HYDE主宰によるハロウィンイベント『HALLOWEEN PARTY 2018』の2日目公演に、ダンス&ボーカルグループ・超特急が初出演。6人のメンバー全員がディズニーキャラクターに扮した仮装と、バラエティ豊かな楽曲のカオスな融合で、集まったオーディエンスに唯一無二のフリーダムな個性を見せつけた。
2010年にスタートし、今や日本最大級のハロウィンライブとなった『HALLOWEEN PARTY』。今年も幕張メッセ国際展示場9~11ホールにおいて、10月26日から28日の3日間にわたり開催された。毎年、出演アーティストが趣向を凝らしたクオリティの高すぎる仮装を競い合うことでも知られる本イベント。ステージ裏のスタッフまでも仮装姿という徹底ぶりで、オーディエンスに至っても“仮装をして来ないと確実に浮く”と言われるほどだ。
そんな年に一度のビッグイベントに、今年、初出演を果たした超特急は、なんと全員それぞれのイメージカラーを活かしたディズニーキャラクターに大変身。秋の風物詩を織り込んだオープニング映像から、美しいピアノのメロディと共にタカシの歌声が流れると、まずは全身青のジーニー(アラジン)に扮したカイが幕間から登場する。さらに、頭からつま先まで完全にジャック(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)になり切ったリョウガ、ティンカー・ベル(ピーターパン)となって妖精の粉を吹くタクヤ、ロッツォ(トイ・ストーリー)のユーキ、プーさん(プーさんと大人になった僕)のユースケと2匹のクマが現れれば、場内の歓声は増すばかり。そして最後に幕が上がり切り、前に進み出たタカシはベイマックス(ベイマックス)姿でディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let It Go」を熱唱! ざわめきの収まらない客席にユーキが「HALLOWEEN PARTY 2018、超特急始まりました!」と叫べば急転直下、サウンドはドラム唸るメタルアレンジとなり、アグレッシブにライブの幕を開ける。
続いて「超特急と一緒に楽しみましょう!」と絶叫するプーさん……ならぬユースケの煽りから「バッタマン」で全身全霊のバッタダンスで場内を圧倒すると「SAY NO」へ。「僕たち超特急っていいます。訳わかんないグループですけど、今この時間を楽しみましょう!」とティンカーベル……ならぬタクヤが呼びかけるや、一心不乱に腕を振ったり腕立て伏せをしたりと奇想天外なパフォーマンスが展開されて、彼の台詞を納得させる。普段のライブでも鉄板の煽り曲として威力を発揮している2曲だが、この日はタクヤが可愛いらしいターンを決めたり、ユースケがハチミツを舐めるアクションをしたり、いつもキメ顔をする箇所でカイが変顔をしたりと、今日ならではのレアなシーンが満載。
そこから「皆さんも一緒に踊ってください!」(タカシ)と贈られた「My Buddy」では、愛らしい仮装がポップな曲調にベストマッチ。身体ごとピンクのテディベアとなったユーキの笑顔もキュートに弾けるが、続く「Beautiful Chaser」では一転、床に転がされながらハードで抑揚の利いたダンスを花道の先で決め、その見た目とのギャップで度肝を抜く。加えてユーキとユースケが絡む2番のAメロでは、2匹のクマがにらみ合うという想像を絶する光景が! しかし、このシュールさもまた超特急の醍醐味。「Kura☆Kura」でもビジュアルに似合わないセクシーなアクションで魅了し、観る者の脳内を心地よい混乱でいっぱいにする。また、それを可能にするタカシの幅広い歌唱表現にも驚くばかりだ。
おなじみのアゲ曲「Burn!」からはラストスパートに入り、客席に伸びる花道いっぱいに6人が広がって、バッテンダンスで場内を一つに。ティンカーベル・タクヤが大サビをソロで歌ってファンである8号車を沸かせると、「地獄を支配してやる! この音で!」というリョウガの台詞から、彼がセンターを務める「超えてアバンチュール」を最後に投下する。ガリガリ担当と言われるほどの細身ボディにピンストライプのスーツがドハマりして、どこからどう見てもジャックそのもののリョウガと、二次元への愛を歌ったキャラの濃い楽曲の相性は抜群。この日、このシチュエーション、この選曲ならではの高揚感を生み出して、8号車以外のオーディエンスにも忘れられないインパクトを残してくれた。
イベントの最後には、恒例のスペシャルバンド“HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA”にも全員で参加。
(取材・文/清水素子)
≪セットリスト≫
1. Let It Go
2. バッタマン
3. SAY NO
4. My Buddy
5. Beautiful Chaser
6. Kura☆Kura
7. Burn!
8. 超えてアバンチュール