──このインタビューは駒田さんの卒業公演にあわせて、6月中旬にアップされる予定なんですが、収録しているのは5月29日。マリンメッセ福岡で開催された『指原莉乃大感謝祭』の翌日にお話を聴かせていただいています。
坂口 素敵だったよね、ぴー(駒田の愛称)とさっしーさんの『Choose me!』。なんか卒業していくのが寂しくもあり、同期のぴーが旅立っていく姿に頼もしさを感じたり……ヤバい、もう泣きそうなんだけど(苦笑)。いろんな感情が入り交ざっちゃって。
駒田 私の卒業を知っていたさしさんから「ぴーちゃんとなんかやりたい」と、スタッフさんに提案してくださったそうです。さしさんはもう卒業していらっしゃるのに、そのあともちゃんとメンバー1人1人のことを考えてくださって……本当にうれしかったし、ありがたいです。
──駒田さん、そして同じく6月に卒業する岩花詩乃さんがとにかく目立つように、最後の花道を作ってくれましたよね。その上で、これからも活動していくメンバーたちにもいろいろなヒントを最後に与えてくれて。
坂口 さっしーさんって、ホントにバランスが取れすぎている! もう昨夜の感謝祭のことを思い出すだけで鳥肌が立ちます。
──卒業した冨吉明日香さんも加わっての10人編成。2期生にとっても、ファンにとっても忘れられない思い出になりましたね。
駒田 明日香ちゃんが出てきたときには、びっくりした!
坂口 2期生だけ恐竜に食べられている姿を見て「あぁーっ!」って手を叩いて喜びながら、みんなで泣いてたよね(苦笑)。
──あっ、来場することすら聞かされていなかったんですね。
坂口 そうなんですよ。だから、最初は10人で歌う予定もなくて。急に「早く着替えて!」って言われたので「?」と思っていたら「いまから(振りを)合わせるから!」って、明日香と一緒に鏡の前に行って。『R24』(博多リフレッシュ)公演はこの10人でやっていて、いまはそれを9人バージョンに直した形でやっているんですけど、またできることは嬉しかったです。本当に急な話でびっくりしましたけど。
駒田 明日香ちゃんが「これや! 私たちが(『R24』公演を)やっていた2期生ってこれやん」って、しみじみ話してたよね。
坂口 そうだね。

取材前日、5月28日に開催された「指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭」。2期生の冨吉明日香がサプライズ出演した。
──駒田さんは6月17日でHKT48を卒業します。
駒田 7年ぐらいアイドルをやらせていただいて、今度はまた新しい環境で新しいことをはじめたいなって思ったんです。まだ22歳なので、まだまだ先は長いし、人生は1回しかないので卒業を決めました。
坂口 結構、メンバー同士で話をするときって、いつも未来の話をしたりします。
駒田 卒業発表の日が決まったときも「あぁ、私、本当に卒業するんだなぁ~」ぐらいの感じだったんですけど、そこから発表するまでの期間、自分の中で「これでよかったのかな?」とか「家族やファンの方たちはもうちょっといてほしかったのかな?」とか考えちゃって。メンバーに会っちゃうと「もうちょっと頑張れたのかも……」とも思っちゃったりして。結構、葛藤がありました。発表までの1週間は毎日、泣いてました。
坂口 うん、それはなんとなく察していたの。なんか元気ないなって。「ほとんど寝てない」とか言ってたし。
駒田 みんなどうなんでしょうね? 発表の前日って、どんな感じなんだろう。私はもうズタボロで発表当日もおかゆを食べていたぐらいで(苦笑)。誰にも相談できなかったし、理子ちゃんだけじゃなくて、同期のみんなにも発表の当日まで言えなかった。
坂口 もし相談されていたとしても、きっとなんにも言えなかったと思う。そりゃ「辞めないで!」「一緒にがんばろうよ」って言いたいし、それが一番の希望なんだけど、その人のやりたいこと、その人の人生ってものがあるので、もう本人が決めたことを応援するしかないと思うから、見守ることしかできないよね。
──同期ならではの想いですね。
駒田 でも、さしさんには発表の前日に連絡したんです。「明日、卒業を発表します」と。そのとき、正直な気持ちをさしさんに伝えたんですよ。
坂口 なんかね……ぴーってさ、一緒にお店に行っても、店員さんに「すいません」って言えないでしょ? 人に話しかけるのがあんまり得意じゃないから、代わりに私が「すいませーん!」って店員さんを呼ぶぐらいで。そんなぴーがね、自分で卒業するって決意して、みんなの前でしっかりと卒業発表をしている姿を見て「あぁ、本当に決意は固いんだな」って思ったよ。引き留めても絶対に考えは変わらないんだろうなって。
駒田 でも、卒業を決めたから少しアクティブになった。
坂口 たしかに! いままでは家から一歩も出ないイメージだったもんね。
駒田 うん。先輩方からご飯に誘われても「いや、私は……」って遠慮ばかりしていたんだけど、今はもう「行かなきゃ!」って(笑)。
坂口 後輩にも愛されているからね。いつも(今村)麻莉愛ちゃんが子猿のようにくっついて歩いている(笑)。
駒田 一緒にご飯にも行けました。
坂口 最後いろいろ交流がもててよかったね!
──アイドル人生に悔いはないですか?
駒田 悔いがあったら卒業発表していなかったと思うので…やりきりました。まだ、正式になにをするとは決まっていないので、これからじっくり考えていきたいと思います。
坂口 2期生って個性も強いけど、意志も強いメンバーも多くて、自分が「コレ!」と決めたら、絶対に「コレ!」っていうメンバーも多いから、卒業は寂しいことではあるけれど、みんな、しっかりと自分の人生を考えて決断しているんだから、けっしてマイナスな話じゃない。みんな、すごいなぁ~って思う。たださぁ……。
駒田 ん、なに?
坂口 卒業が決まってから「メンバーと一緒にいるのが楽しかった。これから会えなくなるのが寂しい」って言われたけど、それ、こっちのセリフだよ! 残される側のセリフだからね、本当に(笑)。やっぱりさ、普段からずっと一緒にいたから、すごく寂しいよね。楽屋で一緒になってふざけてくれるのもぴーだったし、明日香ちゃんがいなくなってぽっかりと穴が空いてしまったときも、そこにぴーがいてくれたから……ね。
──駒田さんと岩花さんが卒業して、2期生は7人になってしまいます。
坂口 さっしーさんに「7人? 神7だね!」って言われました(笑)。
──これはまったくの私見ですけど、坂口さんにはHKT48の「精神的支柱」的なイメージがあるんですよ。
坂口 まるっきり同じことを、さっしーさんに言われたことがあります! 同期が少なくなってしまう分、後輩ともっと積極的に話して、相談しやすい存在になりたいです。1期生さんが壁を作らず接してくれるので、HKT48って仲がいいグループになったと思っているので、先輩と後輩をつないで、その仲のよさをもっと循環させていけるような人になりたいです。
──7月からは九州7県ツアーもはじまります。
坂口 率直にうれしいです。全員がひとつの目標に向かってがんばれるのはいいことですよね。私はキャプテンでもないし、選抜でもないから、どれだけ出られるかわからないんですけど、自分が行ける会場では年長らしく引っ張っていきたいです。私たちにはさっしーさんから学んだ「ライブの楽しさ」がある。こういうとき、さっしーさんはこうしてたなっていうのを思い出しながら、やっていこうと思います。昨日の感謝祭でも煽りは全部、(松岡)はなちゃんがやってくれたんです。

今年2月から開催されていた2期生のユニット「R24」による「博多リフレッシュ」公演より(C)AKS
──では、最後に駒田さんから坂口さんにメッセージを。
駒田 きっと理子ちゃんはまだまだ「見送る側」という立場なのかなって思うけど、7年ぐらい、ずっと一緒にいたから……。
坂口 悲しい……(涙)。
駒田 私もHKT48ですごくいろんなことを経験したけれど、これからはもっとがんばらなくちゃダメだと思っているので、活動の場は変わってしまうけど、みんなのことを見守りつつ、私もがんばるね。
坂口 (涙、涙、涙)
──泣いちゃいますよね、これは。では、坂口さんから駒田さんへもひとこと。
坂口 ごめんなさい。最近、卒業が多くて涙腺がゆるくなってる(苦笑)。えっと、やっぱり幸せになってもらいたいです。いままでも幸せだったと思うのね。
駒田 うん。
坂口 でも、その裏ではたくさん辛いことがあったことも知っているから……。これからは本当に自分のやりたいことを、楽しんでやっていってほしいな。来年、新劇場が出来たら遊びに来てね!
駒田 もちろん! その前に九州7県ツアーの宮崎公演に行っちゃうかも(笑)。
▽駒田京伽(こまだ・ひろか)
1996年11月21日生まれ、宮崎県出身。2012年HKT48第2期生オーディションに合格。2016年HKT48 9thシングル『バグっていいじゃん』で初めて表題曲選抜メンバーに。今月17日のチームH「RESET」公演でHKT48から卒業する。
▽坂口理子(さかぐち・りこ)
1994年7月26日生まれ、福岡県出身。2012年HKT48第2期生オーディションに合格。2015年HKT48 6thシングル『しぇからしか!』で初めて表題曲選抜メンバーに。