偉大なる志村けん伝説 妥協なきコントを貫いた「変なおじさん」追悼コラム

偉大なる志村けん伝説 妥協なきコントを貫いた「変なおじさん」追悼コラム
画像は志村けんインスタグラム(https://www.instagram.com/ken_shimura_bakatono67/)から

感染拡大を続ける新型コロナウイルス。
先が見えない不安が立ち込めるなか、ショッキングなニュースが飛び込んできた。
コメディアンの志村けんさん、死去。享年70歳。
3月29日(日)深夜11時10分、新型コロナウイルスによる肺炎のため、都内の病院で亡くなったという。

復帰後の第一声は「だいじょうぶだぁ」。本人が言わないとしても、スポーツ新聞は一斉にそんなベタなコメントを見出しにしたはずである。
芸能界から続々と追悼の声が届き始めたが、まだ現実感が乏しいのが正直なところ。ボーッとながめていた『ひるおび』(TBS系)で、フリーアナウンサーの三雲孝江さんがこんなことを言っていた。
「(志村さんは)私たちのライフスタイルに組み込まれている」
そう、私も当然そのひとりだ。

日本国民なら誰もが知っている偉大なコメディアン志村けん。
あらためて、志村さんの偉大さを思い出たっぷりに語らせていただきたい。
※以降、敬称は省略させていただきます。ご了承ください。

志村けんは「最初はグー」の生みの親だった

1974年生まれの筆者にとって、ドリフターズを知ったのは志村が不動のエースになってから。

ジャンケンの際の定番フレーズ、「最初はグー!」を生み出したのが志村けんと言われている。こんなトリビアを知ったのは自身が大人になってからだ。
でも、『8時だョ!全員集合』(TBS系)は、幼稚園から小学校低学年にかけて毎週見逃せない番組だった。
「ヒゲダンス」、「♪カラスの勝手でしょ~(「七つの子の替え歌)」、「生麦、生米、生卵などの早口言葉」。
何度も笑い転げ、マネしまくった必修ギャグである。

「志村~! うしろ~!」
すぐ後ろに迫るお化けや忍者などの敵の存在を知らせる子供たちの叫び。そして、絶対に気づかない志村。散々繰り返した後、響き渡るカン高い志村の絶叫と漫画のような驚いた顔。
当時の子供たちにとって、志村は確実に「一番面白いおとな」であった。

『全員集合』の逆張りで『ひょうきん族』にリベンジした『加トちゃんケンちゃん』

1981年から始まったライバル番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)、特にビートたけしの「タケちゃんマン」に惹かれ、一度はドリフというか志村離れを起こすも、1986年1月にスタートした『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)で、筆者の“志村熱”はカムバックした。同じプロセスをたどった同世代の方は多いのでは?

子供人気の高かったドリフのツートップによる冠番組であり、特にメインコーナーの「THE DETECTIVE STORY(探偵物語)」は“笑”撃だった。
20~30分ほどのコントドラマであり、毎度トラブルに巻き込まれる志村&加藤茶の体を張ったギャグを支えるスパイスは、ド派手なカーチェイスや爆破、ヘリコプターを使ったアクションの数々。その火薬量は、あの伝説の刑事ドラマ『西部警察』と張り合うほどだったというのだから凄まじい。

お笑いをやったことのない大物俳優や旬のアイドルをゲスト起用し、高速道路や電車を借り切ったロケ、何百人規模のエキストラを導入するなど、「自分たちが本当に面白いと思うものをトコトンやる」というポリシーのもと、映画顔負けのスケールの大きさで新しい笑いを追及したコーナーだった。

当時の先端技術だったCCDカメラや合成処理も駆使するなど、公開生放送だった『全員集合』ではできなかった試みが存分に発揮された点も見逃せない。
当然、ドリフの伝統芸(?)、金ダライ落下→脳天直撃、大爆発→髪の毛ボサボサ&顔真っ黒などのお約束ギャグも健在。そして、青少年を惑わすお色気成分も豊富。
『全員集合』に引導を渡した『ひょうきん族』を終了に追い込んだのは当然の結果だったかもしれない。

YouTubeのルーツは志村けんにあり!?

どちらかというと、感覚的で笑いに対して受け身の加藤に対して、志村は理論的で自らのアイデアを積極的に笑いに組み込むスタンスだという。

「おもしろビデオコーナー」は、その志村のひらめきが生かされた企画になる。
まだ家庭用ビデオカメラ(なつかしの8mm!)が一般的でなかった時代にスタッフの反対を押し切り、視聴者投稿による面白映像を紹介するコーナーを始めたのである。
読みはズバリ的中して、ビデオカメラの普及率増加とともに人気コーナーに成長。『さんまのからくりTV』(TBS系)など、多くのフォロワーを生み出す形となった。

実はこのコーナー、世界100カ国以上にフォーマットが輸出されており、世界最大規模の国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」の主催が2013年に発表した「世界のテレビを変えた50作」にも選ばれているほど。これは、日本やアジアのバラエティ番組では唯一の受賞となる。いわば、YouTubeの元祖的存在。
志村の先見の明に脱帽するしかない。

ゲームでは扱いにくかった?

「探偵物語」の人気を受け、当時発売されたばかりの家庭用テレビゲーム機「PCエンジン」では『カトちゃんケンちゃん』(ハドソン)としてゲーム化もされている。

プレイヤーキャラに志村or加藤どちらかが選べ、選ばなかった側が妨害や手助けをしてくるシステムは秀逸。顔はディフォルメされているものの、2人が扮するおなじみのキャラクターも多数登場する贅沢仕立てだ。
もっとも、志村は足は速いがスリップしやすい上級者向けキャラ。筆者はもっぱら加藤をチョイスしていたが、それでもまったくクリアできないほどの高難易度だった。

攻撃手段にオナラがあったり、何かとウンコがステージに登場したりと、徹底的な下品さも含めて記憶に残るゲームであった。
(権利の関係か「PCエンジンmini」には未収録……。残念!)

会議での採用率ゼロ!? コントへの妥協なき姿勢とは

志村の代名詞的ギャグ、「だいじょうぶだぁ」もこの「探偵物語」から生まれており、その流れから1987年には『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)がスタートした。
『全員集合』や『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)を経てフォーマットが確立された『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)は1986年から不定期放送されていたが、完全な単独看板番組としては初めてとなる。

同番組では、ショートコントを畳み掛ける構成で勝負。
収録現場では「とにかく楽しく」がモットーだった志村だが、会議の場では真剣そのもの。
ネタ会議には5、6人の作家が出席していたそうだが、持ち寄ったコントの採用率はほぼゼロ。そこで、志村を交えてあらためてみんなでアイデアを出し合い7時間ほどかけて15~20本ぐらいのネタを生み出したという。

この時代、売れてくると映画監督やトーク番組に進出するなど、活動のステージを広げることが芸人のステータスだった。
そんななか、ストイックなまでにコントにこだわり抜いた志村。そして、その姿勢は最後まで一貫していたのである。

ちなみに、毎年特番が放送される『志村けんのバカ殿様』を筆頭に、「親が子供に見せたくない番組」(日本PTA全国協議会主催)の常連のイメージが強い志村だが、MCを務めた『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)は、志村の番組としては初の「子供に見せたい番組」部門でランクインを果たしている。
どちらも志村の持ち味が生かされた良番組。今後も続くよう願うばかりだ。

「変なおじさん」は志村自身だった

『だいじょうぶだぁ』からは、時代を超えて愛される名キャラクターが数多く誕生している。

一番有名なのは「変なおじさん」で間違いないだろう。
当初はモテない男が街で女性に声をかけまくるコントだった。そこで、志村がひらめいたのが「最後に居直ること」。そこで、「そうです! 私が変なおじさんです!」と決め台詞が生まれ、キャラが立ったという。

飲み屋のおかみさんがモデルの「ひとみ婆さん」を始め、人の動きの観察から生まれるのが志村キャラの基本だが、この変なおじさんだけは違うようだ。
「変なおじさんは自分の分身であり、願望である」と自著でも語る通り、その思い入れは格段に強い。
ちなみに、願望のひとつが「アイドルのストローを吸いたい」。なかなかドン引き案件だが、志村なら実行しちゃっても許されるのである。

愛すべきコメディアン、志村けんさんのご冥福をお祈りいたします。

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