
待ちに待ったこの日が、今年もやってきた!
毎年、hideの誕生日に華やかに開催される『hide Birthday Party』。今年は、新型コロナウイルスの影響で中止となった春のhide Memorial Dayに行われる予定だったトリビュートライブ『Sing along live "Hi - Ho!"』が、hide Birthdayの聖地であるCLUB CITTA'からの配信という形での開催となった。
この日のために用意したワイヤレスイヤホン「hide TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」をiPadに同期させ、配信URLを開いて開演を待つ。普段のライブとは一味違うドキドキ感である。
配信ライブは、DJ浅井博章のイベントの主旨説明、出演アーティストの紹介からスタートした。『Sing along live "Hi - Ho!"』とは、もともとステージ上のミュージシャンと一緒に会場のオーディエンスも歌おうという企画。今回は配信ライブなので、会場に観客はなし。それでも、hideの名曲達をそれぞれの場所でみんなで歌って、バースデーをお祝いしようという主旨なのだ。

画面が暗転すると、「PSYCHOMMUNITY」のSEが流れ、ステージの幕が上がる。演奏は、defspiralのMASATO(G)、RYO(Ba)、MASAKI(Dr)の3人。ヴォーカルは、木村世治 (ZEPPET STORE)、CUTT (SPEED OF LIGHTS / shame)、TAKA(defspiral)と、hideのパーティではおなじみの顔ぶれである。ドラムセットやステージ前のモニター脇など、あちこちでhide人形がステージ上のミュージシャンを見守っている。
まず演奏されたのは、ハイパーチューン「DICE」。



最初のMCでは、CUTTが「楽しすぎる!」、TAKAが「待たせた分、楽しませます(開演が15分ほど押した)」、木村が「ご自宅のアリーナ最前で、盛り上がりましょう」と、挨拶。次は、3人のソロコーナーである。
「盛り上げた隊長/新入社員のわたしが、一曲、歌わせていただきます」というCUTTが歌うのは、「50% & 50%」。RYOがコーラスでサポートし、CUTTは笑顔いっぱいで楽しそうに歌っている。「うそつき」というつぶやきから始まる「DOUBT」。全身黒づくめのTAKAが、攻撃的な声を全開にして迫力たっぷりに歌う。


続いては、スペシャルゲストコーナー。春のhide Memorial Dayの時に出演予定だったミュージシャンが、再集結。日本で初めてスカをヒットさせたミクスチャーロックの先駆者と紹介されたLA-PPISCHのMAGUMI(MAGUMI AND THE BREATHLESS)が、「ピンクスパイダー」をアグレッシブに歌唱。

hideとはインディーズ時代から交流があるTUSK (THE SLUT BANKS / ex-ZI:KILL)は、「hideさん、最近はどこで飲んでますかー?」と声をかけると、ギター1本で「GOOD BYE」を切々と歌い上げ、魂のこもった歌声を披露した。

hideが少年時代から憧れていたギタリスト山本恭司(BOWWOW/VOW WOW/WILD FLAG)。多忙のため、事前収録での出演であったが、中学時代のhideがVOWWOWの楽屋に押しかけてきたエピソードや、デビュー後の交流秘話を語ってくれた。そして、アームを駆使した独特のスペイシーなギターサウンドで、圧巻の「FLAME」をプレイした。

その余韻が漂っている中、ステージではあたたかな雰囲気で「LEMONed I Scream」の演奏が始まった。ステージ中央の木村がギターを弾きながら、CUTTとTAKAと3人で歌う。次は、アレンジを変えた「ever free」。

DJ浅井が、次のスペシャルゲストを紹介している間から、歪んだギターのノイズが聞こえてくる。hideの盟友PATAが登場し、「CELEBRATION」の演奏が始まった。ゴールドのレスポールを抱えたPATAとスピーカーを持って歌うhideのライブ映像が交互に映し出されると、本当に仲間たちがhideを囲んで演奏しているようだ。
そして、ライブはクライマックスに向かって、加速していく。「もっともっとぶっ飛んでいきましょうか!」と、「ROCKET DIVE」。「歌い足りないか?」と、「TELL ME」。「この曲をみんなで響かせましょう」と、「MISERY」。「最後は、みんなで盛り上がっていきましょう!」というMCで、大きなhide人形を持ったMAGUMIと椅子を持ったTUSKが再登場。その椅子にhide人形を座らせてステージ中央に置き、演奏が始まったのは「Hi-Ho」。全員が楽しそうにhideを囲んで歌う中、エンディングでPATAが白熱したギターソロを披露。


ステージの上で出演ミュージシャンを見守るたくさんのhide人形、大型スクリーンに映し出される映像、配信画像に差し込まれるhideのライブシーン。そして、歌やギターの音がとてもクリアに聞こえて、臨場感たっぷりな「hide TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」のおかげで、楽しいパーティを存分に味わうことができた。無観客の配信ライブではあったけれど、ステージとの一体感、そして圧倒的なhideの存在感を感じる素敵なひとときだった。
(取材・文/大島暁美)

セットリスト
SE.PSYCHOMMUNITY1. DICE
2. Beauty & Stupid
3. 50% & 50%
4. DOUBT
5. SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN
6. ピンクスパイダー
7. GOOD BYE
8. FLAME
9. LEMONed I Scream
10. ever free
11. CELEBRATION
12. ROCKET DIVE
13. TELL ME
14. MISERY
15. Hi-Ho
ENDROLL. HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)