
いよいよ今月の25日に迫った、『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント開幕戦』。山本“KID”徳郁の甥で、同日RENAとのカードが話題になっているレスリング元世界女王の山本美憂を母に持つ山本アーセン。
一方、今年、世界の名門ヒップホップレーベル・デフジャム・レコーディングスとサイニングし、日本で最もアスリートの入場に、その楽曲が使われているラッパーAK-69。「音楽がないと何もできない」というアーセンと、日頃から自身のライブのためにアスリート並みのジムワークをこなすというAK-69。それぞれ違う舞台で闘う2人のスペシャル対談が実現した。
山本アーセン(以下、アーセン)歌い始めてからどれくらい経つんですか?
AK-69(以下、AK)17の頃からだから、20年くらいかな。気付いてたら20年経ってたみたいな感じで、結構あっという間だったけどね。
アーセン 僕は今年で20歳なんで…。
AK そっか。ちょうど生まれた頃なんだ。
アーセン ヤバいっすね(笑)。
AK レスリングは何歳からやってるの?
アーセン 僕は4歳からです。途中何回も止めたいと思うこともあったけど、どうやって乗り切ったかわかんないです。ただちっちゃい頃のビデオを見てめっちゃ楽しそうにやってて、ああ好きだから止めなかったんだなって、最近すごく思います。
AK 週3、4回くらいかな。ウェイトトレーニングとサーキットトレーニング。昔はウェイトトレーニングしかやらなかったけど、それだけだと別にあまり意味がないっていうか。自分の単独の公演の時は2時間3時間やるし、それで動きながら歌うと息が上がっちゃうんだよね。
アーセン サーキットトレーニングはいいですよね。でも、やっぱり疲れるんですね。
AK めっちゃ疲れるよ。結構飛び跳ねて歌ったりすると、すぐに息が上がるし。それじゃダメだなと思ってサーキットをやるようになった。
アーセン そう考えるとジャマイカ人のライブとかヤバくないですか? イエローマンとかずっと飛び跳ねてる。
AK 本当だよね。無尽蔵のスタミナだよね。
アーセン 僕はもう音楽がないと本当になんもできないです。ノリさん(山本”KID”徳郁)にCDをもらって、最初はジャパニーズレゲエから始まって、そっからどんどん。僕のスタイルだったり、聴いてるものだったり、趣味は全部ノリさんから受け継いだものですね。
AK 格好良いおじさんがいるのは良いよね。でもアーセン君が音楽が好きって嬉しい情報だね。
アーセン 本当に音楽があっての格闘技だし、レスリングですね。音楽がないとテンションが上がらないし、自分の世界にも入れない。お母さんのお腹に入ってるときボブ・マーリーを聴かせてくれたり、小さい頃からアイス・キューブの『ウィキット』を聴いたり。
AK 『ウィキット』は俺らがガキの頃に聴いてた音楽だね。懐かしい。
ーーAKさんはアスリートから入場曲に使いたいアーティストとしての評価が高いですが、アーセンさんも戦う前に聴く音楽で決まった曲があったりしますか?
アーセン めっちゃありすぎて…とりあえず試合が始まる何時間前とかだったら、リリックが濃いスロウなものを聴いたり、試合前になるとトントントンって、BPM180くらいのテンポのダブステップとかを聴いたり…その時々に合わせた音楽を聴いてます。
AK なるほどね。
アーセン その時によって、こういう音楽じゃないと世界に入れないっていうのがすごく自分の中であるんですよね。
AK 音楽を処方してるんだね。
アーセン なかったらヤだし。本当に音楽に出会えて良かったって、いつも思います。
AK ヒップホップだったりレゲエだったり、昔は特殊なものだったから、あんまり聴いてる人がいなかったというか、ヒップホップをやってるとか聴いてるというと、変わってる一部の人みたいな感じがあった。今は新しい世代の格闘家の人たちもそうだし、いろんなアスリートの人たちもそうだし。テレビにも出て注目されてるアスリートがヒップホップやレゲエを聴いてるし、そういう時代になったことが嬉しいですよね。今では俺も取り上げてくれるからありがたいけど、俺は名古屋だったし、地方のアーティストは昔はあんまり注目されていなかったから、自力でなんとかするしかなかった。ここまで来て、地方のアーティストも今は注目されているし、こうやって音楽が広がっているのを見ると俺たちヒップホップの側からするといい時代になった。
アーセン めっちゃヒップホップな話ですね。自分で名前を売ってナンボですもんね。
AK 結局強くないといけないってことだよね。
アーセン そうですね。結果さえついて来ればいいって話で。
AK アーティストでも2タイプあって、作り上げられたアーティスト…レーベルや事務所やテレビの企画だったり、いろんなことがセットされてスターになるべくしてなる人と、そうじゃなく実力で名前を売り続けて、後からすべてついてこさせるっていうタイプとふた通りいる。でも結局は格闘家と一緒で強くないと、イケてないといけない。
アーセン 僕は間違いなく全部セッティングされた人間ですね。でも結果さえ出せばいい話で、ありがたいと言えばありがたい。
AK その星の下に生まれてきてるから、そこで自分の強さを出すプレッシャーもすごいと思うし、同じレスリングや格闘技をやってる人で、それを妬む人もいると思う。でもその星の下で生まれてきてるからさ、最初から注目されてる中で、その強さを証明するのは並大抵のことじゃないし、そこは誇るべきことだよね。
アーセン 間違いないですね。でも、僕はある線を越えちゃえば面白くなります。うわっ、これは絶対俺以外じゃないと体験できないことをやってるんだなということもあるし。別に俺の悪口を言ってくれてもいいし、ただ試合で見返せばいい話だから。なので、正直怖いもの知らずと言ったらあれですけど、すごい状況を楽しんでる。
AK 俺も今デフジャムに行って、世界的なレーベルと契約して、みんなはなんかすごい良い環境でやってると、端から見ればそう思われていると思う。でも、そこでやっぱり自分が何をするかが問題だからね。デフジャムと契約したから、すべてがハッピーでOKなわけじゃないし。アーセン君も山本家に生まれたからOKなわけじゃないと思うし。そこで何するってことだから。
アーセン 言葉なんかいらないですからね。僕たちは。
ーーアーセンさんは、いよいよ次の試合が9月25日と迫っています。
AK この前(2015年12月31日)クロン・グレイシーに負けた時、俺はそんなに格闘家のみんなの試合を見てるわけじゃないし、アーセン君がどれだけできるのか。と言ったら失礼だけど、クロンが相手だし、正直結構難しいんじゃないかと思っていた。けど、見たときにヤベェなって。すげえ自分の世界に持ってっとったもんね。向こうの寝技のスキルが半端ない中で、返すときなんかを見ていても、格闘家としてのポテンシャルのすごさを感じた。あれが一発目の総合格闘技だったと聞いて、打撃の当て勘まで含めて、KID君を見てるような…アッパーひとつ取っても、グレイシーもひやっとしたと思いましたね。上から言って申し訳ないんですけど(笑)俺も格闘技のファンだから。
アーセン ありがとうございます。嬉しいですね。スポーツマンはみんなに勇気を与える仕事だと思うので、僕もその言葉を聞くためにやってるというのもあるし。前回負けちゃって、それでも良かったと言ってもらったんで、今回は勝って良かったと言ってもらえるような、アーセンは本物だって思って頂けるような試合をしたい。頑張ります。
AK 間違いないね。俺も応援しています。
(text by Bundai Yamada)
『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント 開幕戦』
◯日時/2016年9月25日(日)13:30開場 15:00開始
◯会場/さいたまスーパーアリーナ
◯主催/RIZIN FIGHTING FEDERATION
◯協力/さいたまスーパーアリーナ、フジテレビ
◯チケット料金/全席指定・消費税込 ※1歳より入場券が必要です。
〈1dayチケット〉
【VIP席】100,000円<特典付:専用入場ゲート・大会パンフ・特製グッズ>
【SRS席】20,000円
【S席】 10,000円
【A席】 5,000円
★断然お得な3大会セットチケットも発売!(9/25、12/29、12/31
〈3daysセットチケット〉
【VIP席】300,000円→200,000円<特典付>(100,000円お得!)
【SRS席】60,000円→40,000円(20,000円お得!)
【S席】 30,000円→20,000円(10,000円お得!)
※2nd ROUND、Final ROUNDの1dayチケットは後日発売いたします
『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND』
◯日時/2016年12月29日(木)13:30開場 15:00開始(予定)
『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント FINAL ROUND』
◯日時/2016年12月31日(土・大晦日)13:30開場 15:00開始(予定)
RIZIN FIGHTING FEDERATIONオフィシャルサイト
http://jp.rizinff.com/