車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

メンズ美容系動画クリエイターのトップランナーであり、“美容系男子”の代表格として多くのメディアで活躍する車谷セナ。スキンケアからダイエット、さまざまな美容製品のレビューに至るまで、確かな知識と経験に裏打ちされた説得力抜群の動画で性別を超えて支持を集め、チャンネル登録者数は25万人を突破している。愚直なまでに美容に対して誠実であることを貫く彼のルーツと、クールなルックスの奥に隠された矜持に迫った。

取材・文/曹 宇鉉(HEW) 撮影/稲澤朝博 ヘアメイク/Maddy 編集/日野綾(エキサイト)

「老いへの恐怖」から14歳で美容に目覚める



「僕は基本的に、人間って“知識”と“人格”と“ルックス”という3つの要素で評価されると考えているんです。知識はずっと増やしていけるものだし、人格もいろいろな時期を経て経験値として養っていくものですよね。だけどルックスに関しては、どうしても年齢を重ねていくにつれて劣化していってしまう部分がある。ものごとについて深く考えるようになった中学生のころ、そのことにすごく恐怖を感じたんです。それがきっかけになって、10代のうちからアンチエイジングという感覚で美容を追求するようになりました」

おだやかな笑みを浮かべながら、自身が美容に目覚めたきっかけを振り返る車谷セナ。透き通るような白くなめらかな肌は、10代のころから積み上げてきた努力の結晶だ。中学生のころから“美活”をしていたと聞くと、かなり早熟な人物像をイメージしてしまいそうになるが、彼自身は「子供のころはまったく勉強していなかったんです」と苦笑する。
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

「今にして思うと、14歳が人生のターニングポイントでしたね。生まれて初めてきちんと勉強をしてみたら、一気に学年で10位以内に入ることができたんです。ただ、そのときに感じたのは『なんで今まで勉強をしてこなかったんだ』という後悔でした。そのタイミングで、一気に知識欲に目覚めたんです」

年齢を重ねることへの恐怖から生まれたアンチエイジングの意識と、後悔をバネに爆発した知識欲。10代半ばにして“覚醒”した車谷は、乾いたスポンジが水を吸収するかのように美容の知識を蓄えていく。あくまでも「趣味の延長」としながらも、美容の勉強にかける熱量は研究者さながらだ。

「まずはとにかくたくさん本を読むこと。本の中に気になるトピックがあれば、第一線で研究している方に直接お会いして話を聞いたり、医学学会に足を運んだりしています。もちろん論文も読みますね。仕事として他の人と差別化する意味でも必要なことですし、単純に知れば知るほど、知識欲がどんどん出てきてしまうんですよ(笑)」
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

自他ともに認める“成分オタク”である車谷の自宅には世界中から取り寄せた美容製品がずらりと並び、YouTubeの動画やSNSを通じてその一端をうかがうことができる。当然、購入にかかる費用も安くはないが、好きなことにかける彼の思いは単純にして明快だ。

「感覚的には遊戯王カードとかを集めるのに近いかもしれません。新しい製品をいざ自分で買って使うときは、おもちゃを開封するみたいな感じでいつもワクワクします(笑)。本当にそれ自体がすごく楽しいし、胸を張って好きなことだと言えますね」

10代にして美容に目覚め、その道を追求するようになった車谷。とはいえ、いわゆる“普通の男性”のイメージとは少し異なるその振る舞いが、周囲から怪訝な目で見られることも少なくなかったという。

「家族や友人の理解はあまり得られなかったかもしれません。でも、続けているうちにそれが僕のアイデンティティになったというか、周りの人も慣れていったというか……。もちろん僕も言われたらイヤなことはありますし、傷付かないわけでもないんですけど、それ以上に自己主張が強いんだと思います(笑)。結局だれになにを言われても、自分のやりたいことをやり抜きたいんです」

向いていなくても人気になれるYouTube



その後、車谷は友人にすすめられる形で2017年の7月にYouTubeに自身のチャンネルを開設する。順調にチャンネル登録者数を伸ばしていくものの、開始当初は動画クリエイターについての知識がまったくなかったというから驚きだ。

「そもそも、YouTubeはミュージシャンのMusic videoを見るサイトだと思っていたくらいですから(笑)。本当になにも知らなくて、いざ自分でやってみても最初はあまりピンときませんでした。正直、いまだに自分は動画クリエイターに向いていないと感じています(笑)。それでも努力と工夫次第で、だれでも人気になれるところが面白いのかもしれませんね」

「動画の投稿を始めた頃は、特別な大義名分のようなものはありませんでした」と振り返る車谷。しかしその美容知識と端正なルックス、軽快な語り口で多くのファンを獲得していくにつれて、彼自身の意識にも変化が生まれていた。
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

「今では誰かの肌質の改善だったり、ダイエットだったり、美容に関する悩みの改善に役立てていることが一番のモチベーションになっています。昔は有名人が同じようなことを言っていても『きれいごとを言ってるなぁ』と思っていたんですけどね(笑)。いざ自分がそういう立場になると、どうしても親身になってしまうんですよ。質問にはできるかぎりしっかりと返すようにしていますし、頼ってもらえることが僕にとっても励みになる。長文のシリアスな相談だったりすると、めちゃくちゃエネルギーを吸い取られてしまいますけど(笑)」

動画やSNSを見ると、視聴者から寄せられるさまざまな疑問に対して、車谷がしっかりと自分の言葉で応じていることがよくわかる。もちろん、人前に出る仕事である以上は否定的な意見も避けられないが、彼はさまざまな声に耳を傾けてエネルギーに変える柔軟性を持ち合わせていた。過度なダイエットの失敗を自らネタにした『しくじり先生』のパロディ動画が、その代表格だと言えるかもしれない。
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

「自分の唯一と言ってもいいくらいの長所が、いろんな人の意見を一度きちんと受け止めて、吸収できることだと思っているんです。ダイエットの件も、最初はどれだけ痩せても『見た目なんて自分の好みじゃん』と考えていたんですけど、たくさんの人に指摘されて体重を増やしたら『こっちのほうがいいわ』となりました(笑)。今、当時の自分を見返すと本当におかしかったなと思いますね。辛辣な意見もありましたけど、そのことに気付かせてくれた人たちには感謝しています」

彼自身の活躍もあり、よく知られるようになった“美容系男子”というフレーズ。ジェンダーレス化というムーブメントと結びつけられることも少なくないが、車谷は男性の“美活”をよりシンプルにとらえているようだ。
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

「男性が美活をすると、どうしても“ジェンダーレス”“女性らしさ”というイメージになると思うんですけど、個人的にはあまり意識していないですね。僕が思う男性の綺麗さって、簡単に言い換えるなら“清潔感”のことなんです。性別を問わず、清潔感があって損をすることって100%ないじゃないですか。もちろん人は見た目じゃない。でもやっぱり、人は見た目で相手を認識するし、絶対に影響してしまう部分であることも間違いない。ごく単純に、体の内外ともに綺麗さを求めていくのは得しかないことだと思うんですよ」

美容家としての矜持と、磨き上げたい「トーク力」



数々の美容製品を紹介し、その成分や使い方についてわかりやすく解説している車谷。美容家としての自意識を大切にしている彼だけに、いわゆるインフルエンサーによるステルスマーケティングに対しては思うところがあるという。

「人間って1日に6回は嘘をつくという説があるんですよ。僕にしても、こうして話をしている間に自分でも気付かないような小さな嘘をついているかもしれません。でも、やっぱり僕は嘘をついてお金を稼ぐのはイヤなんです。別に正義感が強いわけではないんですけど、人を騙してまでもらうお金に価値を感じない。そういう意味で、使ってもいない商品を良いもののように宣伝するインフルエンサーにはあまり感心しません。
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

今の仕事の影響力を考えると、僕が美容製品を紹介したら期待して買う人が必ずいるわけで、それって責任重大ですよね。僕たちのような仕事をするうえで信用ってなによりも大事なものじゃないですか。長い目で見たら信用を得たほうが得なのに、目先の利益に飛びつく人間が多いなとは感じています」

美容についての知識と経験に通じているという自負があるからこそ、車谷は「本当にいいものを見極める力を誰よりも持っていないといけないし、完璧なコンテンツを作っていきたい」と強調する。ときに辛辣な表現もいとわず、歯に衣着せない発言も話題になる彼だが、その正直さは子供のころから変わらないのだろうか。

「変わらないですね。たぶん間違っているものごとに対して、どんなときでも『納得できない!』と言ってしまうタイプなんだと思います」

情報源が多様化した世の中で、正しい情報を発信し続けることで「視聴者や消費者の方にも“選ぶ力”を養ってもらいたい」と考える彼は、目標の実現に向けて「純粋にもっとトーク力をつけたい」と明かした。

「美容の知識に加えて、より求心力のある話ができるようになれば、本当に大きな武器になるはず。僕、芸人さんへのリスペクトがめちゃくちゃ強いんです。芸人さんと番組で共演して、そのトークスキルを目の当たりにするたびに『すごいなぁ』と圧倒されますね。自分に欠けている部分だと思うので、今後もどんどん場数を踏んでいきたいです」
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

YouTuberとしてのチャンネル登録者数について「無理に伸ばす必要はないですし、今はそこまで気にしていないんです」としながらも、「本当は祭りのクジの闇を暴いたりしたいんですけどね」といたずらっぽく笑った車谷。最後にこれからの目標について質問すると、「たくさんあるんですけど、大丈夫ですか?」と目を輝かせながら語ってくれた。

「まず自分の本を出すこと。そしていつか、憧れの明石家さんまさんと共演したいです。芸人さんの中でもやっぱり別格の存在ですから。あと、もし叶うのなら教師のような仕事をしてみたいと思っています。責任はもちろん大きいですけど、人の人生に深く関わることができるのって本当に素敵じゃないですか。僕が動画で先生役をしばしば演じているのは、自分の理想や願望を投影している部分もあるのかもしれませんね(笑)」
車谷セナが語る“美容系男子”のホンネ「綺麗さを求めていくのは得しかない」

プレゼント応募要項


エキサイトニュース×UUUMのインタビュー連載を記念して、車谷セナさん直筆サイン入りポラを抽選で2名様にプレゼントいたします。

応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)下記ツイートをリツイート
応募受付期間:2019年11月12日(火)~11月26日(火)18:00まで

<注意事項>
※非公開(鍵付き)アカウントに関しては対象外となりますので予めご了承ください。
※当選者様へは、エキサイトニュースアカウント(@ExciteJapan)からダイレクトメッセージをお送りいたします。その際、専用フォームから送付先に関する情報をご入力いただきます。
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(エキサイトニュース編集部)

Profile
車谷セナ

成分知識によるわかりやすいレビューが支持を集める人気男性美容クリエイター。豊富な知識と経験で、美容に悩む多くの人々の悩みを解決に導いてきた。YouTube以外もさまざまなところで活躍中。

関連サイト
@senakurumataniYouTube公式チャンネル