さまざまな平成好きが集う夕べ
会場は東京・新橋にあるバー「スポットライト」。昭和の歌謡曲が楽しめ、イントロクイズ大会なども行われるお店です。
入場時にA~Fの6チームに6人ずつ振り分けられます。
平成の事物を【社会】、【芸能】、【インターネット・サブカル】、【テレビ・映画】、【流行・ヒット商品】、【音楽】、【イントロ】のジャンルに分け、各チームの代表者が早押しクイズに挑戦し合計点を競います。音楽系のジャンルが多いのは、お店の特性や平成初期の“CDバブル”も踏まえているのでしょう。
まずは同じチームの人と乾杯。
誰がどのジャンルに出るかを相談しつつ、同イベントの参加理由を聞いてみました。するとさまざまな答えが。
・元々この会場で行われるイントロクイズ大会の常連さん
・平成生まれで、平成を振り返る話題が好きだから
・昭和生まれで、クイズ好き
・なんか面白そう
・司会者からの熱烈アプローチ
年代も嗜好も異なる人たちが「平成を振り返る」という切り口で一堂に会するのは面白いものです。
あれこれ思い出す平成クイズバトル
よしもとの芸人・アンチエイジ徳泉さんの司会進行の元、イベントはスタート!
まず【社会】のジャンルの一問目。
「昭和64年1月7日に、新しい年号は平成であります……」とここでボタンが押されます。
見事「小渕恵三」(この会見で平成と掲げた額縁を掲げ、後に総理大臣になった政治家)と正解が出る。
問題の切り口はさまざま。
まず「O-157(1996年に集団食中毒の原因となった病原性大腸菌)」「地域振興券(1999年に1人に2万円分配布された商品券)」など、懐かしいワードを問うクイズが。
また、知識以上のひらめきが必要なクイズもあり。例えば、「オヤジ」「デリバリー」「たまごっち」「エアマックス」の共通点、わかりますか?
正解は“狩り”が後ろにつくもの。当時強奪事件があったり、特にブームとなった商品が狙われたりと、時代の特性を感じる仕掛けとなっていました。
そして、一つひとつの資料の凝りようも素晴らしい! 正解発表時には、画像や補足情報が表示されます。
スタッフの話では、問題よりも表示資料の作成に数日を要したこともあったそう。
そして【インターネット・サブカル】のジャンルで筆者が参戦!
「2004年にこの楽曲を使ったFLASH動画が人気……」
……ここで指が勝手にボタンを押す。当時流行った動画ってこれかなあ……? とおそるおそる『恋のマイアヒ』と解答して正解。
いやぁ当たると気持ちいい! そして、この曲を教えてくれたのは当時気になっていた女の子だっけ、と個人的な思い出も蘇りました。
調子に乗って参加した【テレビ・映画】のジャンル。
「電波少年シリーズで、ユーラシアヒッチハイクを行ったのは猿岩石……」
よし見てたぞ。
チーム戦でのクイズは、勝って席に戻ると称えられ、間違えてもしょうがないよと慰めてもらえるのが嬉しいです。加えて我がチーム内で流行ったのが、出場者が答えられない時に観客席でこれかなと思う答えをノートに書き合う遊び。
クイズの邪魔にならないよう行っていましたが、見返すと「カメリアダイアモンド(深夜に頻繁に流れていたCM。有名な楽曲が多く使用されました)」「ステビア(ポカリスエットの関連商品)」など懐かしフレーズが並ぶページとなりました(笑)。
そしてイベントは佳境に。出題は90年代・00年代・10年代の時系列順でしたが、正解が連発し90年代で終わるジャンルが続出。
そのため【音楽】や【イントロ】ジャンルは勝ち抜け人数を増やし、より多くのクイズを出題する大盤振る舞い。
その結果、平成末期の音楽までしっかり出題されることに。最終的にまんべんなく正解を積み重ねたCチームが優勝に輝き、賞品が授与されました。
気になる中身は、平成のヒット曲を集めた8cmのシングルCD!(今どうやったら聴けるんだろう?)
また残念ながら敗退した我がチームメイトからも「クイズにこだわりを感じた」「メジャーなことだけでなく、細かいところついてきたなあという問題が楽しかった」「2時間半があっという間だった」の感想が出ました。
終了後、主催の「平成生まれだけど昭和・90年代好きが集う会」のあやねさんと司会の徳泉さんにお話を聞きました。
この会はあやねさんが2年前にネットで呼びかけて発足し、現在のメンバーは全国に約30人。主な活動は「お笑い」「ファッション」など自分たちが好きな懐かしいものを語り合うこと。
時には生まれる前の話も出ますが、現在へと続く流れを感じて、自分の知識と相手の知識が繋がる瞬間があるのが大きな楽しみなんだそう。そういえば、スタッフが着ていたTシャツも、なんだか懐かしい柄でした。
また、同イベントの発起人もあやねさん。しかし、これまでにイベントを開いた経験は皆無で、半年前に開催を決めてからは苦難の連続だったとのこと。
クイズを作る(本番用だけでも140問超)だけでなく、会場の交渉(スポットライトさんは快諾!)、宣伝(チラシの作成・配布や、開催まで毎日Twitterにクイズを投稿)など、手探りで地道にコツコツと準備してきたそうです。
苦労の連続でしたが、今回のイベント中にみんなが「あったあった」と言い合ったり「なんだっけ~」と悩んだりと楽しんでクイズをしていた姿がとても嬉しかったそう。
最後に、改めて平成生まれのあやねさんに平成の魅力を聞いてみました。すると「テクノロジーと生活様式の変化」とのお答え。
子供の頃からインターネットがありテクノロジーの発達を肌で感じつつ、「痩せる石鹸」など真贋入り混じった情報は錯綜し、洗練されずに生活にも影響する。このような不確かさと人間らしさに、面白味を感じるそうです。
多様な情報にあふれた平成の時代を、クイズによってみんなで語り合うことができた幸せな夕べでありました。「平成という元号が終わる前にもう1回したい」という声もあがっていましたよ。
平成限定クイズナイト:Twitter
https://twitter.com/heysayonlyquiz
(高柳優/イベニア)