そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

2019年8月25日の昼過ぎ、富士急ハイランド・コニファーフォレストに通り雨が降った。今となっては、それすらも演出のひとつだったのではないかと思わざるを得ない。雨が止んだ後には、同会場でAfter the Rainの屋外ライブが開催されたからだ。

After the Rainは、そらる・まふまふから成る2人組ユニット。いわゆる“歌い手”としてそれぞれ活動を開始した彼らは、作詞曲・エンジニアリングなどそれぞれに活躍の幅を広げ、2014年よりユニットでの活動を開始。それからわずか3年で武道館に立った。オリコンチャートではトップ層常連になりつつあり、さいたまスーパーアリーナ公演2daysに計3万6,000人を集めるライブ動員規模、各種タイアップやコラボなど、凄まじい影響力と活動量で、現在も躍進を続けている。コンテンツを届けるという行動自体が彼らにとっての呼吸であるかのように、ソロ・ユニット問わずこれまでほとんど絶え間なく創作や発信を続けてきた。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

そんな彼らの1年ぶりのワンマン、しかも初の野外ライブとなれば、リスナーたちの期待もひとしおだったろう。今回は8月24日・25日に行われた「After the Rain 2019 ~真夏のそらまふ大発生!!@富士急ハイランド~」、2日目の模様をレポートする。

ステージセットは、本公演のアートワークを忠実に再現したパステルカラーの遊園地。あちこちには、そらる、まふまふのデフォルメイラストが散りばめられ、まさしく“そらまふ大発生”状態となっている。

ポップでキュートなオープニングムービーの最中、突如客席中央のセンターステージで巨大なバルーンが膨らみ始める。ムービーのクライマックスとともに、パンパンに膨らみきったバルーンが最上部から割かれ、なかからプリンス風の青いジャケットを身につけ、ミニハットを被ったそらる、同じく黒いジャケット・ミニハット姿のまふまふが現れた。

「ようこそいらっしゃいました!」というまふまふの声を合図に、勢いよく花火が打ち上がる。いきなりジェットコースター級の興奮に包まれ、会場は大熱狂の渦に。トップバッターの『絶対よい子のエトセトラ』を終えると、「ありがとう、よろしくお願いします!」とそらるが挨拶。そのまま、『四季折々に揺蕩いて』を披露する。間奏中に2人は小走りでメインステージへ移動し、ラスサビは互いの顔を見ながら、息を合わせるようにして歌い上げた。

が、ここで思わぬアクシデント。そらるのミニハットと自身のジャケットの袖が絡まり、やや奇妙な姿勢のまま腕を下ろせなくなってしまった。まふまふの助けによって救出されたそらるは「こんなことある?」とやや不満そうだったが、リスナー的にはレアな姿が見られて、それすらも貴重な思い出となったに違いない。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

さて、仕切り直しだ。放たれたのは、2017年にリリースされた『解読不能』。大型LEDビジョンでは当時のMusic videoが流れ、ステージにはあれから約2年が経った2人が同じ並びで立っており、感慨深いものがあった。たった2年前ですら懐かしいと感じるほどに、彼らの活動は濃く、その活躍は目覚ましいのである。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

続けてそれぞれにギターを持ち、久々の『負け犬ドライブ』を披露。リスナーによる“わんわんコール”も健在だ。そのままギターサウンドが怪しく変貌すると、ロックナンバー『アイフェイクミー』へなだれ込む。映画「賭ケグルイ」の主題歌としてそらるが歌うソロ曲だが、曲作りはまふまふと共に進めたものだ。ギターをかき鳴らすまふまふにそらるが背中を預けるワンシーンもあり、2人の絆の強さが改めて感じられた。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

続いては、2018年のアルバム「イザナワレトラベラー」より『箱庭鏡』。先ほどまでの激しい歌唱とは打って変わって、両者とも胸に手を添え繊細な旋律を届ける。いつものライブと違い天井はなく、2人のハーモニーは遮られることなく群青色の空へと吸い込まれていく。

衣装チェンジを経て、そらるは紫のインナーに黒のロングカーデ姿に。まふまふは白いタンクトップに重ねた黒いカーディガンの裾が赤く染められている。フロートに乗り込んだ2人は、それぞれに水鉄砲を構え、夏曲『マリンスノーの花束を』とともに放水のプレゼント。上機嫌なまふまふが「みんなに水をかけちゃいます!」と声高らかに宣言すれば、ユニット史上初めての演出にリスナーも大興奮だ。もっとも、ただでさえ不安定なフロートの上で、「水鉄砲を撃ちながら歌う」という慣れない状況に悪戦苦闘していたそらるは、みんなに水をかけるどころではなさそうだったが……。2人はあちこちへ水鉄砲を向けまくり、思い思いに雨を降らせた。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

ライブの定番になりつつある、まふまふのソロ曲『曼珠沙華』のイントロが流れれば、それに合わせて客席のサイリウムの揺れも激しいものになり、会場は一気にお祭りモードに。まふまふは軽やかな足取りでステージを舞い、カーディガンの赤い裾がひらひらと映える。そらるが戻ってくると、炎の特効を伴った『アンチクロックワイズ』で、まだまだこれからとばかりに会場の熱狂をさらに煽っていく。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

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さらに普段はソロで歌われることの多い『ハローディストピア』が、今日は特別に2人ver.だ。変化するBPMに合わせてステージのネオンも壊れたおもちゃのように明滅し、曲の世界観を完成させていく。狂宴のクライマックスには『ブラッククリスマス』。まふまふは「悪い子はここかな」そらるは「さらってやろうか」のセリフで、リスナーたちを甘く狂わせた。
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まふまふが「良い感じに日が暮れて来ましたね」と話しかければ、「俺たちの時間が近づいてきたよ」とそらる が答え、そのまま互いの昼夜逆転生活について話すゆるめのMCがスタート。曲中は真剣そのものの2人だが、MCになった途端に見せるこういった一面も、彼らの魅力の1つだろう。トークにダメ出しを受け、ヘソを曲げたまふまふがプチボイコットをするシーンなどもありつつ、先日まで体調を崩していたそらるが周囲への感謝の気持ちを述べた。

「今回、自分の体調管理の甘さで(ソロ)イベントを延期させてもらったりして、みんなにも心配かけて。まふまふがめちゃくちゃ支えてくれた。みんなもバンドメンバーも、そしてまふまふも本当にありがとう。楽しく歌うことができたよ、今日も」(そらる)

「励ますようなツイートとかリプライとかたくさん届いていたみたいで、その一つひとつが支えになっていたんだろうなと思います。僕も正直めっちゃ不安でした、本当に大丈夫かなって。こうして今元気そうでよかったと思います」(まふまふ)

ラストを飾るのは、“AtR”コールが楽しい本公演のテーマソング『世界を変えるひとつのノウハウ』。2人はセンターステージに移動し、会場を跳ね回る大量のバルーンと戯れながら、息の合ったダンスも披露。視線を合わせてどちらともなく微笑むとメインステージへ戻って行き、そらるは背中越しに右腕を振り上げ、まふまふは両腕を目一杯に広げ、本編を締めくくった。

アンコールでは、ライブグッズであるセーラー服風Tシャツに身を包んだ2人が登場。そらるがピンク、まふまふが水色を着ており、1日目と交代した形だ。『チョコレイトと秘密のレシピ』ではまふまふが糖度MAXな甘い歌声を披露、それを支えるようにそらるの低音が寄り添い、Tシャツのビジュアルもあいまって客席から黄色い歓声を浴びることとなった。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

ここでサプライズゲスト、セミが登場……というのはもちろん冗談で、セミがステージ上に紛れ込んだのを、そらる・まふまふが発見。2人はおっかなびっくり格闘しながらも、最終的にはまふまふが素手で拾い上げ、はけさせた。コニファーフォレストのLEDビジョンに映し出されたセミも、なかなかいないだろう。それはさておき、安寧を取り戻したステージで、そらるは「今回のライブで夏のAfter the Rainは終わりますが、10月に新曲が上がる予定。来年何しようかっていう話もバッチリしてる最中なので、楽しみにしててください」と、改めてこれからへの期待を抱かせてくれた。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

満を持して、After the Rainとしての始まりの曲『桜花ニ月夜ト袖シグレ』を奏でる。すっかり日の落ちた会場を満たすピンクのサイリウムが、まるで夜桜のように咲き誇り、幻想的な空間を演出していた。大トリは、もう何度となく歌われてきた『セカイシックに少年少女』。ラストには恒例の大ジャンプに合わせ、After the Rainと、今日ここに集ったリスナーたちへ祝福の花火が打ち上がった。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

ハイトーンボイスを巧みに操り、楽曲の世界観を丸ごと表現するまふまふと、滑らかな低音で聴き手を包み込むそらる。声質、歌い方ともにまったく異なる2人だが、共に歌うと不思議に共鳴する。「化学反応」と言うほかないこの音楽は、ユニットのライブだからこそ楽しめるものだ。それこそ「君がひとり欠けていたら 未完成のまま」なのである。それに、自らの推しが信頼できる相方とともにパフォーマンスしている様子を見られるのは、リスナーにとって心底幸福を感じるものではないだろうか。

ソロとしてもユニットとしても、良い意味でこちらの想像も及ばないようなものをたくさん見せてきてくれた彼らだ。これからも彼ららしい彼らのまま、世界を変えるノウハウをたくさん教えてくれることだろう。
そらる・まふまふの“After the Rain”1年ぶりにワンマン開催「楽しく歌うことができたよ」

取材・文/ヒガキユウカ(プレスラボ)
撮影/小松陽祐 [ODD JOB]、堀卓朗 [ELENORE]、釘野孝宏

<セットリスト>
01.絶対よい子のエトセトラ
02.四季折々に揺蕩いて
03.解読不能
04.負け犬ドライブ
05.アイフェイクミー(Vocal そらる 、Guitar まふまふ)
06.箱庭鏡
07.快晴のバスに乗る(Vocal まふまふ)
BAND SESSION『Sparkle』
08.恋の始まる方程式
09.マリンスノーの花束を
10.曼珠沙華(Vocal まふまふ)
11.アンチクロックワイズ
12.ハローディストピア
13.ブラッククリスマス
14.アイスリープウェル
15.彗星列車のベルが鳴る
16.世界を変えるひとつのノウハウ
En-1.チョコレイトと秘密のレシピ
En-2.桜花ニ月夜ト袖シグレ
En-3.セカイシックに少年少女

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