今回のニュースのポイント


マツダ三菱自動車が2026年春闘で労働組合の要求に初の交渉で「満額回答」。


・マツダは月額1万9,000円、三菱自動車は1万8,000円(いずれも定期昇給分を含む)の賃上げで合意。


・3月18日に予定される集中回答日を待たない早期妥結により、他産業の交渉への影響が注目される。


 2026年の春季生活闘争(春闘)において、自動車大手のマツダと三菱自動車が、労働組合側の要求に対して最初の労使交渉で満額回答を行う「即日満額」が相次ぎました。主要企業が足並みを揃えて回答を出す「集中回答日」(本年は3月18日を予定)を3週間近く前倒しする異例の展開となっています。


 マツダは2026年2月25日、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分と定期昇給を合わせ、月額1万9,000円の賃上げ要求に満額で応じました。これは現行の人事制度を導入した2003年以降で最高水準となります。同社は「人への投資を最優先する」として早期決着を選択しました。また、三菱自動車も同日、労働組合が要求していた月額1万8,000円(定期昇給分を含む)の要求に対し、一回目の交渉で満額回答しました。


 背景には、深刻化する「人材獲得競争」と「実質賃金の改善」への強い意識があります。2025年春闘では歴史的な5.1%の賃上げが実現したものの、物価上昇に追いつかない実質賃金のマイナスが続いてきました。2026年春闘では、経済団体も「賃金引上げモメンタムの定着」を掲げており、経営側も早期に高い回答を示すことで、必要な人材を繋ぎ止める意向が強く働いています。


 今回の早期満額回答は、今後本格化する電機や重工、さらには中小企業の労使交渉に対して強い先行指標となります。市場では、2026年春闘全体の賃上げ率が前年並みの高い水準に達するとの予測が出ています。

今後は、大手企業のこうした動きが、コストプッシュ型インフレに苦しむ中小企業まで波及し、実質賃金の安定的なプラス転換に繋がるかどうかが焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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