第22週「何とかしたい!」第128回 8月28日(火)放送より。
脚本:北川悦吏子 演出:橋爪紳一朗

花とゆめ 2018年 8/5 号
128話はこんな話
仙吉カフェを再訪した津曲(有田哲平)は岐阜犬の権利を買い取りたいと言う。
「そちらはご夫婦ですか」
黄色いネクタイ、ヘンな髪型、クセの強さ・・・
一回見たら忘れられないよそ者(津曲)のことをなんとなく忘れていた鈴愛だったが、すぐに思い出す。
津曲(熊本出身)は改めて自分の仕事を説明。
育成ゲーム「たまごっち」(一時期人気でしたね)をパクって「ひめっち」をつくったくらいだから、勝手に岐阜犬ぽいものを作ってメーカーにプレゼンしても鈴愛たちは気づかないだろう。もしあとで気づいても後の祭りだろう。だがそれではドラマが進まない。
津曲は岐阜犬のルックがいいと言う。単にサンプルを作るのが面倒だったのかもしれない。鈴愛の作った岐阜犬の出来はなかなか良いので一理ある。
ブッチャー役の矢本悠馬と菜生役奈緒も懸命に空気をかき回している(とりわけ矢本の外観を含め、こういう人、いるいる感はみごと)が、有田哲平の登場によってぐっとドラマが明るくなるし方向性が定まる。
船頭のいないまま大海をさまよっている船に優秀な漕手がやって来たような安心感。
「(年頃になると)イケメンを与えないと死んでしまう」というひめっちの設定は面白いし、
津曲「そちらはご夫婦ですか」
鈴愛、律「いえいえ」
(ブッチャー、菜生 にやにや)というお約束ぽいギャグも楽しめた(道義的にはなんだかなあなんだけど)。
日にち薬だよ
「岐阜犬 もうあんまり見たない」・・・と言う鈴愛。
和子さんを思い出してしまうから。
同じく弥一(谷原章介)は和子の写真を見えるところに飾れないでいた。
いまは辛くともだんだん楽になる「日にち薬だよ」とナレーション(風吹ジュン)が語る。
鈴愛は、やめた漫画に対しても長らく目を背けていた。それだけ辛いことだったということなのだろう。
苦しみにあえて向き合って解決しようとするタイプの人もいるが、しばらく棚に上げておこうとするタイプの人もいる。対処の仕方はヒトそれぞれ。現代でいえば、読みたくないツイートはミュート及びブロックするようなものかも。
イケメン親子
律は弥一を誘って〈ともしび〉で酒を飲む。良かった〈ともしび〉にもお金を落としてくれて。
律はスタンフォードに赴任する話を打診されたと言う。それはとても誇らしいことだが、家族を残してはいけないと悩む律。「家族は一緒にいないと」と。長らく大阪に妻子を残していたから。
弥一「翼にはまだ必要だ」
律「弥一さん 俺にもパパ必要だよ」
弥一「何を言っとる いい年して」
弥一の言うとおり、律、ちょっとちょっと〜何甘えてるの〜 と思ったが、必要とされる人がいることが生きがいになるもので、妻を亡くした弥一を励ましているのだろうと思い直した。
必要とされることが生きがいであることは律が最も知っている。
翌朝(?)、律はカンちゃん(山崎莉里那)の笛で起こされる。
この時の律は朝起こされる厄介さと同時に必要とされる喜びを感じていたことだろう。
だがより子も翼も君を必要としているはずなのだ。こうなったらより子も翼も笛を吹け!
いっそのことどうやらより子が浮気していて律が切ないほうがすっきりするが、あえてすっきりさせずもやもやイライラさせることが視聴者を掴むコツなのだと思う。