現在の自動車には電子技術が導入されており、その代表はECU(電子制御ユニット)である。次世代の自動車と言われているxEV(電気自動車)の電気系統を統制しているのはECUだ。

現在のxEVには、その車両特徴に応じ複数のECUが搭載されている。環境にやさしい持続可能な自動車としてEVやPHVなどのxEVへの代替が期待されており、これらに搭載されるECUの市場も今後拡大傾向で推移すると予想される。


 4日に市場調査業のグローバルインフォメーションが市場調査レポート「電気自動車用ECUの世界市場:ECUタイプ・EVタイプの分析・予測(2019年~2024年)」を刊行し、その内容の一部を公表している。


 レポートによれば、世界の電気自動車市場は18年に50億5000万ドルと推計され、24年には177億7000万ドルに達する見込みで、19年から24年までのCAGR(年平均成長率)は22.49%と予測されている。


 18年からの米中摩擦や20年の新型コロナパンデミックの影響で減速が見込まれるものの、長期的に見れば各国政府は二酸化炭素排出量を抑制する政策を積極的に展開しており、充電インフラの可用性の向上などxEV関連の市場拡大は確実だ。こうした背景からBEV(バッテリー電気自動車)やPHEVなどの高効率車の需要が世界的に高まっており、これらに搭載される電気自動車用ECUの市場は高い成長率で拡大するものと見込まれる。


 電気自動車では、車載用インフォテインメントシステムの需要の増加や、先進運転支援システム(ADAS)の搭載が増加していることから、ECUの採用が進んでいる模様だ。BEV関連では二次電池の充放電を監視・制御しバッテリーの長寿命化と燃費の向上を実現する電子制御装置であるバッテリーマネージメントECUの伸びが期待される。機械的制御から電子システムへの移行により、インフォテインメント、パワーステアリング、クルーズコントロール、HUD、車載コネクティビティ、モビリティなどの市場改革も進んでいる模様である。


 課題としてはECUの搭載数の増大・分散化によって車両の重量とコストに悪影響を与えるため、これを克服するECUの一元化だ。課題は残るもののxEVへの代替は時代の流れでECU市場の高い水準での拡大も間違いないであろう。(編集担当:久保田雄城)

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