朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第21週「1994-2001」

第98回〈3月21日(月)放送 作:藤本有紀、演出:橋爪紳一朗〉

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第98回 青春時代にいい友情を育んだジョーとトミーが30年ぶりに再会
写真提供/NHK

※本文にネタバレを含みます

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岡山の再会

岡山の奇跡を経験したるい(深津絵里)ひなた(川栄李奈)。一方、錠一郎(オダギリジョー)は岡山でトミー(早乙女太一)と再会する。錠一郎に呼び出され東京から岡山にすっ飛んで来たトミー。口が悪いが善人であるところは30年以上経っても変わっていない。女性関係が派手なのも変わってないことは妻・奈々(佐々木希)の電話でわかる。

【レビュー一覧】朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のあらすじ・感想(レビュー)を毎話更新(第1回〜98回掲載中)

30年以上会っていなかったらしきふたりだが、会えばすぐに昔のようになれる。青春時代、本当にいい友情を育んできただけはある。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のように「老けたなあ」(第10回)とか言って相手を怒らせたりしない。ふたりともそんなに老けてないし(ドラマだから)。

老けてないし、東京に住んでいるけれど、トミーはなんだか荒っぽい大阪弁になった気がする。業界の荒波に飲まれながらおっさんになった感じを早乙女太一なりに演じるとそうなったのだろうか。大阪弁はともかくとして、久しぶりに錠一郎と会えてすごく嬉しいけれど態度はあえて斜に構えている仕草がじつに鮮やかだった。

ちょっと泣きそうになる顔を、錠一郎に見せまいとする強がりも指先も角度が正確という感じで、早乙女太一ってこんなに柔軟な俳優だったっけ? と驚いた。いつもすっとクールで無表情で内に秘めた情熱を激しい殺陣(アクション)で表現する役や、最初からキレッキレの役など、わりと真っ直ぐな表現が多かったから、こういう表情豊かで屈折した雰囲気を出す役は珍しく感じた。でも殺陣がすごいということは体はよく動くということなのでトミーの豊かな仕草も難なくできたのかもしれない。

そういえば『ミステリという勿れ』(フジテレビ)でも天使のような柔らかい表情を見せて別人のようだった。もともと舞台で女形もやってきたし、演じ分けることは本来得意で、映像では求められる役が限られていただけかもしれない。いま生き生きと様々な役を演じているという印象である。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第98回 青春時代にいい友情を育んだジョーとトミーが30年ぶりに再会
写真提供/NHK

トミーに錠一郎は、鍵盤(ピアノ)をやりたいと相談する。あのクリスマスの日におもちゃのピアノを弾いたことが錠一郎の心に変化をもたらしていた。それが岡山でさらに芽生えたとすれば、これもまた岡山の奇跡。なぜなら、岡山で見た朝ドラは『ぴあの』だったから。そのタイトルに錠一郎が反応しているように見えてからの、鍵盤やりたい発言だった。


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