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「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点ー慢性炎症の抑制ー」をテーマに開催された『第6回 伊藤園健康フォーラム』
「お茶で人生100年時代を豊かに生きる知恵」をテーマに、第6回目を迎えた『伊藤園健康フォーラム』(株式会社伊藤園中央研究所主催)。今回は「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点―慢性炎症の抑制―」と題し、医学界全体に新しい概念を生み出した「慢性炎症」にフォーカス。専門家による講演・パネルディスカッションを通し、そのメカニズムや予防法、緑茶に含まれる抑制効果についてオンライン配信された。
本記事では、その『第6回 伊藤園健康フォーラム』の模様をレポート。また、当日登壇した静岡県立大学 食品栄養科学部 特任教授 「ふじのくに」みらい共育センター長の合田 敏尚氏、そして九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食糧化学分野 主幹教授の立花 宏文氏による特別対談を実施。慢性炎症を抑えるために日々の生活において心がけたいこと、慢性炎症の抑制作用が期待される緑茶の取り入れ方についてお届けする。
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■イベントレポート「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点ー慢性炎症の抑制ー」■特別対談「年齢は関係なく慢性炎症予防はすべての方が意識するべき」
■動画で知る「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点ー慢性炎症の抑制ー」
■動画アーカイブ『伊藤園健康フォーラム』
イベントレポート「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点ー慢性炎症の抑制ー」
『第6回 伊藤園健康フォーラム』では、生活習慣病や癌といった慢性疾患に共通する基盤の病態である慢性炎症をテーマとした講演とパネルディスカッションがYouTube Live上でオンライン配信された。登壇者:
静岡県立大学 食品栄養科学部 特任教授 「ふじのくに」みらい共育センター長 合田 敏尚氏
九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食糧化学分野 主幹教授 立花 宏文氏
株式会社伊藤園中央研究所 所長 衣笠 仁氏
静岡県立大学 食品栄養科学部 特任教授 「ふじのくに」みらい共育センター長 合田 敏尚氏
九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食糧化学分野 主幹教授 立花 宏文氏
株式会社伊藤園中央研究所 所長 衣笠 仁氏
●慢性炎症をテーマに発症のメカニズムとコントロール術を講演
イベントでは、合田氏が「生活習慣病の予防のカギを握る慢性炎症のコントロール」、立花氏が「茶カテキンによる慢性炎症抑制メカニズム」について講演。合田氏は、壮年期の課題として内臓脂肪型肥満があり、そこで起こった慢性炎症が生活習慣病やメタボリックシンドロームに大きく関与していること、見た目は痩せていても空腹時血糖値が高ければ慢性炎症に陥りやすいことをスライドと共に解説した。
「慢性炎症を抑制するためには、量・時間・質を考えた戦略的な食事でコントロールすることが大事。その際、抗酸化性・抗炎症性のEGCG(緑茶カテキン)が重要な役割を果たします」(合田氏)

静岡県立大学 食品栄養科学部 特任教授 「ふじのくに」みらい共育センター長 合田 敏尚氏
続く立花氏の講演では、EGCG(緑茶カテキン)の効果を得るためにカテキン受容体であるセンサー分子・67LRの存在も重要であることを発表。
「67LRは、細胞によって量が異なり、食物からの影響が大きい分子です。ポリフェノールやβ-カロテンを摂取することで、67LRは炎症抑制情報を伝えやすくなるため、お茶の摂取が慢性炎症予防に効果があることがわかりました」(立花氏)


九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食糧化学分野 主幹教授 立花 宏文氏
お二方の基調講演を踏まえ、続いてパネルディスカッションが行われた。
●パネルディスカッション「慢性炎症を防ぐ食生活とは」
モデレーターに株式会社三菱総合研究所 ヘルスケア&ウェルネス本部 健康・医療グループ 主席研究員の大橋 毅夫氏を迎え、合田氏、立花氏、衣笠氏が登壇したパネルディスカッション。慢性炎症が体に及ぼす問題点や、予防のための食習慣についての意見交換や視聴者からの質問コーナーが行われた。「慢性炎症は生活習慣病に共通する基盤病態ですが、肥満や高血糖が原因と言われ、そこがいちばんの問題です」(合田氏)
「急性炎症に対して、慢性炎症は症状が出にくくわかりにくい。だからこそ意識して抑制する必要があり、緑茶などからのカテキン摂取が重要となってきます」(立花氏)

「先生方がおっしゃる通り、慢性炎症はサイレントキラーなどとも呼ばれ自覚症状がありません。炎症は本来、生体の恒常性維持に必要な反応ですが、慢性化は体に大きなダメージを与えます」(衣笠氏)
自覚症状の薄い慢性炎症を予防するにはどうすればいいのか? 食生活・食習慣の見直しが重要と登壇者3人の意見は一致した。
「まずは内臓脂肪を増やさないことが重要。糖質・脂質の多い食事をしない、夜遅く食べない、昔から日本人が食べてきたものを摂るなどですね。慢性炎症を抑制する効果のある緑茶は、1日にコップ4〜5杯、約1Lを目安に摂取するといいでしょう。手軽にペットボトルのお茶でもいいですし、高濃度のお茶ならコップ1杯でも十分です」(合田氏)

「緑茶と柑橘由来ポリフェノールを組み合わせて摂取することで、さらに高い効果が得られます」(立花氏)
「緑茶に含まれるガレート型カテキンは脂肪の吸収抑制の働きがあります。食事の際に200mg、少し濃くいれたお茶を2〜3杯程度摂取するのがおすすめです」(衣笠氏)

株式会社伊藤園中央研究所 所長 衣笠 仁氏
パネルディスカッション後は、リアルタイムに寄せられた視聴者からの質問に回答。具体的にどのような食事コントロールが必要ですか?との質問には「緑茶カテキンなど抗炎症成分を摂り入れる、食事の質に気をつけ、飽和脂肪酸の少ない緑茶・野菜・果物・魚など日本型の食事を心がけるといいでしょう」(合田氏)、慢性炎症には何歳から気をつければいいですか?の質問には「非常に若い頃から生活習慣病リスクが上がっています。小学生の肥満が増えており、若い時から慢性炎症を抑える食事や生活スタイルを家庭でも学校でも実行する必要があります」(合田氏)などオンライン上で回答が伝えられた。
視聴者への質問後には、慢性炎症の理解促進の為の動画(食後高血糖と慢性炎症)も公開された。


食後高血糖と慢性炎症についてわかりやすい動画となっているので、気になる方は、『第6回 伊藤園健康フォーラム』のYouTube(1:44:25あたり)をご覧いただきたい。
また、パネルディスカッションの最後には、慢性炎症を防ぐ食習慣として、以下の三つの項目がまとめられた。

特別対談「年齢は関係なく慢性炎症予防はすべての方が意識するべき」
イベント後、合田敏尚氏と立花宏文氏、お二方の特別対談が実現した。慢性炎症を抑えるためにはどういった生活を心がけるべきか、抑制作用が期待される緑茶をどう食生活に取り入れるべきかなど、専門家の視点からさらに詳しくお話をうかがった。
●医学界に新たな概念を生み出した「慢性炎症」
合田敏尚特任教授(以下、合田):これまでにも医学的に慢性炎症は認められていましたが、クローズアップされるようになったのはメタボリックシンドロームが浸透してからですね。生活習慣病の発症や進展を研究していくと、病気になる前、未病の段階で内臓脂肪の蓄積で慢性炎症が起こっていることが明確になりました。突き詰めていくと、糖尿病や腸疾患、最近ではアルツハイマー病なども、肥満による慢性炎症が全身に悪影響を及ぼしていることがわかり、これまで個々の病態とされてきたものが、全部つながってきました。立花宏文主幹教授(以下、立花):太った方の脂肪組織を見ると、免疫細胞マクロファージがたくさん集まっているのがわかります。ただし、マクロファージのような間質細胞が集まって過剰に炎症性サイトカインが分泌されると、それが病気の原因になってきます。慢性炎症が病気の原因であると認識されたのはここ数年で、私も授業で学生に「肥満自体が慢性炎症だ」と伝えています。
合田:慢性炎症によって医学界で一つの重要な概念が作られたわけですね。10年前までは臓器ごとの疾患・発症と思っていたけれど、今はそれらが互いに関係していることがわかりました。1カ所で起こった炎症が体内の違うところにも移動して作用しているのです。

立花:つまり、メタボリックシンドロームと呼ばれる病態の根幹に、慢性炎症が関わっていたわけですね。病気の大元がみつかってきた。私の研究でも、例えばガンに効果がある食品、アレルギーが改善される成分を探していくと、やはり抗炎症作用のものにすべて行き着く結果になります。炎症を抑えることで、多くの病気の予防につながることが我々食品を研究する立場からもわかってきました。
合田:そうですね。そういった意味で、機能性食品成分も的確に評価できるようになりました。これまで、栄養素としての評価は難しかったけれど、抗炎症のための食品成分として評価できるようになったわけです。炎症を抑える効果があるかどうかという新しい切り口で、食事全体を評価できるようになったのも新しいと言えますね。
●新型コロナウイルスの流行と慢性炎症
立花:肥満が慢性炎症の原因ですので、コロナ禍での運動不足、いわゆるコロナ太りは慢性炎症を引き起こしていると言えます。私の昨年の研究では、お茶(カテキン)と柑橘類(糖転移ヘスペリジン)を一緒に摂取した方は、相乗効果でコロナ下でも体重の増加が抑えられたという結果が得られています。カテキンなど抗炎症作用のあるものをしっかり摂ることは、コロナ禍での運動不足や肥満対策などに一定の効果があると思います。
合田:コロナなど外部から侵入しようとするウイルスに、我々の体は当然、免疫反応で対処しようとしたり防御反応を起こします。しかし、それが行き過ぎても問題です。過度な免疫反応や防御反応は、以前、炎症を起こしたことがある箇所から大量の炎症性サイトカインが分泌され、他の臓器に悪影響を及ぼしてしまうわけです。高齢者や持病をお持ちの方、肥満の方がコロナウイルスに感染して重症化しやすいのはそういった理由からなんですね。ある程度、炎症作用がコントロールでき、肺の免疫力が保てる状態をキープしておくことが必要です。
●慢性炎症を予防する食事習慣
合田:若い方は健康診断を受けても検査結果に慢性炎症の兆候は出ませんし、生活習慣病やメタボリックシンドロームを自分ごととして考えづらいと思います。でも、若い方でも内臓脂肪がついている方や脂肪肝の方はいらっしゃって、自覚症状はなくても体内では慢性炎症が起きています。内臓脂肪がついてしまう原因として、もっとも大きいのは食習慣。急に血糖値が上がるような食べ方や、飽和脂肪の多い食事を摂ることで、見た目は太っていないけれど、肝臓に障害や炎症が起きている可能性があります。診断結果が出てからでは遅いので、まずは日頃の食べ方や食べるものに気をつけることが大事。ポイントとしては、以下の3つがあります。・1日3回、きちんと食事を摂る
・血糖値が急に上がるような糖分過多の食事をしない
・食事の際は、できるだけお茶(緑茶)を飲む
血糖値が急に上がると膵臓に障害をもたらし、糖尿病の発症率が高くなります。肥満ではなくても、甘い炭酸飲料などを多く摂取している方は糖尿病を発症しやすいので、そこは注意してほしいですね。そして、カテキンを多く含み、ほぼ糖質のないお茶を食事の際に飲むことをおすすめします。

立花:カテキンはポリフェノールの一種で、煎茶や玉露、抹茶、ほうじ茶など種類ごとに作用する力や仕組み・場所も違いますが、炎症を抑える意味では、イベントで合田先生がおっしゃったように、お茶を1日に4〜5杯(約1L)飲んでいただく必要があると思います。さらに柑橘系のポリフェノールも一緒に摂っていただくとより効果が高くなります。例えば、温州みかんでしたら1日5〜6個摂れば十分で、お茶を半量に減らしても同じ効果が得られます。お茶と柑橘類を同時に摂取する必要はありませんが、カテキンの血中ピークは2〜3時間ですので、その時間内に柑橘系ポリフェノールも一緒に摂っていただくといいでしょう。実際、お茶とみかんをたくさん摂取する地域の方の発ガン率が低いという疫学的な調査結果が確認・報告されています。

合田:日本人が摂取するポリフェノールの8割はお茶などの飲料からです。私自身、効果を期待してお茶をたくさん飲むことはあまりしませんが、立花先生のお話にあったように、ポリフェノールを意識的に摂取することがまずは大事。コーヒーはお金を払って飲むけれど、お茶は無料みたいな感覚が日本人にはまだありますよね。お茶をもっと飲んでいただくためにも、その価値を高めるような工夫が必要かもしれませんね。
●まとめ:―誰もが慢性炎症予防に取り組める社会に―
立花:私は母の実家がお茶を作っていたのもあって、小さい頃からお茶摘みをやったり、おいしいお茶を飲んできました。やはり、小さい頃からのそういった経験がお茶を飲む習慣につながっていくのでしょうね。今でも急須できちんとお茶をいれて飲むようにしています。合田:たしかに、食事の時に何を飲むかというのは、小さい頃からの習慣が大きいですよね。今、私は静岡県立大学に勤めているので、静岡生まれ・静岡育ちの方をよく見かけます。彼らは若くてもお茶を飲みますね。大学には「茶学入門」という選択必修科目があり、300人くらい受講する人気講座です。若い世代だからこそ、お茶を味わい、お茶にはどんな種類があり、どういう文化があって、どう作られてきたのかをよく理解してもらいたい。そのために、お茶に合う日本古来の魚や野菜中心の食事が、若い方でも安心して食べられる場所を提供するなど、まずは環境から整えていくことが大切だと思います。そういった場所で食事をし、お茶を飲み、「おいしいよね」と言い合える場所。だから、お茶だけを取り上げても難しいので、小さい頃からの食習慣にお茶をプラスする形がいいのではないでしょうか。それが次の世代に受け継がれていくのだと思います。やはり教育ですね。
立花:そうですね。私は、食品の成分がどうして体に良いのか、どんな食品が良いのかという研究をしていますが、体内の炎症を抑えるものが体に良いという結果がたくさん集まっています。例えば、直接ガンに対して効果がある、筋肉の衰えを予防する、アレルギーの発症を予抑えるなど、炎症を抑えてくれる食品が、将来的に病気を予防してくれることがわかってきました。病気になってからでは遅いので、その前にしっかり抗炎症効果のある食品を取り入れてほしいと思います。だからと言ってそれだけを摂るのは意味がなく、合田先生のおっしゃる通り、大事なのはバランス。いろいろなものを取り入れたうえで、抗炎症効果のある食品を少し意識的にプラスアルファしていくのが将来的な疾病予防につながるのではないでしょうか。

合田:人生100年と言われ、ライフステージごとに病気のリスクは変わります。今日の講演では肥満による慢性炎症の話を中心にしましたが、高齢者になると脳の慢性炎症がアルツハイマーという形で出てくることもあります。どの年代のどの病気であっても、慢性炎症で説明ができるわけです。若い時に気づかなかった慢性炎症が、年齢が上がるにつれて高血圧や動脈硬化、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、脂質異常症、アルツハイマーといった形で出てくる。それを予防するためにも、慢性炎症を常に頭に置きながら食事に気をつかい、きちんと睡眠をとり、活動的な生活を心がけることが大切でしょう。若くても健康診断結果が良くても、慢性炎症は知らず知らずに進行しているものですから、年齢や健康状態に関係なく全員が気をつけなければいけません。将来的には、慢性炎症を予防する食事や生活習慣を誰もが続けられる社会の仕組みが必要ですね。
動画で知る『第6回 伊藤園健康フォーラム』
「緑茶による健康寿命延伸への新たな視点―慢性炎症の抑制―」と題して開催された『第6回 伊藤園健康フォーラム』は、伊藤園の公式YouTubeチャンネルでアーカイブが配信されている。動画アーカイブ『伊藤園健康フォーラム』
<2021年12月10日開催>第5回 伊藤園健康フォーラム
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第4回 伊藤園健康フォーラム
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<2021年5月20日開催>
第3回 伊藤園健康フォーラム
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取材:山本知美
撮影:川合泉
編集・運営:エキサイト株式会社
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