【前編はこちら】プロレス大賞新人賞受賞・SKE48荒井優希が語る「私がレスラーになった理由」
【写真】必殺技・踵落としを繰り出すSKE48荒井優希、ほか撮り下ろしカット【11点】
──東京女子プロレスに参戦するようになって気づいたことや驚いたことは?
荒井 所属選手の方たちが、全員とにかく優しい! 本当にみなさん面倒見がよくて、めちゃくちゃお世話になっています。1人ずつ優しくしてくれたエピソードを挙げることができるくらいなんですけど、特に山下実優さんには頭が上がらないですね。家にも泊めていただいたことがあります。
──山下選手は生粋のアイドル好きで、ご自身もモーニング娘。のオーディションを受けているくらいですしね。
荒井 すごく器の大きい方です。私が最初に東京女子プロレスに上がったのは後楽園ホールで挨拶したときだったんですけど、そこで選手の控室に挨拶しに行ったら、試合前だからすごくピリピリした空気だったんですよ。「怖っ!」とビビリ散らかして帰ったことを覚えています。
──そこまで!? SKE48よりも温かい世界でしたか?
荒井 ……SKE48と同じくらい温かいです(笑)。たとえば私は東京でごはんをあまり食べないんですよ。別に深い意味はなくて、お店を知らないから探すのが面倒なだけなんですけど。それで少し痩せちゃった時期があって、気遣ってくれた先輩たちが練習後に「ごはんでも食べに行こうよ」とか誘ってくれるようになったんです。普段から「大丈夫? ちゃんと食べてる?」とか声もかけてくれますし。
──確かに東京女子プロレスは選手間の絆が深いという話はよく伺います。
荒井 他の団体に上がったわけではないので比較はできないけど、本当にチームワークは最高だと思います。私がプロレスを続けたいと考えている一番の理由は、東京女子の先輩たちに出会えたことなんですよ。最初、私のプロレス参戦は年内いっぱいという話だったんですね。だけど3試合くらいやった時点で、そんなのは絶対に無理だと気づいたんです。
いくら自分が努力したところで、たった数か月じゃ先輩たちに追いつくことなんてできっこない。
──アイドルとしての荒井さんとレスラーとしての荒井さん。意識の面で何が変わりますか?
荒井 プロレスをやるときは戦う気持ちになっているから、どうしてもそれが顔つきに出てしまうんですよね。アイドルは何年もやっていることもあって、「今、自分はこういう雰囲気なんだろうな」という“表情管理”がある程度はできるんです。だけどプロレスのときは自分で写真を見てもビックリするようなことが多くて。「目力がヤバい」とか「殺気立っている」とかよく言われます。
──プロレスラーとして、どういう個性を持った選手になりたいですか?
荒井 入場の際は、できるだけアイドルっぽく振る舞うように心掛けています。……アハハハハ!
──どうしたんですか? 突然、笑い始めて。
荒井 ごめんなさい。柄にもないことを言ったので、自分で自分にウケてしまいました。
──大丈夫です(笑)。
荒井 入場のときはアイドルとして華やかに。でも、試合になるとシリアスに。ギャップを感じていただきたいんですよね。二面性を出していきたいです。
──東京女子にはアップアップガールズ(プロレス)のほか、元LinQの伊藤麻希選手も在籍しています。
荒井 伊藤さんにはリングでやられてばかりいるので悔しいんですけど、すごいなと素直に思う部分も多いです。あの感情が爆発しているオーラ。唯一無二の存在感。伊藤さんって赤くて一部だけ黒い髪の毛にしていて、それをお団子でまとめているんですよ。
なんだかミッキーみたいだし、イラスト化しやすいんですよね。シルエットだけで伊藤麻希だとわかる。でも、それってアイドルでもプロレスでもすごく大事なことだと私は思っているんです。
──アイドルとプロレスで通じる部分もあるのかもしれませんね。
荒井 たとえば今のプロレスの衣装は赤・白・青のトリコロールカラーなんですね。豆腐プロレスのときもトリコロールだったので、それを基調にしようという話になったんです。そういうところで自分の意見が全部通るので、最初は驚きました。SKE48では衣装さんがすべてを決めてくださっているから、こんなにセルフプロデュース力が問われることはなくて。でもこうやって自分で考える習慣ができたことは、アイドル活動にも必ずプラスの効果があると思っています。
──さて、東京女子への参戦を続ける中で10月にはタッグマッチでアジャコング選手とも戦いました。
荒井 あの試合、記憶がほとんどないんですよ。一斗缶で殴られたのがすごく痛かったのは覚えているんですけど、気がついたら裏拳を喰らってたんこぶができていましたね。コテンパンにやられて本当に悔しかったですけど、あの試合で初めて私のことを知ったという方が想像以上に多くて。
──そして12月18日の名古屋国際会議場イベントホール大会、師匠筋にあたる山下実優選手とシングルで戦います。
荒井 圧倒的な力の差があることは自分でもわかっています。その中で自分がどこまでやれるのかというのがポイントになると思う。山下さんはデビュー前から練習を見てくださっている先輩なので、「荒井も成長したな」と試合の中で感じてもらいたいんですよ。
ありがたいことに周りからは「成長スピードが速い」と言われることもありますが、自分では必死にやっているだけだから実感が持てなくて。だけどデビュー戦の映像とかは下手すぎて直視することができないので、そう考えると確かに変わってはいるんだと思います。
──12・18の大会では、SKE48のメンバー(江籠裕奈、大場美奈、菅原茉椰、福士奈央)も来場してパフォーマンスを行うのだとか。
荒井 ヤバいですね。いつもアップアップガールズ(プロレス)の3人が試合前に歌っていますけど、私にあれができるのかなという不安があります。ただ、最近はプロレスファンの方がSKE48を観に来てくださることも多いんですよ。今回は大きなチャンスなので、SKE48の魅力を全力でアピールしたいです。
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