浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』

全22曲2時間半強のライヴをやり終えた後、「幸せな一日になりました!」(うらたぬき)と歓喜の笑顔を浮かべていた。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
うらたぬき

ニコニコ動画などで衆目を集めている、うらたぬき、志麻、となりの坂田。
、センラの男性4人組グループ・浦島坂田船(うらしまさかたせん)。彼らの今7月にリリースしたニュー・アルバム『V-enus』が宇多田ヒカルを抜き、オリコンアルバムランキングで初登場一位を獲得、5万枚以上という大ヒットでファン層を急激に伸ばしている。「歌ってみた」など投稿動画が人気を博し、個々の配信活動とグループの音楽活動の両輪により、知名度をグイグイと高めているのが現状だ。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
うらたぬき

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
志麻

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
となりの坂田。

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
センラ

今回、結成5周年を祝した『浦島坂田船 SUMMER TOUR 2018 ~俺SUMMERと、宇CHU 旅行 ~ 5th Anniversary』と題された日本武道館公演2デイズの初日を観て、観客の熱狂度に度肝を抜かれた。彼らが人気を得ている理由は単純に1+1+1+1=4みたいな数式を超えたところにある。わかりやすい例を上げると、メンバー同士が見つめ合ったり、肩を組んで一緒に歩いたり、メンバー間の絆や友情が繰り広げられる場面で、耳をつんざく大きな歓声が沸き上がる。この4人でしか生まれないパフォーマンスやストーリーこそが肝であり、その人間ドラマが音楽に乗ることで、さらなる興奮と共感を呼び起こす。もはや全エンタメを相手にしても負けない、音楽のワンダーランドがここにはあった。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』

ショーは今回のテーマに掛けて、巨大なUFOに似た360度ステージ(※外縁に楽器陣が配置され、生演奏)からメンバー4人がせり上げる形で登場。「Starry Cruise」で幕を開けると、観客と早くもコール&レスポンスを交わし、導火線ナシで一気に盛り上がていく。続いて「太陽系デスコ」ではノリのいい曲調に相まって、武道館が激しく揺れ、メンバーも興奮を抑えられない様子だった。「360度やべえな」(うらたぬき)、「客席が近い、鼻もほじれない」(センラ)の発言に会場も和やかな笑いに包まれる。
それから各ソロ・パートをリレー形式で繋いだ「わいふぁい暴想ボーイ」を経て、「ハロウ!ゴーストシップ」に入ると、円形ステージのさらに中心部分にある小ステージが浮上してメンバー4人が歌い、武道館ならではの演出効果に片時も目が離せない。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』

その後はソロ・タイムに移行し、「Life goes on」(うらたぬき)、「スクールボーイ」(となりの坂田。)、「spill」(志麻)、「Make a pass」(センラ)を挟み、次に「ユメミドリ」(うらたぬき&となりの坂田。)、「ギャラクシー」(志麻&センラ)とメンバー個々や組み合わせの妙で聴かせるバリエーションの豊かさも魅力的。再びグループ形態に戻ると、中盤には「Peacock Epoch」やメドレー形式で駆け抜けるアプローチ、またライヴの合間にユニーク映像を差し込んだりと、観る者を飽きさせないショーの流れも特筆すべきものがあった。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
うらたぬき

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
となりの坂田。

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
センラ

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
志麻

後半、「Mermaid」を歌い終えると、「まさかの出来心で動画を投稿して……4人集まって、5年で武道館なんて誰も想像してなかった。ここまで来れたのは我々のおかげです! 冗談です!(笑)」(センラ)、「こういう景色を4人で見たいと思ってた。みんな応援してくれて、ありがとう。ここがスタートか、ゴールかわからない、泣きそうです」(となりの坂田。)、「「Mermaid」を歌ってるときに自分のパートで泣きそうになった。元々1人だったけど、この4人でやったら馬が合うんちゃうって。皆さんが応援くれなかったら、ここに立ててない」(志麻)、「全部言われた(笑)。
オリコンウィークリー1位獲得、これからも支えてください!」(うらたぬき)とメンバーそれぞれ胸中を告白すると、本編ラストは「年に一夜の恋模様」でビシッと締め括る。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』
うらたぬき

浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』

そしてアンコールにきっちり応えると、「SAILING!!!!!」の途中でうらたぬきは感極まったのか、下を向いて涙ぐむシーンがあり、そこに志麻が寄り添って肩を組む光景に美しいグループ愛を見る思いだった。それはここに集まった観客にも十二分に伝わったに違いない。歌と踊りで魅了するだけではなく、メンバー間の熱い信頼関係が垣間見える団結力こそ、浦島坂田船の人気の源ではないだろうか。5年、10年、その先へと進むためにも、大きな通過点となる感動の武道館公演だった。
浦島坂田船、1万3,000人のcrewが熱狂した武道館公演 『こういう景色を4人で見たいと思ってた』


取材・文/荒金良介
撮影/小松陽祐(ODD JOB) 加藤千絵(CAPS)

■セットリスト
01. Starry Cruise
02. 太陽系デスコ
03. わいふぁい暴想ボーイ
04. ハロウ!ゴーストシップ
05. 最強ライバル
06. 千本桜 -guitar rock arrangement-
07. Life goes on / うらたぬき
08. スクールボーイ / となりの坂田。
09. spill / 志麻
10. Make a pass / センラ
11. ユメミドリ / うらたぬき、となりの坂田。
12. ギャラクシー / 志麻、センラ
13. Peacock Epoch
14. ポワゾンKISS
15. 花鳥風月
16. メドレー(Dreamer/アイドルっぽい曲を作った/プリンセスに口づけを/#嘲笑ポラロイド/厨病激発ボーイ/Carry Forward/君まであと何メーター/Dreamer)
17. Sailor's High
18. Mermaid
19. 年に一夜の恋模様
<アンコール>
20. SHOW MUST GO ON!!
21. SAILING!!!!!
22. Shouter
※「Shouter」の「e」はウムラウト付きが正式表記。

浦島坂田船公式サイト



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