色々なところで回す、投げる、積むなど次々と編み出されている。
また形やデザインが多様で、分解したり改造したり、自作したり、アレンジができるのも魅力の一つだ。
当初はADHDの症状緩和にも効果があると言われていたが、今では根拠のない話とされている。

ハンドスピナーの種類


ハンドスピナーには決まった形はなく、ともかく種類が豊富だ。

形、素材、重さで性能に違い


ハンドスピナーには素材や形にバラエティーがある。
・鉄やプラスチックなどの素材
・羽の数
・大きさ
・重さ
・色や光(LED)

これらが違うことによって回転時間、静かさ、手で回したときの感覚が全然違ってくる。同じような色形をしていても、使って見ると全く違うものが多い。そして次々新しいものが登場してくる。

ヒカキン、セイキンが人気の火付け役



日本でのハンドスピナーブームの火付け役となったのが、YouTuberのヒカキンとセイキンだ。それぞれのチャンネルでお気に入りのハンドスピナーを紹介したり、回転する長さを競ったりした。
また動画内では紹介したハンドスピナーを勝手にネーミング。それがまたぴったりの名前であったため視聴者のツボをつき、商品はアマゾンなどで一時売り切れになったものも多い。

人気・おすすめのハンドスピナー一覧


日本で人気のハンドスピナーは主に、ヒカキン、セイキンが紹介したものだ。そこで動画内でおすすめとして紹介されていたものをその愛称でまとめておこう。

イチオシ・その1「民族」



ヒカキン、セイキンの動画から有名となったのが「民族」。中心部分から6本の細い軸が伸び、先についた重りのようなものものに青、緑、赤のラインがひかれている。「民族」という愛称がぴったりだ。回転時間が比較的長く、使用感がいいためヒカキンのイチオシでよく持ち歩いている。
動画コメント欄に商品リンクがあり、その商品の購入者の評判も上々だ。


イチオシ・その2「水道」


「水道」はセイキンのお気に入り。見かけが水道の蛇口のような変わった形をしている。適度に重量感があり、回転が非常に安定している。静かでなめらかな回転で二人が「心地よすぎる」と絶賛。ただ手の中で回し続けるという意味では最適と言えそうだ。

名前も見た目もかっこいい「JP-KIBOU」


こちらは愛称ではなく、もともとJP-KIBOUというオシャレな商品名。一見してハンドスピナーとわからない、機械のような形をしている。歯車が9つあり、9ギアとも呼ばれる。中心をもって回転させると羽部分と本体が回転、中心以外を持つと歯車だけが回転と二種類の楽しみ方ができる。

回転時間が長い「アメリカン」


動画内で7分という回転時間を記録したのが「アメリカン」。3角形に近い形をしており、羽部分にはアメリカのコインのようなものが埋め込まれている。

小さいのに性能がいい「豆」


ハンドスピナーとは思えない、こぶりな「豆」は見た目とは違って高性能。羽が二枚で短いが安定した回転を見せる。

インパクトがすごい「ホタテ貝」


貝殻の内側のように、にぶい色合いで楕円形の「ホタテ貝」。回転は長い方ではないようだが、回っている様子はとてもキレイだ。


持ったときの感じがいい「タイヤマン」


タイヤマンは羽が全て繋がっていて、車のタイヤのホイールのような形をしている。持って回転させたときの感じがすごいという。

ハンドスピナーペンも登場


ハンドスピナーペンは動画で紹介されているものではないが、ハンドスピナーとペンと掛け合わせた変わりもの。ペンの真ん中にベアリングが組み込まれており、手や机でペン回しが自在にできる。もちろんペンとして書くこともできる。


このほかにも二人は純金製400万円のものや、民族そっくりの「ニセ民族」、民族と水道を掛け合わせた「民族水道」など、様々なものを紹介している。
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画像はジムノペディ社HPのスクリーンショット


ハンドスピナーの遊び方


ハンドスピナーの使い方は簡単だ。だがそのぶん色々な技のアレンジができる面白さがある。

ハンドスピナーの使い方


基本の使い方は簡単で、中心部分を持って回転させるだけだ。手の中で使う場合は中心部分を親指と人差し指で挟み、反対の手で羽部分をはじく。縦に持っても横に持っても大丈夫だ。
机の上で回す場合は中心部分を指で抑え、反対の手で羽をはじいて回転させる。
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画像出典:Pixabay


初心者でもできる技


比較的簡単な技は、片手だけで操作すること。親指と人差し指で軸を挟み、同じ手の薬指など別の指で羽を弾いたり、前後に揺すったりして回転させる。これがマスターできるとハンドスピナー二つを両手で回すことができるようになる。
また、体のあらゆるところで回転させるのも面白い。手や足の指の上、膝などに挑戦してみよう。顔はケガをする恐れがあるので避けた方がいい。
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画像出典:Pixabay


中級者・上級者向けの技


ハンドスピナーを指の上で移動させる技は難しい。片手の指の上でハンドスピナーを回したら、やや勢いをつけてから別の指にのせ替える。ぴょんぴょんと跳ねるようになるとレベルが高い。反対の手の指に移動させる方法もある。

上級者向けの技はダイナミックなものが多い。例えば指から掌、膝から手など、あらゆる場所へ回転させたまま移動させる。回したハンドスピナーを上に投げ、回転させたままキャッチする技をYouTubeで披露する人もいる。

ハンドスピナーはどこで買える?


人気の高まりを受け、ハンドスピナーはインターネットでも店頭でも買えるようになった。

Amazonや楽天で購入可能


Amazonでは多数のハンドスピナーを取り扱っている。「おもちゃ」のカテゴリーから「ハンドスピナー」を選択すると2000件以上がヒットする。楽天でも「ハンドスピナー」で検索すると4000件以上がヒットする。
家電量販店のおもちゃ売り場やトイザらス、ドン・キホーテ、百円均一でも取り扱っているところがある。

値段はピンキリ、偽物も


ブームに伴い、偽物・粗悪品も多数でてきている。特にヒカキン、セイキン紹介のものは、はっきりとどの商品とわからないものが多いため「民族」「水道」などと称したものが多数ある。
回転時間が極端に短かったりすぐに壊れたりするものもあるため、購入前にはレビューを読んだり店頭で試して見たり、吟味が必要だ。
安いものは100円で買える。シンプルなものは数百円程度で販売されているが、構造が複雑なものや素材が特殊なものは2000〜4000円程度が一般的だ。

子どもの誤飲やケガには注意


ハンドスピナーって何が面白いの?人気の理由や遊び方、種類をご紹介!
画像は国民生活センターHPのスクリーンショット

乳幼児のハンドスピナー誤飲事故が起きている。粗悪品は部品が外れることがあり、子ども、特に乳幼児は誤って口に入れてしまう恐れがある。また回転しているハンドスピナーで目などをケガしてしまう可能性もある。
独立行政法人国民生活センターによると、日本では1歳3カ月の男児が金属の部品3つを誤飲してしまった事故が報告されているという。アメリカでは10歳女児が部品を飲み込み、手術で取り出したとの報道もある。
誤飲が窒息につながることもあるため、子どもに買い与える場合や、子どものそばで使う場合にも注意が必要だ。

まとめ


使い方が簡単なハンドスピナーは、老若男女問わず誰でも楽しめる。しかも技を考えたり、改造したり、広がりがあるのが使う人の心をくすぐる。一時的なブームで終わるのか、おもちゃとして定着していくのかはわからない。
まだ使ったことがない人はひとまず買って、回してみよう。ハマる人の気持ちがわかるかもしれない。
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