2025年にピークを迎えるであろう高齢化社会に向けて、少子化は喫緊の問題となっている。少子化の理由は複合的だが、「生涯未婚率」の大幅な増加が昨今指摘されている。
一方で、そもそも結婚する相手がいない、という独身者の嘆きもある。独身者の結婚願望に対する意識はどうか?15年の出生動向調査によると、いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は男性85.7%(前回86.3%)、女性89.3%(同89.4%)で、依然として高い水準にで推移し、チャンスがあれば、と考えている人がかなりの割合でいることがわかる。その一方で、結婚への障壁としては「結婚資金」が最多となり(男性43.3%、女性41.9%)、独身者における異性との交際について、交際関係を持たない未婚者、性経験のない未婚者は増加傾向にあるという残念なデータもある。
未婚化がすすんでいる理由のひとつに「女性の高学歴化」がある。ニッセイ基礎研究所の天野研究員は『「高学歴女性が結婚に不利」「高学歴女性が増えたから未婚化している」という感覚は、妻の高学歴比率が進学比率と一致していることから見て、事実誤認である、といえる』と指摘、さらに結婚に対する価値観は「男性上位婚」は「妻の学歴上位婚」へと移行してきているという。実際、調査によると大卒女性の約30%が高卒男性と結婚、夫婦の4組に1組が「妻の学歴上位婚」であり、大卒でも男性の学歴に拘らない女性が増加している。
社会の多様化により、男性が率先して家族を背負うという時代は変化しつつあるなか、安心・安定といった結婚に踏み切る為の材料が揃いづらくなってきている。結婚をするにしろしないにしろ、若者はより合理的な選択を迫られており、それらが揃うのを待っていては超晩婚化となってしまう時代だ。ジェンダーの枠を超え、対象ごとに分担し、負担を共有しながら対処していくという現実的なカップル・夫婦が増えている。