
あらゆる漫画・ゲームが次々と実写映画化されている今日この頃。
4月に電子書籍販売サービス「ebookjapan」より発表された「平成で最も売れた漫画」ランキングで1位に輝いた人気漫画「キングダム」の実写映画が公開中のほか、5月3日には日本中を驚かせたハリウッド映画「名探偵ピカチュウ」の公開が始まり、大きな話題を呼んでいる。
こういった漫画やゲームが実写映画化されるときは、毎回「本当に実写化できるのか」「原作を超えられるのか」といった手厳しいディスカッションが活発になるが、実際に映画を観てみると、主役の演技力に引き込まれて、作品に没頭してしまうことも珍しくない。
というわけで今回は、そんな実写映画化の際に注目されがちな「キャスティング」についてのデータを見ていきたい。
実写化の映画で主演を務めることが多い男性俳優は?
最初に見てみるのは、実写化映画の主演を務める男性俳優だ。
今回は、2015年1月から2019年4月末までに公開された漫画・ゲームを原作とする映画(全192作品、続編も1本とカウント)を対象として、主演男性俳優を調べてみた。

1位 山崎賢人(6回)
2位 小栗旬 菅田将暉 中川大志 吉沢亮(4回)
3位 生田斗真 神木隆之介 佐藤寛太 鈴木亮平 染谷将太 中島健人 福士蒼汰 山田孝之 山田涼介(3回)
昨今の実写化映画で、最も主演を務めていたのは『斉木楠雄のΨ難』『四月は君の嘘』『ジョジョの奇妙な冒険』などで知られる山崎賢人。やはりというべきか、2位以下を引き離しての完勝である。
2位には『帝一の國』の菅田将暉、『ReLIFE リライフ』の中川大志らがランクイン。菅田将暉についてはもっと多くの主演を務めている印象があるが、小説原作の映画が多く、漫画・ゲーム原作では1位を山崎賢人に譲る結果となっている(余談だが、菅田将暉の主演数を見ていると人間とはこんなにも立て続けに映画を主演できるんだと驚いたので、良ければチェックしてみて欲しい)。
では、主演数のランキングを見たところで、せっかくなので「少年漫画の主演が多いのは誰か」も見てみよう。
日常生活を描くことが多い少女漫画や青年漫画と違って、派手なアクションシーンが多い少年漫画だが、このジャンルで主演をよく務めているのは一体どの男性俳優だろうか?

1位 山崎賢人(4回)
2位 小栗旬 山田涼介(3回)
3位 菅田将暉 三浦春馬 吉沢亮(2回)
1位は再びの王者・山崎賢人。圧倒的な少年漫画のヒーローである。今後とも少年漫画実写化のときは「もしかして山崎賢人が?!」と思いながらキャスティング発表を待ちたいところだ。
2位につけたのは人気シリーズ『銀魂』や『信長協奏曲』の主演を務めた小栗旬と、『鋼の錬金術師』『暗殺教室』などで主演を務めた山田涼介。
3位には『進撃の巨人』主演の三浦春馬、『トモダチゲーム』主演の吉沢亮らがランクイン。吉沢亮は『BLEACH』『銀魂』『キングダム』など、主演以外での少年漫画への出演が多く、こちらも今後期待していきたいところである。
実写化の映画で主演を務めることが多い女優は?
続いて、女優の場合は誰が多いのかを見てみよう。同じく2015年1月から2019年4月末までの公開映画を調べてみたのが以下である。

1位 土屋太鳳 (7回)
2位 広瀬すず(5回)
3位 二階堂ふみ 浅川梨奈(4回)
こちらもやはりというべきか、1位に輝いたのは主演作7本を誇る土屋太鳳。『PとJK』『orange』『となりの怪物くん』など、留まることなく主演を務め続けている実写化映画の女王である。
2位には『ちはやふる』シリーズで高い評価を得た広瀬すず、3位には話題沸騰中の映画『翔んで埼玉』主演の二階堂ふみと、元SUPER☆GiRLSメンバーで『劇場版 リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~』などで主演を務めた浅川梨奈がランクイン。
男性俳優に比べると女優の場合はやや主演が偏る傾向にあるようで、3位以下でもあまり分散しない結果となっている。また、ここで挙げた以外で「橋本環奈や小松菜奈も実写化映画に出ているのでは?」と深掘りしてみたところ、ヒット作の少年漫画で「助演」として出演していることが多いようで、主演ランキングには食い込まない結果となった。
それでは、最後に「少女漫画の主演が多いのは誰か」を見てみよう。
人物描写に焦点を当てた作品が多く、キャスティングに厳しい目が向けられがちな少女漫画だが、このジャンルで最も主演を務めているのは一体どの女優だろうか?

1位 土屋太鳳(6回)
2位 広瀬すず(4回)
3位 二階堂ふみ(3回)
見る前から結果がわかっていた気もするが、こちらはほとんど主演数ランキングそのままの結果となっている。
土屋太鳳については、日本の少女漫画の実写化をほぼ担っているのではないかと思えるほどの無双ぶりだ。もし「好きな少女漫画の主演が誰になるか当てるゲーム」などをする機会があれば、迷わず土屋太鳳と答えたい気持ちでいっぱいである。
好きな漫画やゲームが実写化されると不安と期待がつきものだが、やはり実写化をきっかけに好きな作品を知ってもらえたり、作品が盛り上がるのはファンとしては嬉しいものだ。自分の好きな作品が実写化されるときには、ぜひドキドキしながら公開日を待ちたいと思う。
※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
■まいしろ
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