トヨタ自動車は9月15日、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV「e-Palette」(イーパレット)の販売を開始したと広報発表した。
e-Paletteは、広い室内空間や大型ウインドウガラスによる開放感を活かして、人々の移動に限らず移動する店舗やサービス空間など、箱型のクルマを使ってさまざまなモビリティサービスに対応するよう設計した移動体・マルチEVだ。
e-Paletteの原型は、2018年1月に米ラスベガスで開催されたCES2018において発表。自動運転をベースとしたモビリティサービスEVとして出展。その後、開発が進み、今回発売されるイーパレットではコクピットを装備、ステアリングはレクサス RZ用に開発が進むステアバイワイヤの異形ステアリングを備え、レベル2の自動運転を実装している。
e-Paletteの具体的な今後の展開は、まずは台場にオープンする多目的スタジアム「TOYOTA ARENA TOKYO」およびその周辺エリア、富士山麓の実験都市「Toyota Woven City」から導入し、輸送サービスでの活用や物品等を販売する移動型店舗など、さまざまな取り組みを進める。加えて、一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などを進め、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指す。
基本的な諸元を紹介しよう。ボディサイズは全長×全幅×全高4950mm×2080mm×2650mm、室内サイズが室内長×室内幅×室内高2865mm×1780mm×2135mm。5mを切るコンパクトな全長だ。定員は17名、4座席+12立席+1ドライバーで、収納タイプの椅子や車いすで乗り降りが可能なスロープも備える。
最高速度は80km/hで航続距離は約250km。
e-Palette の販売は受注生産で、当面トヨタのエアロ・モビリティ事業部が直接行なう。価格は消費税込み2900.0万円。(編集担当:吉田恒)