5月2日に、約9年半在籍したSKE48から卒業した松村香織。そんな彼女とSKE48の同期でありながら、あまり深い接点がない印象の木崎ゆりあ(「崎」の右は「立」が正式表記)。
現在、ドラマや舞台などで女優として活躍中の彼女が語る、2人の意外な絆とは。
──今回、同期である、木崎さんに松村さんとのエピソードを教えていただきたいのですが。

木崎 今回、取材を受けるということで、改めて関係性を見返してみたんですよ。そしたら、私の中では、3期生の中で距離がある人だったなって(笑)。他の3期生だったら2人でご飯に行けるんですが、かおたんだけは2人でご飯に行けないなって思いましたね(笑)。それは仲良くないからとかじゃないんです。私にないモノを持っている人で、私が絶対にやろうと思わないことをやる人だから。だからこそ、この距離感なんだろうなって。

──松村さんの最初のイメージは覚えていますか?

木崎 まず初見から変だったじゃないですか(笑)。当時、かおたんは19歳ぐらいでしたよね? それなのに「萌え萌えきゅーん」みたいな感じでやっていて(笑)。でも、最初から最後までキャラを貫き通していました。最初の握手会で3期生の中でいちばん列が長かったのがかおたんだったし、アイドルとしてこういうことしたらいいんだって、自分を持っていました。
計算力が高かったと思います(笑)。

──木崎さんは、加入してすぐに選抜入りを果たしましたが、かおたんは研究生。そういう意味でも、あまり交わることがなかったのかもしれません。

木崎 正直、なかったですね。チームSの公演にかおたんが研究生として出るときに会うことはあっても、そういう立場で会うときって気まずかったりするじゃないですか。向こうは年上ですし……。

──2人で連絡を取ったりは?

木崎 今回、LINEを見返してみたんですよ。もしかしたら1回も連絡したことがないかもって思って(笑)。そしたら、私がSKE48からAKB48へ移籍するときに「行かないでほしい」ってLINEを、メンバーの中で唯一送ってくれてたんですよ! 他のメンバーからは「さみしい」とか言ってもらったけど、かおたんだけは文章で「ホントに今のSKE48にとってゆりあは必要だから行かないでほしい」って書いてきてくれて。なかなかそういうことを言う人はいないですよ。

──確かに。

木崎 実は私は、SKE48では卒業公演をやらない予定だったんですよ。
当時、卒業が決まったときはAKB48に在籍していたので、SKE48の公演はやらせてもらえないだろうなって思っていて。私の立場で、やりたいなんて言えないな……と。そんな話を、だーすー(須田亜香里)と、かおたんに話していたとき、かおたんが「絶対にやった方がいい」って言ってくれたんです。それで、SKE48でも卒業公演ができることになりました。そこから、3期生に卒業公演に来てもらうか私の中で悩んでて……。そしたらかおたんが「ゆりあが呼ばなかったらもう3期生は来ないよ」って言って背中を押してくれたんです。

──関係が薄いと言いながらも、同期としてしっかり絆がありますね。

木崎 普通、人間ってギブアンドテイクみたいな関係じゃないですか。与えて、与えられて。でもかおたんって、私は一切何もしてあげられてないのに、いろんなモノをくれるんです。最初から最後までそうでした。ただのお人よしというか(笑)、めちゃくちゃいい人なんです。


──卒業を控える松村さんに何か言っておきたいことはありますか?

木崎 「卒コンを観に来て」って言われていたんですけど、仕事で行けなかったんです。その後(斉藤)真木子とご飯を食べたときに、かおたんも来て、久しぶりに会ったんです。食事をしながら今後についていろいろ話しました。かおたんは自分をプロデュースしてのし上がった人だから、卒業は、なにかをプロデュースするような道へ進んでみたら? って言いました。絶対に向いていると思います。あと、かおたんとは卒業してからの方が仲良くなれるんじゃないかなって思ってます。30歳を前にしているからか、以前よりテンションも落ち着いてきましたし(笑)。
▽木崎ゆりあ(きざき・ゆりあ)
1996年2月11日生まれ。血液型O型。愛知県出身。2010年にSKE48に加入。2014年AKB48へ移籍、2017年にAKB48を卒業。
現在は女優として幅広く活躍中。(※崎の右は立が正式表記)
Information
舞台 春のつかこうへい復活祭 VOL.2「銀幕の果てに」に出演!
公演日:2019年5月8日(水)・9日(木)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
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