京都に本社を置く電子部品メーカーのローム株式会社〈6963〉は11月13日、スマートメーターやIoT家電などで採用が拡がっている国際無線通信規格「Wi-SUN Enhanced HAN」の最新評価キットとして、アンテナ・コネクタ搭載モジュール「BP35C1-J11-T01」、USBドングル「BP35C2-J11-T01」のインターネット販売を開始した。同製品はスマートメーター情報を活用する新しいサービスや、IoT対応家電、センサなどを想定した評価に最適で、「Wi-SUN Enhanced HAN」環境の飛躍的な普及と、より豊かで便利なスマートコミュニティの構築に貢献するものとして、業界で大いに期待されている。
ところが、一般的にはまだまだ「Wi-SUN」という通信規格自体を知らないという人が多いのではないだろうか。スマートフォンやIoTなどの普及によって、急速に身近な存在になった近距離無線通信技術。しかし、ひと口に近距離無線通信といっても、その特徴は様々で、用途によって適した規格も異なる。
例えば、すっかりお馴染みとなった「Wi‐Fi」と「Bluetooth」。でも、どうして同じスマホでも、使う機能やアプリによって、Wi‐FiとBluetoothを使い分けるのかご存じだろうか。
同じ2.4GHzの周波数帯を使用するWi‐FiをBluetoothと比較してみても、通信速度と通信距離に関してはWi-Fiが圧倒的に勝っている。
では「Wi-SUN」のメリットは何だろうか。
そんなWi-SUN規格も用途によっていくつかのプロファイルに分類されているが、それらの中でも今、注目されているのが、HEMS(Home Energy Management System)家庭向けにプロファイルされた「Wi-SUN Enhanced HAN」だ。
ロームは今年3月にも、世界で初めてこのWi-SUN Enhanced HANに対応した無線通信モジュールの販売を開始して注目を集めたが、今回同社が発表した評価キットによって Wi-SUN Enhanced HANの開発環境が格段に容易にりな、同規格環境の普及と導入に強い追い風が吹きそうだ。(編集担当:藤原伊織)