【写真】予想外のサプライズに思わず涙、荻野由佳卒業コンサートの模様【11点】
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新潟県で活動をするNGT48だが、もっとも広く知られているメンバーは荻野由佳だ。2017年の選抜総選挙が彼女の名前を一躍知らしめた。投票が始まって間もなく、速報が発表されるのだが、その速報で全国的にはほぼ無名だった荻野が1位を獲った。それはスポーツ紙でも大きく取り上げられるほどのニュースだった。開票結果は5位に終わるも、その後の活動において、総選挙は彼女にとって大きな意味のあるイベントだった。
そんな彼女がグループから卒業する。西潟茉莉奈は、正式なメンバーになる前から同じ運命をたどってきた盟友だ。
西潟「私は、由佳ちゃんとバイトAKB(2014~15年)から一緒でした。でも、年齢が離れていたからか、当時は全然話す機会がありませんでした。その後、ドラフト会議でNGT48から指名を受けて、同じマンションの隣の部屋に住むことになりました。
学年は西潟のほうが3つ上。年下の荻野が先にグループから旅立つことになる。
西潟「発表する前に、私には卒業することを教えてくれました。
後輩にあたる小越春花は、荻野をこう見ている。
小越「由佳さんは太陽みたいな人です。一番高いところで輝いているんです。そんな明るさに私も影響されて、NGT48に入りたいなと思いました。由佳さんって、オーディションを何回も受けたけど、なかなか結果がでなかったんですよね。そこから這い上がって、劇場でがむしゃらに踊って、ファンの方の心をつかんで、総選挙の速報1位にまでなりました。私はそういうストーリーにも影響されました。いつか私も由佳さんみたいにグループを引っ張れる人になりたいと思わせてくれました」
10月30日午後5時。功労者・荻野の卒業コンサートが始まった。昼の部とは打って変わって、AKB48の楽曲が並んだセットリストだった。
1曲だけ、荻野の頭になかった楽曲が組み込まれた。それはアンコールの終盤だった。秋元康氏が荻野のために書き下ろした『私が一番言いたかったこと』という曲だった。
西潟「由佳ちゃんへのサプライズで披露することは決まっていたので、メンバーごとに練習をしていました。コンサートの前日、由佳ちゃんがいない時間を縫って、初めてメンバーで合わせて、本番に備えました。由佳ちゃんはすごく喜んでもいたし、驚いてもいました。翌日、『全然気づかなかった!』と話していました。サプライズも含めて、卒コンは大成功だったと思います。コンサート終了後、由佳ちゃんの待機部屋を訪ねたら、ドレス姿のままお弁当を食べていました(笑)。
荻野はスピーチで、「私をアイドルにしてくれてありがとう」と語って、ステージを後にした。今月8日、NGT48劇場での公演をもって、荻野はグループのメンバーではなくなる。
その事実はメンバーに影響を与えている。なぜなら「おぎゆか卒業後のNGT48」と向き合わなくてはならないからだ。
小越「それは嫌でも考えてしまいます。由佳さんのファンの方がNGT48から離れてしまうんじゃないかとか、不安はあります。だから、卒業コンサートでは、『由佳さんが卒業された後のNGT48も推してください!』という気持ちを込めて踊りました」
コンサートのリハーサル期間中、「おぎゆか卒業後のNGT48」を意識せざるを得ない出来事があった。
西潟「次のシングル発売が発表されましたが、そのMVをコンサートのリハーサル期間中に撮影したんです。その場所には由佳ちゃんは当然いません。由佳ちゃんがいない表題曲は初めてですから、その事実をなかなか受け入れることができませんでした。中井りかちゃんと『なんだか寂しいね……』という話をしていました」
残酷なようだが、時計の針は止まってくれない。次のシングルで、あるいはその他の活動でおぎゆか後のグループ像を示す必要がある。
西潟「グループの顔だった由佳ちゃんが残してくれたNGT48を私たちが全体で盛り上げていかないといけないと思っています。そのためには1期生が後輩にアドバイスしていかなくてはいけません。これまで以上に自分の経験してきたことを伝えて、手を差し伸べられる存在になりたいです」
小越「前作の『Awesome』でセンターに立たせていただいて、自分の意識が変わりました。今までは自分のことを中心に考えていたけど、今ではグループ全体のことを考えることが増えました。ひとつ言えるのは、みんなの気持ちを揃えるということです。活動していくと、いろいろな気持ちになるものです。でも、グループが大きくなるためにNGT48がどうなりたいか、みんなが同じ気持ちになることが大事だと思います」
では、どんなグループになりたいのか。そう訊ねると、2人とも言葉を詰まらせた。その像はまだ具体化されていないということだ。その像を見つけることが、「おぎゆか卒業後のNGT48」を前進させることになる。
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