【写真】タッグ王座に挑戦するSKE48荒井優希&赤井沙希
赤井沙希は元プロボクサーで俳優の赤井英和の娘。タレントやモデルとして活動しつつプロレスラーとしても活躍している。荒井優希はSKE48の現役メンバーながら、昨年から東京女子プロレスに本格参戦。メディアでもたびたび紹介される「時の人」でもある。
そんなふたりが魅惑のコンビを結成し、大田区ではプリンセスタッグ王座に初挑戦する。赤井沙希、174㎝。荒井優希、167㎝。そこに立っているだけで画になる、といわれる二人が本格的に動き出したとき、どんな光景が広がるのか? 決戦直前、対談をお願いしたところ、予想外に面白い展開が待ち構えていた!
──7・9大田区には豪華なカードが揃いましたが、あまりプロレスに興味がない方でも目を奪われるのがおふたりのタッグだと思います。
荒井 赤井さんが東京女子プロレスに参戦すると知って、ぜひ、タッグを組みたいなって。いままで2回、組ませていただいたんですけど、こういう機会がこれから何度あるかわからないので、リングの上で「タッグのベルトに挑戦したいです」って耳打ちしたんですよ。
赤井 あのときはびっくりした! でもね、ホッとした。
荒井 えっ、どういうことですか?
赤井 まだね優希ちゃんのかわいい顔を蹴る覚悟ができていなかったから(笑)。闘いたいって言われたら困ったけれども、組みたいって言われて、あぁ、優希ちゃんの顔を蹴らなくて済むと思ってホッとしたの。ただ、私が試合後、すぐに後楽園ホールを出なくちゃいけなくて、優希ちゃんがひとりでチャンピオンに挑戦状を叩きつけることになったから、それが心配で心配で。移動中、ずっとスマホで見てたよ!
──普通、プロレスでタイトルに挑戦するときは、それこそマイクを握って「挑戦させろ、コノヤロー!」って煽ったりするものですけど、荒井さんの場合、どこまでもおしとやかに、それでいて、ちゃんと挑戦したい理由や熱い想いを伝えた上で「お願いします」と頭を下げる、という。
荒井 ちゃんと言えました!
赤井 後楽園を出るときに「挑戦したい、ということを伝えれば、短い言葉でいいから」って優希ちゃんに言ったんだけど、電車の中でチェックしてたら、ちゃんと腹の底の気持ちまで自分の言葉で言えてるじゃんって。まだキャリアは浅いけど、そういうところとか、リングでの立ち居振る舞いが本当にちゃんとしているよね。
荒井 ありがとうございます!
赤井 やっぱりプロレスをやっている以上はチャンピオンを目指してほしいし、ベルトを巻く喜びとか、そこまでの道のりとか、この先に待っていることとか味わってもらいたいし、優希ちゃんをずっと応援してくれているファンのみなさんにも、そういう景色を見てもらいたい。ねっ。今回はふたりだから、私を頼ってほしい!
荒井 もちろん、機会があればベルトを狙いたいなとは思っていたんですけど、それがタッグになるとは考えてもいなかったし、パートナーがまさか赤井さんになるなんて……本当にいろんな偶然が積み重なっての急展開だったんですけど、もし、この試合で勝つことができたら、チャンピオンとしてずっと赤井さんとタッグが組めるわけじゃないですか! だから絶対に勝ちたいです。
赤井 でもね……あっ、いや、いまはなんにも考えずにチャンピオンになることだけを目指してもらったほうがいいかなぁ~。
荒井 えっ、なんですか?
赤井 チャンピオンになったら、もちろん喜びも大きいんだけど、なったらなったで追われる立場になる。
──めちゃくちゃ、しみじみと語りましたね。
赤井 だけど、そのしんどさも優希ちゃんには味わってほしいのね。それを経験させてあげるためにも頑張りたいし、優希ちゃんがベルトを巻いて、そういうしんどさを乗り越えて太い存在になったところも個人的に見てみたい。まぁ、いまでもごんぶとな存在だけど(笑)。
──赤井さんも芸能活動をしながらプロレスラーとして活躍している、という点では、荒井さんとの共通項も多いですよね? 荒井さんにとっては本当に心強い先輩だと思います。
荒井 はい! 本当に心強いです。
赤井 でも、私は歌ったり踊ったりはできないから、私にはわからない苦労や努力をしているんだと思います。みんなに笑顔を振りまきながらも「うわぁ、首が痛い」とか(笑)。そういう意味では私と優希ちゃんは似たような経験をしてきているのかもしれないけれど、実はまったく違う部分も多いんですよ。
──もし、このタッグチームが人気になったら歌手デビューの話も来るかもしれませんよ、女子プロレス界の伝統ですから。
荒井 えーっ!
赤井 ヤバい、ヤバい、それだけはヤバい! 歌と踊りは専門外なんで(苦笑)。でもさ、もしベルトを獲ることができたら、優希ちゃんはSKE48のメンバーではじめての(プロレスの)チャンピオンになるわけでしょ?
荒井 はい、そうですね。
赤井 そうなったら、私はチャンピオンベルトを持って、優希ちゃんがアイドルとして活躍する姿を客席で見てみたい! ほかのお客さんがペンライトとかで応援している中で、私だけチャンピオンベルトを掲げて応援しているみたいな(笑)。
荒井 アハハハ! それ、面白いですね。ぜひ!
赤井 昨年、優希ちゃんはプロレス大賞で新人賞を獲ったけれども、私も以前、獲っていて、そのときは女性として初の受賞だったんですよ。私は女子プロレス団体じゃなくて、男子のDDTに参戦していたこともあって、いろいろと「初」とつくものを経験させてもらったんだけど、優希ちゃんの場合、もっとそういうチャンスがあるんだよ。
荒井 あっ、そっかぁ~。
赤井 ね、こういうところがいいんですよ。いろいろと計算して、そういう話題作りを狙うプロレスラーは多いけど、優希ちゃんの場合、こうやって周りから言われて「あっ、そうなんだぁ~」って気がつくタイプでしょ? ガツガツ爪痕を残そう、という感じではないのに、こうやっていろんなチャンスが巡ってくるのも面白いなって。
──たぶん荒井さんがまだ気づけていないプロレスラーとしての魅力を赤井さんが引き出してくれそうな予感がします。ただ、じゃあ、このタッグでどんな試合をしてくれるのか、と聞かれると、ちょっと想像がつかないんですよ。だから、当日が楽しみなんですけど。
赤井 私も一生懸命、想像しようと思ったんですけどダメでした(笑)。チャンピオンのマジラビ(マジカルシュガーラビッツ=坂崎ユカ&瑞希)はすごくキラキラしたタッグチームだけど、試合になると対戦相手を惑わせるんですよ。優希ちゃんはひとりで前哨戦をやってきたけど、どうだった?
荒井 ちょっと混乱しました……。
赤井 あっ、ちゃんと混乱させられたんだ(苦笑)。ヤバいね。ふたりで混乱していたら。でも、いま、すごく穏やかな気持ちなんですよ。いままでタイトルマッチをやってきた中で、こんなに穏やかに「よしっ、がんばろう!」って気持ちになれるのは初めてかもしれない。本当に混乱している場合じゃないよ。
荒井 このあいだ福岡で前哨戦があったんですけど、めっちゃ飛んでくるんですよ。私が倒されてたら、いきなりユカさんが瑞希さんを私の上に投げてきたんですよ!
赤井 そう、やるやる!
荒井 えっ!てなってたら、今度はふたりでイッキに飛んできて……もうよくわからないじゃないですかぁ~。
──完璧に惑わされていますね(笑)。
荒井 いままでマジラビさんとはチームを組むことが多かったので、対角線にいるのは珍しすぎて、福岡であんなに連携技を食らって、これはヤバいなって思って……試合中、何度も赤井さんを探しました(笑)。
赤井 なんで? 私はそのとき東京にいたよ(苦笑)。でも、東京からちゃんと見守っていたから。コメントまでしっかりチェックして。
荒井 えーっ、見られてたぁ~(笑)。
赤井 でも、いい経験したね。いままでは頼れるお姉さんだったふたりが敵に回ると怖いってことを学べたでしょ? タイトルマッチの前にそれを経験できたのは大きいと思う。
荒井 私、飛べないじゃないですか? だから、余計にマジラビさんの飛び技に惑わされるのかもしれないです。
赤井 じゃあ、飛んでみる?
荒井 以前、マジラビさんと組んだときに、ふたりにそそのかされてトップロープから飛んだことがあったんですけど、見事に転びました(笑)。だから、私らしい闘い方をしたいし、怖さも味あわせたいです!
赤井 私たちはまだ2回しか組んだことがないから、マジラビもなにをやってくるのかわからない怖さはたしかにあると思うので、それが突破口になれば面白いかもしれないね。
【後編はこちら】SKE48荒井優希&赤井沙希がタッグ王座に挑戦「私たちのエネルギーを会場で受けとってほしい」