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今回紹介するのは『ブラックホールのすべて』である。正直、この番組を見るまでブラックホールのことを真面目に考えたことがなかった。なんかこう、「めちゃくちゃ重い」というのが突き抜けちゃって、もう質量だけで存在してるみたいな、なんでも吸い込んじゃうみたいなやつでしょ……という、とても雑な理解だった。しかしそんな程度の人間でも、この番組を見終わった時にはいっぱしのブラックホール通。気だるい夏休みの終わりに見るには、もってこいのドキュメンタリーだ。
ブラックホールに人間が落ちるとどうなるか、ご存知ですか?
ブラックホールのことは、いまだによくわかっていない部分が多い。そもそも、50年近く前までは存在するかどうかすら怪しかった。なんせブラックホールは見えない。人間の目玉は物に光が当たった時の反射を捉えている。だから光すら吸い込んじゃうブラックホールが、人間の目玉で見えるはずがない。反射しないんだから。
というわけで、宇宙にいろんな種類が散らばっている星々と違って、ブラックホールの存在を確認するためには変わった方法が必要だった。『ブラックホールのすべて』では、2015年9月14日にアメリカにある巨大な観測施設"LIGO"でふたつのブラックホールが衝突して発生した重力波を検出したというできごとをスタートに、これがなぜ歴史的なトピックなのか、そもそもブラックホールとはなんなのかを解説していく。