
ライブを前にアキロゼ&まつり&フブキの座談会が実現
2018年の春にデビューしたホロライブ1期生の5人(夜空メル、アキ・ローゼンタール、赤井はあと、白上フブキ、夏色まつり)が出演する3周年記念ライブ『hololive 1st Generation 3rd Anniversary LIVE「from 1st」』が5月28日(金)に開催。ホロライブの躍進を支えてきた個性豊かな5人が、初めての1期生だけのイベントを行う。エキレビ!では、オンラインで配信され、国内だけでなく海外からも大きな注目を集めるライブを前に、アキ・ローゼンタール(アキロゼ)、白上フブキ、夏色まつりの3人による座談会を実施。
1期生ライブは、前からずっとやりたかった
──デビュー3周年を迎えて、初めての1期生ライブが実現することについて、率直な感想を教えてください。まつり 1期生ライブって、前からずっとやりたかったんですよ。1周年の時、5人で振り返り配信をしたんですけど、そのときも「みんなでライブとかもしたいね」といった話はしていました。でも、その頃のホロライブは今のホロライブとはいろいろな環境が違っていて、あまり現実味はなかったんです。3周年の今年、ホロライブ内の状況が変わったことを感じ「やっとだ! ついにできる!」みたいな気持ちになりました。
アキロゼ 1周年や2周年の頃って、メンバーの一人一人がそれぞれの配信を頑張って活動しているような状況だったんです。でも、ようやく私たち5人でライブをやってもいいんだみたいな気持ちになれたタイミングが、この3周年を迎えるタイミングだったのかなという気がします。でも、「やっとか!」みたいな気持ちもありますね。
フブキ 私も同じ気持ちです。今のまつりちゃんとアキちゃんの話を後方腕組みプロデューサー面で聞きながら、「そうそう」ってうなずくbotになってました(笑)。3周年を迎えて、ようやく1期生だけのライブができるくらい、我々も運営さんも成長できたのかなって思います。
──前からやりたい気持ちはあったというライブが実現したのは、きっと誰かが本気で「やろうよ!」と声をあげたからだと想像しているのですが。
アキロゼ 最初に声をあげてくれたのは、まつりちゃんです。「1期生でライブやりたいよね。運営さんにも話してみようよ」みたいな感じでみんなに声をかけて、進めてくれました。
フブキ そうだね。まつりちゃんが最初に「やろう!」って言ってくれて。私たちも「おお! ついにやっちゃう?」みたいな感じになっていきました。
まつり 1年半くらい前に、フブキもメンバーになっている「FAMS」ってユニット(白上フブキ、百鬼あやめ、大神ミオ、大空スバルで構成)がイベント(『FAMS FAN MEETING -俺達の夏休み延長戦-』)をやったんですよ。その時に「いいなー」と思って、1回、運営さんに相談してみたんです。でも、当時は初めての全体ライブをやろうとしていた時期でもあったので、「ちょっと今は難しいです」みたいな話になりました。
その後、ホロライブのアイドル的な活動がさらに増えて、(オンラインの)ソロライブとかをやり始める子もちらほら出てきて、状況が変わってきたのかなって。
あと、3期生とかと違い、1期生って普段は個々に活動している子が多いんです。集まればすごく仲良いんですけど、めったに集まらない(笑)。
──1期生・2期生までは、同期みんなで集まって配信などをするのは、すごく特別なイベント感がありました。3期生以降はかなり日常に近い出来事になった感覚です。
まつり だから、これをきっかけに私たちも、もっとみんなで楽しいことがやれたらいいなと思って。正直、軽い気持ちでマネージャーさんに「1期生ライブがやりたいです」って言ったんです(笑)。でも、マネージャーさんはすごく真剣に話を聞いてくれて。そこからポンポンポンと話が進んでいきました。

一番の夢は「ねんどろいど」になることでした
──3年前、皆さんがデビューした当時のホロライブは、「アイドル」という方向性ではなかったと思います。デビュー当時の皆さんは、どのような活動をして、どのような夢を実現していきたいと考えていたのでしょうか?フブキ 当時は、楽しくゲームとかできたらいいなという感じで。いつか自分のグッズが出たらいいなって。一番の夢は「ねんどろいど」になることでした。ぶっちゃけ、アイドルとしてやっていこうという気持ちは全然なかったです(笑)。デビューしたての当時の状況で、歌って踊るとかはできるわけないよねっていう感じで。歌って踊ることに関しては、自信も全然なかったので。
──白上さんの「ねんどろいど」は、すでに発売が決定しています。オタク活動を続けた末に、自分が「ねんどろいど」になるというのは、普通ならあり得ないオタク活動の究極の形ですね。
フブキ 推しのグッズの横に並んでやろうっていうのが夢でした(笑)。だから、ホロライブ全体として「アイドル活動をする」という流れになったときは、何をお手本にしたらいいのかとか全然わからなくて。本当に運営さんと二人三脚でやってきた感じです。
まつり まつりの場合は、そもそもVTuberさんの配信とかを見るのがめちゃくちゃ好きだったので、自分も同じような活動をできること自体がすごく嬉しかったんです。ある意味、デビューした時点でもうゴールしたような気持ちにもなっちゃって。
デビュー当時に思っていたことは、VTuberのみんなと仲良くしたいってことぐらい。自分がアイドルになるなんて1ミリも思ってなかったし、途中で「ホロライブアイドルプロジェクト」という方向性が出てきたときも、「なんかアイドルみたいだね」って他人事のように思ったぐらいでした(笑)。
アキロゼ アキロゼは、異世界からポンとこの世界のVTuber世界に放り込まれたんです。パソコンとかの配信機材も全然なく、スマホとスマホに付いているイヤホンだけで強行デビューしてしまうくらい、右も左も本当にわからなくて(笑)。
それこそ最初は、女優さんみたいに「あなたはこの世界のこういう物語の中で、こんな経験をして、こんな子になっていくんだよ」みたいな形で活動するのかなと思っていたんです。でも、「アキちゃん、そうではなくって。自分で考えて何か配信をする。それだけだよ」って言われて。
──「あなたの物語に、脚本はありません」と(笑)。
アキロゼ はい。想像していた世界とはけっこう違って、まさに「リアルタイムショー」だなって。まさかこんなにも自分の日常をさらけ出すことになるとは思ってもなかったです(笑)。でも、当時からバーチャルの世界というか、VRやARとかの技術って、すごい夢があるなという憧れがあって。まずはその世界で活動できる3Dの体をもらって。将来、VRやARがもっと世の中に広まったとき、3Dの体でいっぱい歌ったり踊ったりして、エンターテインメントのジャンルで起用してもらえる存在になっていきたいなと思っていました。
ライブの本番でも「ムキロゼ」のポーズを出すつもり
──順番に、デビュー当時の印象を同期のお二人から伺いたいと思います。最初に、まつりさんとフブキさんから見た、当時のアキロゼさんの印象を教えてください。フブキ アキちゃんはポンコツだったなあ(笑)。
アキロゼ あはは(笑)。
まつり 最初に声を聞いた時は、おっとりしたお姉さんなんだなーって思ったんだけど。けっこうポンコツなところもあって(笑)。「YouTubeで配信できません」とか言ってたし、「おいおい」ってなりました(笑)。
フブキ 「どういうこと?」って(笑)。
アキロゼ 最初は、1期生の中でアキロゼだけが「YouTuber」じゃなかったね(笑)。

── デビュー配信も、スマホだけで配信ができるアプリを使ったそうですね。
まつり そういうポンなところも含めて、「かわいいお姉さんだな」「癒してもらえるかな」と思ってたんですけれど。今はもうネタ枠みたいになっちゃって。脳筋で「ムキロゼ〜」とか言っちゃってるし(笑)。
アキロゼ 配信機材が全然ないのに、デビューしようと特攻する時点で脳筋だけどね(笑)。
まつり その時点で気づけばよかった(笑)。でも、そういうポンで可愛いところは、昔も今もあまり変わらないのかも(笑)。
フブキ たしかに。それはアキちゃんの変わらないところであり、いいところでありって感じかなと思います。
──では、フブキさんの中でアキロゼさんの印象には変化もありますか?
フブキ ゲーム配信もできるようになって、パソコンにも詳しくなったことが一番大きい変化かなと思います。アキちゃんは最初、「配信のことがよくわからない。どんなことをやればいいんだろう」って悩んでもいたのですが、ファンの人が増えていくごとに、どんどんアキちゃんらしさが出てきて。リスナーさんの意見や反応を見て、みんなが喜ぶことをやってくれるんですよね。その中で「ムキロゼ」とかが出てきたり。
──アキロゼさんの配信で、筋肉ムキムキの男を見ることになろうとは思ってもみませんでした……。
フブキ アキちゃんは面白いことが大好きで、すごくノリもいいんですよ。今回のライブ「from 1st」では、自分たちで振り付けを決めていいパートも多くて。練習中、私が本当にただの思いつきで、「ここでムキロゼのポーズやってよ」って言ったら、「いいね。本番でもやろう」って言い出して(笑)。「本当にいいのか?」って感じなんですけれど。いつもそういう白上の思いつきとかにも乗っかって、一緒に楽しんでくれるんです。
アキロゼ ライブの本番で「ムキロゼ」のポーズが出るかどうかは、まだわからないんですけど。一応、今のところ、出すつもり100%です(笑)。
フブキ 出すんかい(笑)。でも、そうやって一緒に遊んでくれるのがアキちゃん。私にとっては、一緒に活動していく中ですごい気が休まるというか。「類友だね。テンション同じだね」って嬉しく思っています。
アキロゼ よかった。「あいつだけ、テンションやばい」とか思われてなくて(笑)。
普通に生きていたら、私がラインを上げたとか言われてる
──次はまつりさんについて、アキロゼさんとフブキさんから、最初の印象やその後の変化などを教えてください。アキロゼ まつりちゃんは最初の配信から、もうまつりちゃんだった気がするな。配信のお祭りっぽいBGMも最初の頃からずっと使ってるよね。
まつり そうだね。雑談配信とかに使ってるBGMは、たしか、はあとちゃんが決めてくれたんです。「この曲、まつりちゃんぽい」って送ってくれたのを使い始めて、そのまま使ってます。

──まつりさんのイメージにはあまり変化がない感じですか?
アキロゼ アクセルの踏み具合に関しては、最初はもう少し控えめというか。法定速度ギリギリで走ってる感はあったかなという印象なんですけども。今は、法に縛られないで行けるところでは全開で踏み切っている感じなので(笑)。でも、見ていて、それが気持ちいいんですよ。
フブキ まつりちゃんは最初から「私はここにいるぞー!!」って、自分の存在証明のために配信している感がすごいなと思っていて。アイドルとして活動するようになった中で、「あ、私アイドルだった!」 みたいなノリで、だんだんアイドルにシフトチェンジしていった感じがします。突然、「私、アイドルだったんだ」って自覚して、「アイドルとしてはどうやればいいんだろう」って考えて行動しているのが、最近のまつりちゃんなのかなって。
──失われていたアイドルとしての記憶を取り戻したような?
フブキ そうですそうです(笑)。そういう感じで、突然アイドルになったなって。
アキロゼ たしかに「アイドル」って路線が加わったことで、本来まつりちゃんが持っていた可愛いところが前面に出てきたのかも。「やべーやつ」なところを可愛さがカバーしてるみたいな(笑)。
──デビュー当時から自分を表現できていたまつりさんの姿は、お二人にはどのように映っていましたか?
フブキ 私の場合は、配信を通してたくさんの人と仲良くなりたかったけれど、自分の話すオタク的な話題がみんなに通じるのかとか、楽しんでもらえるのかとか、いろいろな不安があったんです。でも、まつりちゃんと一緒にコラボとかをしていると「配信でここまで自分を出してもいいんだ。リスナーさんは、ついてきてくれるんだ」とかわかったんですよね。そういう意味でも、最初、まつりちゃんに助けられたところは本当にいろいろあるんです。まつりちゃんと「まつりす」(ファンの総称)の関係もすごく羨ましく感じていました。
アキロゼ 今のフブキちゃんの話と同じになってしまうんですけど。まつりちゃんの配信から、「あそこまでアクセルを振み切って、あんなことをやっていいんだ!」とか、「あんまり綺麗な言葉じゃなくても使っていいんだ!」とか、いろいろ学んでました(笑)。
フブキ まつりラインがだんだんできていったんだよね(笑)。
アキロゼ うん。まつりちゃんがセーフなラインを徐々に押し上げてくれて、ホロライブの配信の幅が広がりました。それも、まつりちゃんとまつりすの関係が本当に良いからだと思うんですよね。まつりちゃんのそういう言動に、ちゃんとリスナーさんが応えてくれるから、まつりちゃんもタガを外すことができるのかなって(笑)。
──まつりさん自身には、いろんな挑戦をして、配信の幅を広げたいという意識はあったのですか?
まつり 全然そんなつもりはなかったです。まつりはVTuberが好きで、自分もVTuberだから、配信を見てくれる人たちも、まつりと同じような人しかいないだろうと思って。本当に仲が良い人たちと普通に話す感覚で配信をしてました。普通に生きていたら、いつの間にか、私がラインを上げたとか言われちゃってる感じです(笑)。
フブキ あはは(笑)。
アキロゼ 強いなあ(笑)。
【座談会後編】アキロゼ&白上フブキ&夏色まつりらホロライブ1期生が初ライブ「1期生の5人みんなが主役」
配信情報
【配信チケット】¥5,000(税込)【購入可能期間】2021年4月7日(水)22:00〜2021年6月28日(月)23:59
※生配信直後からアーカイブ視聴可能となり、2021年6月28日(月)23:59:59まで何度でも視聴可能
※2021年6月28日(月)23:59:59を過ぎると、タイムシフト視聴中でも視聴できなくなります
【チケット購入URL】https://virtual.spwn.jp/events/21052801-hololive-from-1st
イベント公式サイト
https://from1st.hololive.tv/(C)2016 COVER Corp.
丸本大輔
フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。
@maru_working