
最近話題のポイント投資。ショッピングやゲームなどで貯めたポイントで投資ができることは、投資へのハードルが下がるのではないだろうか。
投資ができるポイントは複数あるが、大きくわけるとドコモのdポイント、クレディセゾンの永久不滅ポイントといったポイント運用型と、楽天証券、トラノコのような現金運用型の2タイプがある。今回はこの4サービスに絞ってポイント投資について比較したい。
基本的には税金がかからないポイント運用タイプ
ポイント運用タイプの特徴は、貯めたポイントをそのまま、証券口座の開設なしに運用するもの。手数料がかからず運用でき、払い戻しもポイントとなる。そのため、利益確定してもポイント会社からポイントが付与されたものとみなされ、税務上は「一時所得」となる。一時所得の特別控除額は50万円で、この金額を超えないと課税されないため、基本的には税金はかからないと考えてもよさそうだ。
ドコモ/dポイント

手持ちのdポイントを「運用ポイント」に交換して運用する。100ポイント単位で運用でき、運用中のポイントの引き出しは1ポイント単位から。運用する投資信託は、以前執筆した記事内でも紹介したロボアドバイザー「THEO」を運営する株式会社お金のデザインがドコモに提供している2商品だ。
・アクティブコース:債券よりも株式に大きく比重を置き、高いリターンを目指す
・バランスコース:株式よりも債券にやや比重を置き、安定したリターンを目指す
自分のリスク許容度に合わせて選ぶとよい。
dアカウントのサイトにログインすると、ポイントが何ポイントになっているかすぐわかるし、ポイント追加や引き出しはリアルタイムでできる。
クレディセゾン/永久不滅ポイント

セゾンの永久不滅ポイントを運用口座にチャージして運用する。チャージは100ポイント単位。引き出しは1ポイント単位。
・アクティブコース:投資信託は、外国株式・外国債券を中心に積極的にプラスを狙い、年間15%ほどの増減を見込む
・バランスコース:国内債券を中心に安定的な運用を目指し、年間3%ほどの増減を見込む
・TOPIX(日本株)コース:東証株価指数(TOPIX)と連動
・VOO(アメリカ株)コース:米国大型株指数と同じ値動きをする上場投資信託であるVOOと連動
の4つがある。これらには手数料が発生しない。自動でポイントをつみたて運用することも可能だ。
株式コースは、StockPointに登録して始める。こちらはポイント交換レートがあり、少々ポイントが引かれる。つまり、手数料がかかる。
税金かかる現金運用タイプ
現金運用タイプは、貯めたポイントを証券口座に移し、現金同様に投資信託などで運用していくタイプ。払い戻しは現金となるため、通常の投資同様に利益は「利子所得」となり、所得税+復興特別所得税15.315%と地方税5%、つまり合計20.315%の税がかかる。ただし、NISA口座などをうまく利用できると非課税運用ができる。
楽天証券/楽天スーパーポイント

楽天スーパーポイントの投資は、楽天証券を開設後にポイント連携して始める。特徴はポイントを証券口座で現金化して、運用できるところ。ポイントではなく現金で引き出せる。
運用商品は投資信託に限られるが、自分が好きな商品を100円から購入できる。
トラノコ/PointExchange、Gポイント、ネットマイル、ポイントタウン

トラノコは今回比較する中で唯一買い物のおつりを自動的に投資に回せる「おつり投資アプリ」。そのため現金投資のイメージだが、ポイント投資も可能だ。投資は最低100ポイント=5円から。投資できるポイントは「PointExchange」「Gポイント」「ネットマイル」「ポイントタウン」の4種類で、これらは複数のサイトから得られるポイントを集める「ポイント交換サイト」も含まれているため、よりまとまったポイントを投資できる可能性がある。
また、投資をするたびにANAマイル(5マイル)か、dポイント(15ポイント)、nanacoポイント(20ポイント)のいずれかを貯められるため、さらにポイント活用を考える楽しみも。
投資対象として国内外のETF(上場投資信託)からなる3つのトラノコファンドを用意しており、リスク許容度に合わせ、安定重視の小トラ、バランス重視の中トラ、リターン重視の大トラがある。
同社の子会社が運用するので、自分で口座を解説する必要がない(そのためNISA口座もない)。ただし、月額300円の月額利用料がかかり、投資金額が少ないと手数料ばかりが割高になる欠点がある。ポイントと同時におつり投資などもはじめ、運用金額が増えれば、ほかの投資アプリなどの手数料より割安になる仕組みだ。
引き出すときは、300円の手数料がかかるが、現金で引き出せる。
ポイントの有効活用を
ポイント投資は、投資経験の少ない日本人が投資を始めるきっかけにできる良いチャンスだと思う。貯めたポイントを活用するだけなので、ある意味、リスクは非常に少ないと思うからだ。
(横山光昭)