乃木坂46の池田瑛紗が3月26日に公式ブログを更新し、4月から東京藝術大学に進学しアイドル活動と学業を両立していくことを発表した。本稿では、5期生の中でも独自のキャラクターで存在感を発揮している池田に注目したい。


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32ndシングル『人は夢を二度見る』では五百城茉央と一ノ瀬美空、井上和、菅原咲月、川﨑桜の5人が初選抜入りを果たすなど大躍進を遂げた5期生。池田は選抜からは外れてしまったものの、5期生曲『心にもないこと』で初のセンターを務めるなど、パフォーマンス面においても大きな成長を見せている。

5期生の華やかで順調な滑り出しとは裏腹に、池田の加入からこれまでの道のりは決して平坦ではなかった。というのも、「乃木坂46 新メンバー募集オーディション」の合格メンバーに一人としてお披露目された池田だが、学業の都合により他のメンバーとは約1ヶ月合流が遅れている。『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』(日経BP)では「正式に5期生になることができたのに、美大の受験もあって、他のメンバーより加入が遅れると決まったときはショックでした」と回顧しており、他の同期が乃木坂46のメンバーとして早く馴染んでいく姿を見て焦りもあったそうだ。

だが、3月19日に「乃木坂配信中」でお披露目されると大きな反響を呼び、さらに29thシングル『Actually…』のTYPE-Aに収録されている「5期生ドキュメンタリー」では淡々と話すクールビューティーな姿で多くの関心を集めた。


そんな池田がオーディションを受けるきっかけとなったのが西野七瀬。乃木坂46が『帰り道は遠回りしたくなる』をリリースした2019年のこと。そこから遠藤さくらの握手会を訪れた池田はその顔の小ささに衝撃を受け、友達の勧めもあってオーディションを受けたという。

「5期生ドキュメンタリー」でクールな印象を受けたファンを大きく裏切ったのが、『新・乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)だった。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)に先立って初の地上波出演となった第1回の放送でJUDY AND MARYの『OverDrive』を奥田いろはとデュエットで披露すると、王道アイドルを彷彿とさせるアイドルスマイルで大きなインパクトを残した。また同番組ではおっとりとした話し口調と独特なキャラクターも相まって個性の強い5期生の中でもとりわけ存在感を発揮。
中でも筆者が強烈に印象に残っているのが一人ミュージカルだ。

池田の歌唱に合わせて他のメンバーも歌っていく流れは番組の恒例となっており、どこか掴みどころがない不思議ちゃんというイメージも強い。そんな独特なキャラクターは『乃木坂工事中』の「内輪モノマネ対象」での一ノ瀬のモノマネに現れている。そんなギャップを発揮している池田は「活動という意識を持つと、恥ずかしさがなくなるんです」と語っていることからも、池田のプロ意識の高さが独特なキャラクターを生んでいる(参考:『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』)。

しかし、一方でお披露目時から特技として挙げていたのが絵を描くこと。『乃木坂工事中』では「美大を目指す予備校生」と紹介され、30秒で鉛筆を削ったり、どんな絵でも美術用語で講評したりという特技をアピールするほか、自身が描いた絵を紹介するなど、本格的な美術のセンスを披露した。


乃木坂46には生田や堀未央奈など画伯として話題になるメンバーはいたが、池田は若月佑美深川麻衣らと同様に本格派。実際に様々な場面で絵を披露してきたが、池田の絵の上手さに驚くメンバーも多い。

そうした池田のアピールが実を結び、2022年10月からアートバラエティ番組『小峠英二のなんて美だ!』(TOKYO MX)で5期生としては初の単独レギュラー出演を果たしている。前任の樋口日奈と小峠英二との掛け合いも見応えのあるものだったが、池田は美術の知識を活かして勝るとも劣らない存在感を示しており、時には教養の高さを見せつけている。

また、同番組の中で池田は街並みのデッサンで「区長賞」を受賞したことを明かしており、今後は賀喜遥香のように絵を武器に活躍してく可能性は十分にあるだろう。

かつて音楽大学とアイドル活動を両立していた生田絵梨花が学業の両立の難しさを語っていたように、池田が踏み出した一歩は決して容易ではない。
だが、「私が選んだ人生の選択肢が乃木坂46の可能性を広げることに繋がると信じて前へ進んでいきたいと思います」という池田の言葉からは感じられるのは乃木坂46への敬意と愛情。乃木坂46のメンバーの誰もが成し遂げてこなかった芸術分野を開拓するトップランナーの一人として池田への期待は大きい。

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