
NETFLIX映画『ちひろさん』(2月23日Netflixにて全世界配信&劇場公開)の完成披露舞台挨拶が5日、都内にて開催され、主演の有村架純、出演の豊嶋花、嶋田鉄太、van、今泉力哉監督が出席した。
同作は、月刊漫画誌『Eleganceイブ』(秋田書店刊)で2013年から2018年にわたって第1部が連載された漫画『ちひろさん』が原作。
エメラルドグリーンのワンピース姿で登壇した有村は、同作のオファーを受けた後に原作を読み「ちひろさんの世界観が大好きになりました」と振り返った。
これまでのイメージを覆す役柄については「自分が演じるとなるとすごくハードルが高いな」と思ったそう。ただ、今泉監督をはじめとする制作サイドの思いに共鳴し、社会に対して生きづらいと思っている女性たちに「同じ女性として(この作品を)ぜひ届けたい」と感じたことを明かした。「その役目が担えるならすごく光栄だなと思ってお話を受けさせて頂きました」とちひろ役に挑戦した理由を語った。
役作りについて尋ねられると、主人公のちひろは自身とは「かけ離れているキャラクター」といい、「そこのギャップをどういうふうにすれば埋められるかということは、大きな課題でした」と述懐。「正直自分が100パーセントちひろさんに近づくことができたかと言われると、私はまったくそこの手応えみたいなものがなくて、今でも正解が分からない」「ちひろさんという女性像は本当に掴みどころがなく、『ちひろ』と(名前で)呼ぶことが最後までできなかった役でした。役と自分とのその距離感が初めてで私も『これでいいのだろうか』と思ったのですが、きっとちひろさんはちひろさんのままなのだろうなと、どれだけ自分と長く一緒に過ごしたとしても、きっと『ちひろさん』と呼び続けるようなそういう距離感なのだろうなと最後まで演じながら思っていました」と続けた。
ちひろは孤独を愛する感じもある女性というが、「私は孤独ということに対して決してネガティブに思っていなくて」とコメント。孤独というと「寂しい人」などと思われがちではあるものの、「1人の時間を愛せるってすごく幸せなことだと思います。だから、孤独ということに対してポジティブに捉えられる方々が増えたらいいなと思っています、ちひろさんに出会って」と想いを言葉にした。
有村は2月13日に30歳の誕生日を迎える。
30代になってチャレンジしたいことについては、「より質の良い作品を届けるために、みなさんとディスカッションしながら作品を届けられたらいいなと思っています。柔軟な心も持って」と語った。
舞台挨拶の最後、有村は「私もちひろさんのように孤独を愛せる女性になれるように30代を進んでいけたらいいなと思います。自分の時間も、みなさん、大切にしてあげてください」などとメッセージを送った。