第5週「信じるんです!」 第27回 10月31日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」27話。萬平さんついにお風呂シーンまでサービス
イラストと文/木俣冬

27話のあらすじ


焼け出された人たちが身分証明できずに困っているという福子(安藤サクラ)の話から「自分が何者かを証明する大事なものだ」と、萬平ははんこを作って売ることを思いつく。
その発想は当たり、はんこが売れて、福子たちは潤う。

お風呂シーン!


福子と萬平夫婦、鈴(松坂慶子)、克子(松下奈緒)一家が総出ではんこを作って売ると、一週間で322円50銭の売上となった。
みんな大喜びしたあと、萬平のお風呂シーンに。

まさかのお風呂シーン。
拷問、絶叫、号泣と来て、お風呂シーン。若い俳優じゃないんだからそこまでサービスしなくてもいいよ長谷川さん・・・と私なんかは思いますが、みなさま、お喜びなんでしょうか。

はんこの発明を讃える福子と、福子のおかげと労う萬平。世良さん(桐谷健太)のおかげとはひとっことも言わず、ふたりの世界に浸る。
その一方で、克子は忠彦(要潤)を想って泣いている。
「なんでここに忠彦さんがおらへんの」
それは「僕らは奇跡でできている」(火曜9時 フジテレビ系)に出演中だから。寡黙な忠彦さんとはまったく違う、出世のために上司の顔色を伺うちゃらい人物を好演中だ。

わたしが邪魔


忠彦のアトリエの絵が、彼がいなくても彼の魂があるかのように見えて素敵だ。
そのアトリエが鈴の寝室代わりに。
なぜなら、鈴の寝室ははんこ作りの部屋になってしまい、福子と萬平と一緒に寝ていたが、
「どうして子どもを作らないの」
「作りなさい 早く」
「わたしがいるからダメなの わかりました 別の部屋で休みますから」
「わたしが邪魔ってことでしょ」という展開になったから。

福子と萬平は、自分たちの独立した家を持ってから子どもを作る計画らしい。
こうも子ども作れ、子ども作れとプレッシャーを与える場面を出すのは、時代劇みたい(子どもができないと離縁とか跡継ぎを生むための結婚とか)。

もっとも朝ドラも昭和が舞台のものはすでに時代劇のようなものだし、鈴は「武士の娘」がアイデンティティーなので理屈にかなっているといえないこともない。

言葉遊び


福子はハンコを買いに来た親友・鹿野敏子(松井玲奈)と再会。
彼女は苗字が変わっていた。呉服屋さんと結婚し、旦那さんもすでに戦争から帰ってきた。
池上ハナ(呉城久美)も結婚して泉大津に住んでるという。
誰も不幸になってなくてよかった。
親友との再会を帰って報告する福子をみんな無視。ハンコ作りが忙しいのだ。
黙って働き続ける停滞感を打破するため、福子はしりとりの変形のような言葉遊びを提案する。
2番目に「つ」、最後に「り」のつく単語を言い合う遊び。
福子の「にっこり」
克子の「げっそり」は今のふたりの状況を言い得ているふう。
萬平の「吉乃ちゃんはおっとり」は克子の娘吉乃がいまのところ目立ってないが「おっとり」した性格なのだという紹介になる。

重ちゃんの「こってり」も彼が幼いながらなかなかセンスがいいことを表しているようだ。
鈴は萬平がふたつ思いついたというので対抗意識を燃やす。このふたりは良き喧嘩友達的になってきた。
「服部」というひねり技を繰り出す鈴。
 ふたまわりめは「鳥取」。
「そんなお母さんにうっとり」と萬平。
このへんの流れはじつに愉快。

萬平さんのお風呂シーンに「にっこり」。
萬平さんのお風呂シーンに「げっそり」。
萬平さんのお風呂シーンは「こってり」。
萬平さんのお風呂シーンはけっこう肌が「もっちり」。
萬平さんのお風呂シーンに「うっとり」。

なんでも当てはまる。

坂元裕二が「Mother」でしりとり遊びを会話に取り入れていて(芦田愛菜ちゃんの代表作!)、
その後も「カルテット」でしりとりが巧いこと使用されていたことが思い出される。
福田靖も集団が時間をつぶすときのゲーム性で家庭内シーンの停滞感をみごとに払拭した。

そんなひととき楽しい時間のあと、誰かが忍び込んできて・・・。
先のあらすじを見ないようにしているため、ほんとにこのつづきが気になっている。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。 
第27話レビューはコチラ
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